1日目:万博会場へ
2005年5月1日、日曜日。
宿泊先のセブンデーマンション錦を出て、徒歩10分ほどで名古屋駅へ。
当初の予定が変わって、急遽一人で行くことになった。
予定より遅れて11:00にホテルを出る。
名古屋駅まで歩いて、名鉄メルサ3階のバスステーションで切符を買い、シャトルバスに乗り込む。
11:20発。乗客は定員の半分ぐらい。
バスはずっと高速を走ることもあって、ほぼ定刻通りの35分間でEXPO長久手会場東ゲート前に到着。
GWということもあって、地下鉄東山線→リニモというコースを取っていたら、乗換えで切符を買う行列で待たされたりして、もっと時間がかかっていたのではないか。
天気はあいにくの曇り空で、予報通りに午後から雨になった。
かなり強い降りが夜まで続いた。
だが、ゴールデンウィーク真っ最中ということで、天気が悪かったのが幸いしたかもしれない。
今日の来場者数は昨日と同じ12万人程度かそれ以下にとどまったのではないか。
さすがにもっと多くの来場者数を期待していたこともあって、また出てきた時間が遅かったせいもあって、入口ゲートなどで行列にハマるということはなかった。
名古屋から万博会場へのアクセスで、シャトルバスというのはお勧めのコースかもしれない。
バスが到着する東ゲートは、たぶん北ゲートほど混雑しないのではないか。
東ゲートより入場
東ゲートから入場するときに、いきなり失敗してしまった。
ペットボトルのお茶を持ってきてしまったのだ。
荷物チェックのときに、見つかる前に自己申告して、没収される。飲みかけだったから、それほどのダメージはない。
東ゲートから入場したのが、12:00頃だった。
バス降車場から北ゲートまで、1Kmほど歩かなければならない。
基本姿勢としては、企業PRを聞かされるために1時間も2時間も待たされたくないので、企業パビリオンは基本的にすべて捨てて、それ以外の公共機関と諸外国のパビリオンを中心に廻ることにした。
それでも120カ国あるのだから、まる2日間かけてもすべては廻れないだろう。
まず、長久手日本館へ行き、当日予約をしようと思ったところ、行ってみると、当日予約は今日は終了したとのこと。
仕方ないので、明日の朝に整理券をもらって見ることにする。
グローバルハウスの整理券腐敗不が13:00から始まるということなので、その時にまた来ることにする。
海外パビリオン巡りの始まり
日本ゾーンの隣にあるグローバル・コモン6から海外パビリオンを回ることにする。
このゾーンは、東南アジアとオセアニアの国々の12のパビリオンが集まっている。
行きたいパビリオンは、ガイドブック付録の地図にあらかじめマークしてある。
時計を見ると、すでに13:00。無駄に時が過ぎてしまった。
ちなみに、外国パビリオンはすべて、予約なしで自由に入館できる。
ただし、米国やヨーロッパの大国では、日本企業のパビリオンほどではないが、行列ができているところもある。
まずは、マレーシア館に入る。
※以下に、各パビリオンの「満足度」をA・B・Cの3段階で示すが、これはあくまでも独断的な判断なので、参考にとどめてください。
◎マレーシア館 (満足度:B)
マレーシアといえば、私がいままで10回以上も往復した経験があるインドネシアの隣国だが、まだ行ったことがない。
基本的にインドネシア語はマレーシア語(マレー語)を母体としてできているので、インドネシア語を話せる私にとって、マレーシア人と話すチャンスはないかと思ったが、残念ながら、なかった。
パビリオンの中は熱帯雨林を再現していて、なかなか凝っている。
それだけと言えばそれだけなのだけど、楽しいと思う人もいるかもしれない。
◎ラオス館 (満足度:A)
ラオスといえば、タイ国の隣の国ぐらいしか認識がない。
そこへ、なぜ入ったかというと、ここには仏教寺院が築かれ、中に金色に輝くブッダ像が安置されているからだ。
この総檜(ひのき)造りのホー・タイという仏像安置所は、金色に輝き、素晴らしいオーラを放っている。
この移設にはさぞかし手間がかかっただろう。
また、中に安置された釈尊像もすばらしい。たんに金色で綺麗というだけでなく、神々しさがある。
仏像ので合掌し、世界の平和と、ラオスと日本の友好と、東海地方で自然災害による死傷者が出ないようにと祈った。
長い間祈っている人は他にいないから恥ずかしいという気持があったら、こういうことはできない。
これをやるために愛知に来たのだという目的意識があるので。
他にも、貴重な宗教的遺物や民俗資料が展示されていて、特に仏教が好きな人には見逃せないところだ。
◎ベトナム館 (満足度:B)
高い吹き抜けをもつパビリオンの中には、ベトナムの伝統的な民家や民族楽器などが展示されている。
馬琴琴やニ胡や日本の琴に似たものや琵琶の仲間が壁にかけられていて、民族楽器フェチの私にはたまらないところだ。
ベトナムの地方の典型的な民家を再現した展示があるが、なかなか豪華で、日本の中流家庭よりもよっぽど豪華ではないかと思う家具類が置かれている。
◎南太平洋館(11カ国) (満足度:B)
11カ国すべてを書かないが、サモア、ソロモン諸島、トンガ王国、フィジー諸島などの南太平洋の国々のコーナーが散在する。
ひとつひとつの国のスペースは狭いけれど、伝統的な生活用具や装飾品や宗教用具が展示されていて、見ていて楽しい。
◎インドネシア館 (満足度:C)
ありきたりな展示で、ちょっと期待はずれだった。
もっとも、インドネシアではスマトラ島沖地震の後で、万博どころの話ではないだろうが。
そういう関係の展示でも見せてくれれば良いのに、まったくなかった。
私の場合、長いインドネシア滞在経験があるので、そういう人間にとっては面白くなくても、インドネシアへ行ったことがない人には楽しめるのかもしれない。
端末が数台置かれ、マルチメディアで映像を選択して見ることもできる。
◎タイ館 (満足度:A)
特別に好きな国というわけではないが、行ってみたい国ではあるし、いろんな思い入れがあって、楽しめた。
まず、タイの女性は女らしさと気品がある人が多く、それだけでも、この国には洗練された文化があるのだろうと推測できる。
タイのある民族には美人が多いというのでも評判があるようだ。
まず入口では、伝統衣装を着た愛想が良い女の子が一人一人に合掌して出迎えてくれる。
ケータイで写真を撮らせてくださいと言ったら、快く応じてくれた。
展示物では、現代の食器がすばらしい。金色を主体としたコーヒーカップなど。説明書きをよく読まなかったけれど、たぶん王族が使うためのものだろう。
ガイドブックによると、昨年末のスマトラ島沖地震の大津波による被害を伝える映像を映しているということだが、うっかり見逃してしまった。
まだ昼食を取っていなかったので、館内のファーストフードの店で、タイ風カレーを買って、外で食べた。
すでに小雨が振り出していたので、屋根のある休憩所で食べる。
ココナッツをたっぷり使った黄色い色のカレーで、思わずジャワのサンバル・ゴレンという料理を思い出して懐かしくなった。
東ジャワのマディユンで働いていたときに、下宿でよくおばさんが作ってくれた好物だった。
ただ、このカレーは美味しいけれど、具があまりなくて、それで1000円は高いと思ったが、これが「万博価格」なのだろう。
13:00から、バチで打って音を出す琴のような楽器の演奏があるというので、タイ館に戻る。
受付の前に立っていたしとやかそうなタイ人の女性に、ビデオを撮っても良いかと聞くと、どうぞと言う。
しばらくして、その琴の演奏を始めたのは、さきほど私が声をかけた女性だった。
それほど素晴らしい演奏というほどでもないが、なかなか楽しめる。
ちなみに、報道で知っている人もいるかもしれないが、タイから来た人々やマスコミからは展示内容の評判が悪く、近々改装されるそうだ。
今でも十分に楽しめるではないかと思うのだが、もっと楽しいものになってくれるだろうと思うと期待できる。
次に、場所を移動して、北ゲートの東側にあるグローバルコモン1へ行く。
ここには、中東、から韓国までのアジア諸国の14カ国のパビリオンが集まっている。
◎バングラデシュ館 (満足度:C)
美しく装飾されたリキシャ(前に客席が付いた四輪自転車)が目を引く。
その他は物産展的で、特筆するものはない。
以下、「物産展的」などと表記したところはだいたい(満足度を低くしているが、これは万国博覧会のパビリオンとしてはふさわしくないだろうという意味で、その国の特産品を購入したい人々にとっては楽しめるだろう。
◎パキスタン館 (満足度:B)
館内に入ると、中央に苦行釈迦像が安置されていて、あばら骨が浮き出たブッダの像を見ると、思わず合掌せずにはいられない。
ラオス館と同様に、ここでも平和の祈願をする。
他に何もメモしていないところを見ると、ここも物産展的な出展だったのかもしれない。
◎スリランカ館 (満足度:B)
ガイドブックによると、天井に壮大なロウ染めがあり、その下に村の仏教寺院を再現しているとあるが、写真を撮るのを忘れてしまった。
写真を撮るのを忘れるほど、祈りに専念していたということか。
【続く】
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