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スピリチュアルな人生に目覚めるために(江原啓之)


数日前に読み終えた本です。
『スピリチュアルな人生に目覚めるために』(江原啓之著、新潮文庫


正直言って、この人の書く本は、ずっと敬遠していました。
というのは、本のタイトルからして「幸せを招く〜」だとか「幸運をひきよせる〜」だとか、現世利益的なことばかりが目に付いて、あんまり次元が高くない霊能者だろうなと思い込んでいたんですね。
だから、いままで読んだのは、1冊ぐらいです。
でも、その1冊読んだ本は、なんとかさんという守護霊の教えを中心にした人生の指針みたいな本で、なかなかいいことが書いてあるなと思いました。


あともう1冊、Hanako WEST特別編集として出ている『スピリチュアル・サンクチュアリ』というのがあって、これもちょっとがっかりしました。
まあ、それを買う方も買う方なんですが。
日本各地の聖地(主に神社)を紹介しているんですが、これも見出しを見ると「恋愛、仕事、お金、成功、健康等に適したパワースポット紹介」とか、またなぜか聖地紹介の本に近郊のグルメスポット紹介が出てきたりして、おもわず笑い出さずにはいられないというか。
でも、いま考えてみると、こういう無能な編集方針(失礼)とかは、編集部によるものだったみたいですね。


で、今回買った本は、書店で立ち読みしてみて、なかなか良いことが書いてあるじゃないかと思って、買ってみたんです。
それで、これを全部読み終えてわかったことは、結局江原さんの「戦略」だったんですね。
読者たちの現世利益的な欲求を満足させるように見せかけておいて、実は読者をもっと高いところへ導こうとしているというあたりが。
この本で言おうとしている重要なポイントを以下にピックアップしてみます。

  • 日本人は昔から現世利益のとりこになっていて、霊能者にもそういうものを求める。
  • われわれの人生の目的は「たましいの成長」。
  • あちらの世界(霊界)こそが本当の世界であって、この物質界は仮の世界。
  • 現世的な幸せは、いつ崩れるともわからない一時的なものにすぎない。
  • 人は物質的な(誤った)「幸せの価値観」を手放せないために、人生で競争を繰り返しては悩み、だまされ、妬まれ、傷つけられる。
  • たましいを浄化向上させるために最適な場所が、この物質界。
  • 霊的世界は、じつは現世と重なり合って存在する。


こうして見ると、ぼくが30年以上かけて学んできたことと、本質的にはそれほど変わるところはないみたいです。
すごく常識的なことを言っていますね。
というわけで、ああこの人はやっぱり現代の日本という国にとって必要な人なんだと思った次第です。
特に女性たちをより高い世界へ導いていくためには重要な存在でしょう。


それから、この本の最後には江原さんと作家の佐藤愛子さんとの対談があります。
ここで佐藤さんが、日本人は昔は肉を食べなかったから高い精神性を保てていたのが、食べるようになったのでアメリカ並みになってしまったという、相曽先生という方の言葉を紹介しています。
それを聞いて、江原さんはそのとおりだと言って、「動物の獣性のバイブレーションが食を通じて表れてくる。波動が荒くなってくるということなんです。ですから肉食は、基本的にはしない方がいいのです」と語っています。
やっぱり分かる人にはわかるんだなと、嬉しくなりました。


こういう風に、江原さんの本音がけっこう出ている本ではないかと思いました。
新潮文庫向けに書き下ろしたもので、500円で読めることも魅力です。

追記

今日(2005/08/30)、MIXIのブックレビューを見ていたら、この本を読んで感動したという人がたくさんいるようだ。
その多くは女性で、涙が溢れてとまらなかったという人もいる。
やっぱり存在価値ありますね。江原さんも、その本も。


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