11/01(土)に、久しぶりに、映画を見るために映画館へ足を運んだ。
Sが映画でも見に行こうと言うので。
見る映画の候補は、公開初日の『レッドクリフ』や『アイズ』もあったが、スピリチュアルな要素がありそうな映画だということで、これにした。
三国志を題材にした『レッドクリフ』は、後日見に行きたいかもしれない。
幸いにというか不幸にしてというか、11月1日(土)は「映画の日」(サービスデー)にあたっていた。
毎月1日は、多くの映画館で入場料が1,000円になる。
それはそれで良いのだが、土曜日と重なったこの日は、どの映画館も満員だろう。
最初は新宿の映画館へ行くつもりだったが、ネット上で予約しようとしたら、すでに満席。
それで、池袋の「HUMAXシネマ4」という映画館へ切り替えた。
この映画館のネットからのチケット購入は、面倒な登録などなくて簡単だ。
ただし、購入時には座席の大雑把なブロックの指定となり、詳細の座席指定まではできない。
購入が完了した時点で、座席が自動的に割り当てられる。
最近の映画館は全席指定でネット予約可というところが増えつつあるようで、座席の心配をせずに映画を見に行ける。
午後にSと池袋駅で待ち合わせて、「ヒューマックスシネマ4」へ。
60階通りの、東急ハンズの並びにあるビルに入っている。
ストーリーと原作
この映画では、亡くなったばかりの夫から、妻あての手紙が届く。
…というミステリアスな設定。
スピリチュアルな映画かと思って見たら、そうでもなかった。
だが、「愛する配偶者の死」という命題自体が、「スピリチュアル」的と言えるかもしれない。
愛する人を残して亡くなった人が、相手に対してどう接するべきか。
このことは、もちろん「死後の生」という前提なくして語れないものだが。
原作の小説の作者であるセシリア・ハーンは、アイルランド元首相の娘。
彼女が21歳のときに執筆した処女作だった。
42カ国で出版され、全世界で500万部以上のベストセラーとなったという。
ビートルズの曲
『P.S. I Love You』というタイトルから、私の年代だとビートルズの同名の曲を思い出す。
1962年10月にビートルズが発表したデビュー・シングル『ラヴ・ミー・ドゥ』のB面に収録された曲。
レノン=マッカートニーの作品だが、実質的にはポールが一人で作って、リードヴォーカルも担当している。
恋人と離れ離れになってしまった男が、彼女のもとにまた戻って来たい気持ちを手紙に込めた内容のラヴソング。
小説の作者であるハーンの頭の中には、もちろんこのビートルズの曲があったのだろう。
ちなみに、ビートルズのリンゴ・スターを除く3人はアイリッシュ系イングランド人だ。
アイルランド人たちにとってはビートルズは愛着が深いということはあるのかもしれない。
「夫からの手紙は、実は…」というところまでは、書かないでおく。
そういう意味で、推理小説的な楽しみも一部あるだろう。
Sは、日本語字幕を見ながらなんとかわかったようで、面白かったと言っていた。
現実に起こり得るか?
ところで、心霊科学的に、この映画の設定のようなことが現実世界で起こりうるものだろうか。
つまり、死んだ夫が自分の声を録音したテープや手紙を妻へ送ってくるということが。
答えは「否」だろう。
死んだ人間が自分の声をテープに吹き込むなんて、かつてエジソンが発明しようとした「霊界ラジオ」でもない限り、無理かもしれない。
死者が手紙を書くことは、たとえば霊媒に降りた霊が「自動書記」によって行なうことは可能かもしれない。
本人とまったく同一の筆跡になるかどうかは、わからないが。
スピルバーグ『オールウェイズ』
この映画の設定を見て、スピルバーグの映画『オールウェイズ』を思い出した。
自分的には、こちらの作品の方が感動的だった。
スティーブン・スピルバーグ監督による、1989年の作品だ。
1943年製作の「ジョーと呼ばれた男」(本邦未公開)のリメイク版。
森林火災消防隊のパイロットであるピート(リチャード・ドレイファス)は、危険な火災現場
恋人のドリンダ(ホリー・ハンター)は、危ない仕事を辞めて飛行学校の教官になるように彼に言う。
消防隊勤務の最後の日に、山に再び火災が発生。
その夜、ピートが乗る飛行機が墜落し、命を落とした。
霊界に行ったピートに、天使のハップ(オードリー・ヘップバーン)は、あなたにはまだやるべき事があると告げる。
それは、愛するドリンダの思い出を捨て、彼女を別の男性と結び付けるキューピッド役だった。
主人公ピートが天国で出会う天使役は、名女優オードリー・ヘップバーン。
この映画が最期の作品となった。
この作品で、霊界へ旅立ったピートに、いわゆる美輪明宏さんが言うところの「無償の愛」の芽生えを見る。
死んだピートとドリンダの関係のようなことは、現実世界でも起こり得ることだろうと思う。
自ら彼女を別の男性と結びつけることに苦しむピート。
その彼に、天使のハップは、愛する人に別れを告げた時に自由になれるのだと諭す。
愛することは、執着に繋がる。
それを釈尊は「愛執」と呼び、人間が乗り越えなければならない課題の一つとしたものだった。
その執着から自由になることへの努力の必要性を、この作品は訴えているように思う。
そういう意味では、スピリチュアル的にけっこう深い教えを説いている。
20年近く前に見た映画だが、DVDを買ってまた見たくなってきた。
その後
映画を見た後で、映画館の向かいあたりにあるサイゼリヤへ入る。
女子高生や若い女性のグループが多く、まるで学生街の居酒屋のように超うるさかった。
サイゼリヤの他の店舗は良く利用するが、あの店は二度と行く気がしない。
その後、サンシャインは初めてというSと一緒に、展望台へ上る。
久しぶりに見る高所からの夜景が美しかった。
その後、「ヒューマックスシネマ4」が入ったビル2階のTOKYO BELLINI CAFEへ。
りんごのシブストというケーキを頼んだが、クリームが特に美味だった。
Sと生まれ変わり談義に花が咲いた。
二人はいつの時代にどこで出逢っていたのだろうか、と。
今度ここで食事もしてみたい。
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http://www.psiloveyou.jp/ - 「オールウェイズ」
http://www.ne.jp/asahi/yona/ch/cinema/c43.htm - オールウェイズ
http://www.h2.dion.ne.jp/~mine/movie-0084.htm - 題「人間愛を包む大悲」
http://www.eonet.ne.jp/~souan/jihou/2002/02.01.htm