ネタバレはしてないつもりです。
年間に200〜300冊の本に目を通すだろうという人間が、小説というものを読む頻度は5年に1冊ぐらいだろう。
ときによっては、ノンフィクションだと騙されて小説を読んでしまい、あとで後悔することも。
このように、徹底してフィクションというものを好まない人間だ。
この世の真実にしか関心がない。
「Spiritual reallist」だ。
いわゆる想像の世界、虚構の世界はアストラル次元の作用であり、そこで体験することがこの宇宙を大きく変えるものではないと思っている。
友だちとの話についていけないからという理由でベストセラー本を読んだり、TVドラマを見るような人は、自分にとっては3万光年彼方の星に住む異星人と変わらない。
だから、この本も、ある事情がなければ、ずっと読まずに人生を終えたかもしれないが…。
イスラエル聖地巡礼記は、今後はコードネームで
その事情とは、いま執筆中の本に関連して、この小説が避けて通れなくなったということだ。
ちなみに、執筆中の本の書名(仮題)は今後は書かないことにして、コードネームで『ビードロ』と呼ぶことにします。
ご協力お願いします。
イスラエル聖地巡礼記とイエスの生涯の綴れ織りであるこのノンフィクション作品では、『ダ・ヴィンチ・コード』、マグダラのマリア、エッセネ派、死海文書、フリーメイソンリー、薔薇十字団、エドガー・ケイシー○○○○説、復活を遂げたインドの聖者ユクテスワ師、奇跡の信憑性などの話題を盛り込んでいる。
楽しめた3日間
で、『ダ・ヴィンチ・コード』の話。
この小説、たしかに面白い。
冒頭から、ぐいぐいと引き込まれる。
通勤電車の中、昼休み、寝る前の床の中と、自分が自由になる時間のほとんどを費やして、3日かけて読み終えた。
途中で読むのを止めるのがむずかしい。
小説が先か、映画が先か?
だが、小説を読んで更に映画を見たいと思う人はどのくらいいるのだろうか?
もっとも、たくさんいるからこそ、これだけ興行的に大成功しているのだろうが。
この手の小説は、これからストーリーがどういう風に展開されるのだろうかとワクワクしながら読むから面白いのであって、その感動は一回性のものだ。
その後で、自らネタバレ作品(映画)を見に行っても、どれほどの感動を得られるだろうかという疑問が残る。
その辺のところ、本を読んでから映画を見たという人がいたら聞かせてください。
「小説が先か、映画が先か?」
この問いについては、悩むところだ。
上に書いたように、小説を先に読めば、私のように映画を見たいという気がうせるかもしれない。
映画を先に見れば、小説に書かれていることすべてが映画に反映されているわけではないから、背景的なところがわかりにくく、面白みが半減するかもしれない。
ネタバレなしです
小説の書評なんて滅多に書かないが、いったい何を書いて良いか迷ってしまう。
ネタバレにならずに書けることは…?
まず、『シオン修道会』、これは実在の団体ではない。
この程度のことは、ちょっと調べればわかることだが。
このダン・ブラウンという人、秘密結社だの暗号だのは、かなり調べているのに、キリスト教や聖書の知識となると「?」が頭の中を飛び交うことが多い。
「こういう小説を書いているのに、こんなことも知らないの?」みたいな。
騙されたと思って腹を立てる人もいるかもしれないが、まあ所詮は小説なんだと思うことにしている。
娯楽作品に世界を変えるような真実性を求める方が…。
イエス妻帯説(マグダラのマリア)については、結論だけを書けば「否」だ。
そこに行き着く過程については、『ビードロ』で書くことにする。
だいたい、ナグ・ハマディ文書の一つである『ピリポ福音書』で、イエスがマリアにしばしば接吻したと書かれているからといって、それを鵜呑みにするのは、聖書学の最新の研究成果について知らなすぎるのでは?
新約聖書外典に書かれていることがすべて正しいというのならば、あまりにも内容がバラバラで何を信じて言いかわからなくなってしまうだろう。
いま話題の『ユダによる福音書』にしても同様だ。
ダン・ブラウンがネタ本にしている一連の本にしても、かなりトンデモ系が目立つ。
あと、この小説に書かれたことの真実性を探求しようとすると、聖杯伝説、イエス妻帯説、フリーメイソン、薔薇十字団などのアヤシイ領域にどうしても踏み込まざるを得なくなってくる。
行ってらっしゃい。お元気で。
更なる探求のために
再度書くと、この手の小説を読んだり映画を見て、その内容を鵜呑みにしてしまうというのはいただけない。
所詮フィクションなのだから、その内容にめくじらを立てることでもないと思う人も多いようだが、特にキリスト教国ではそうも言っていられないだろう。
知識不足なためにトンデモ的なことを鵜呑みにしてしまう人には、これだけで終わらないで、巷に出回っている関連本を読むことをお奨めする。
特にお奨めなのが、『ダ・ヴィンチ・コードの「真実」』だ。
私も『ビードロ』を執筆するにあたって、頻繁にこの本を参照している。
下記の資料ページで、簡単に紹介している。
- 作者: ダンバースタイン,Dan Burstein,沖田樹梨亜
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
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ダン・ブラウンという人、小説家としては、たしかに一流だと思う。
構想に半年費やしたというぐらいで、ストーリーもよく練れている。
たまには(5年に一度ぐらいは)、楽しみのために読書するのも悪くはないか。
もっとも、この人のほかの作品も読みたいという気にはなれないが。
みなさんも、できたら小説や映画や関連書籍の感想を聞かせてくださいね。
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