だいぶ前だが、近所の古本屋で『ムー』誌の2004年1月号があって、ちょっと興味がある記事があったので買ってみた。
普段ならば、こんな雑誌は金を出して買おうという気にはならないのだが、「緊急警告!!2004年大予言」という記事を読みたかったのだ。
この世界で名前が知られた占い師やダウジングやリモートビューイングの大家たちが、2004年に起きることを予言するという企画だ。
このうち「自然災害」のパートを見てみると、いろんな分野の人たちが、日本でこういう災害が起きるという予言をしている。
特に地震について、以下にピックアップしてみる。
まずは、フーチを使って予言をする李徳(リー・トク)氏から。
太平洋沿岸のある地域において大地震が発生することはまちがいないと思われる。
(『ムー』誌、学研、2004年1月号より)
太平洋沿岸で「大地震」といえるようなものはなかっただろう。
次は、風水の鮑黎明(パオリーミン)氏。
日本では、北海道、東北、四国、九州、沖縄、南方の島が危険に晒されるが8〜9月以外、大被害はないだろう。
(『ムー』誌、学研、2004年1月号より)
2004年で「大被害」と言える地震は新潟県中越地震以外にないだろう。
リモートビューイングのセミアン・ハイン氏。
地震は2004年冬〜2005年春にかけて起こり、その後4年間は小康状態に。
(『ムー』誌、学研、2004年1月号より)
新潟県中越地震は「2004年冬」よりも前だったので、的中とは言えない。
霊能者の稲川りよ子氏。
危惧される東海地方の地震は頻繁に起こるが、震度4程度。〜中略〜
東北、茨城、房総半島など太平洋側の地域ではマグニチュード5以上の直下型地震が起きる可能性があり、地盤沈下と津波の被害が大きい。
(『ムー』誌、学研、2004年1月号より)
これも、新潟県をはずしているのでダメ。津波の被害もなかった。
アガスティアの葉。
富士山もしくは浅間山が噴火し、周辺25キロ以上の場所に被害がある。日本北東部、関西方面においては、地震による問題が起きることが予想される。
ちなみに地震の時期については2003年9月後半から16ヶ月以内に起きる可能性が高い。
(『ムー』誌、学研、2004年1月号より)
「日本北東部」という表現が微妙だが、時期的には新潟県中越地震が入っているだろう。だが、時間範囲が広すぎるのが問題。
アガスティアの葉については、私観を述べればインチキ的手法を使っていると思われるが、当たっているところがあるとすれば、それはインド占星術が当たるということではないだろうか。
ダウジングの堤裕司氏。
(震度5の地震が起きる)時期は5月、6月、8月、9月で強く反応が出た。場所は中国・東北地方…
(『ムー』誌、学研、2004年1月号より)
上記に当てはまる地震としては、2004年8月10日に岩手県沖で最大震度5弱の地震があっただけだ。
ちなみに堤氏は、「ダウジングは人間が関与するものは先入観や情報が影響されるので結果については情報のひとつとして捉えてほしい」と言っている。
これには、自分の経験から言っても同意できる。やはりダウジングする人間の顕在意識上の情報が入り込んでしまうことが多々あるのだ。
これはいわゆる占いや霊視などについても似たようなことが言えるだろう。
こうしてみると、的中していると言える予言はすごく少ない。というか、ほとんどないと言った方が良いかもしれない。
上にあげた各人が能力がないとか非難しているわけではなく、それだけ予知というのは難しいのだということだ。
自分的には、ある種の占いやダウジングでも1年も先のことを当てるのは至難の業ではないかと思う。
そんなに前に自然災害の詳細を予言できる人がいるとしたら、それはほとんど創造主レベルの存在とチャンネルがつながっているのかもしれない。もっとも、そんな人はこの世に滅多やたらに居るものではないと思うが。
このように、未来に起きること、特に地震のような自然災害がいつどこで起きるかを予知するというのは非常に難しいわけで、それをいかにも自信ありげに断定的な言い方をする霊能者・超能力者・占い師がいたら、どこかインチキくさいものがあるだろう。
これが、たとえば数週間前とかに差し迫ったならば、的中する可能性は増えることだろうが。
こういうことをプロでやっている人でも、本当に誠実・良心的な人ならば、自分がやっていることはあくまでも占い(霊視、etc)であって、確実に当たるというわけではないから、そういうつもりで聞いてくださいというようなことを言うものだ。