テレビをほとんど見ない人間だが、新聞のTV欄を何気に見ていて、「たけしの誰でもピカソ」の『ダ・ヴィンチ・コード−天才のもう一つの謎』という番組があったので、見ることにした。
普通ならば、DVDレコーダーで録画して、後で見るところだが、裏で『もののけ姫』を録画していたので。
ダ・ヴィンチのおいたちについて、印象に残った部分をあげてみる。
- 母親の愛情を知らずに育った。
- 子供の頃から、自然と親しむことが好きだった。
- 学校の勉強が嫌いだった。
このへんは、自分の子供の頃と重ね合わせて見てしまう。
- 30体も人体の解剖を行った。
- 公開処刑の場に居合わせて、画帳を取り出してデッサンを始めた。
『芸術至上主義』という言葉が思い浮かんだ。
『最後の晩餐』が映し出された。
第二次世界大戦で、教会が爆撃を受けるが、その壁画だけは奇跡的に助かった。
ダ・ヴィンチの霊が、その作品に特別に執着していたのだろうか。
それとも、イエスさまのなせる業なのだろうか。
この絵を見ていて思うのは、この天才は「現実にはこうだった」というようなことは、ほとんど関心がなかったのではないか、ということ。
あたかも現実というものを無視したかのような作品だ。
イエスの隣りに描かれた人物は、どう見ても女性に見える。
ナレーターがそこまで言ったときに「あ、マグダラのマリアだ!」と思った。
すると、たしかにマグダラのマリアなのだという。
『ダ・ヴィンチ・コード』の作者によると、ダ・ヴィンチはイエスとマリアが夫婦だったことをこの作品で暗に示そうとしていたというのだ。
なるほど、たしかに説得力がある説だろう。
こう書いただけだと絶対に誤解する人がいるから付け加えておく。
「説得力ある」というのは、イエスに妻がいたとダ・ヴィンチが考えていたことについてであって、イエスが妻帯していたということに対してではない。
イエスさまが本当に妻子がいたかということは別問題だ。
それに対しての自分の考えは、現在のところは否定的な方向に傾いている。
『モナ・リザ』にも、さまざまな謎が隠されていた。
たとえば、背景の高さが合っていない。
だが、絵を縦に半分に切って、左右を反対に並べると、見事に背景が合わさる。
この絵は、ダ・ヴィンチの自画像なのだという説もある。
この作品の背景には、ダ・ヴィンチが隠した人類の未来に対する「予言」が秘められているという。
たとえそうだとしても、その予言が現実のものとなるという保証はどこにもない。
だが、その頃はまったく夢の夢だった飛行機の発明を考えていたような人間だから、人類の未来の一部を垣間見たとしても、不思議はないかもしれない。
ダ・ヴィンチが様々な発明をできたのも、常に想像の世界を飛翔していたからだろう。
つまり、アストラルの世界で生きていた人だったということ。
完全主義者だったかもしれないが、人間として完全でないところといえば…。
それは、人間的な暖かさというものが欠けていたということだろうか。
自己愛が強すぎたためか。
ユングがいうところの『永遠の少年』のアーキタイプ(元型)を投影した人間だった。
同性愛者だったことも、永遠の少年に多い特徴のひとつだ。
このへんのことに関心がある人には、ユングの弟子だったフォン・フランツの『永遠の少年』をお奨めする。
もっとも、「永遠の少年」について、かなりネガティブな態度を示している学者なのだが。
すぐれた天才が、必ずしも優れた霊格者だったとは限らない。
そのへんに、芸術というものの限界を感じてしまうのだ。
【参考サイト】
永遠の少年
http://wiki.livedoor.jp/gedo5/d/%B1ʱ%F3%A4ξ%AFǯ%A1%A1%A5ե%A9%A5%F3%A1%A6%A5ե%E9%A5%F3%A5%C4
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