例の「ゆの里」の「空海の水」のことを数日前に書いたので、弘法大師空海のことがまた気になりだした。
(「空海の水」は難病に効くか? http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20090215/yunosato)
私にとっての最大の謎は、「真言密教には景教(東方基督教)の教えがどのくらい入り込んでいるか?」だ。
弘法大師空海が景教に出逢っていたと思われる根拠は、ざっと挙げただけでも、次のようなものがある。
- 空海がいた当時の唐では景教文化が栄えていて、空海がそれを知らなかった(関心を示さなかった)はずはない。
- カシミール出身で空海にサンスクリット語を教えた般若三蔵は、当時景教に心酔し始めていた(カシミールには今でも失われた10支族の末裔と言われる人々がいるが、般若三蔵自身もそうだったのか?)。
- 高野山の僧が「うちはグレた景教」だと認めている。
- 高野山の儀式では、最初に棒で十字を切る(中印と呼ぶ)。
- 真言宗の儀式にある灌頂(かんじょう)は、キリスト教の洗礼そのものである。洗礼では三位一体の意味で3度水を頭にかけるが、灌頂でも3度水滴をかける。
- 空海が唐で灌頂を受けたのは、日曜日だった。
- 空海が灌頂を受けて授かった「遍照金剛(へんじょうこんごう)」という法号は、「あなたがたの光を人々の前で輝かせ」(マタイ5:16)の漢語聖書からとったもの。
- 空海と秦氏のつながり(唐に行く前に秦氏から原始基督教を学んでいた?)
- 高野山奥の院御廟前の灯篭に、景教の十字架がついている。
- 空海は唐から帰る際に新約聖書の漢訳を持ち帰り、それはいまでも高野山の宝物庫に保管されていると噂される。
空海の入唐は、「大秦景教流行中国碑」が建てられてから23年後のことだった。
唐では景教が大流行していますということを示した碑文だ。
空海は前述の般若三蔵と創造神などについて議論を戦わせたが、けっきょく景教に帰依することはなかったようだ。
だが、上に書いた根拠を見てわかるように、景教から多くを学んで、それを真言密教に取り入れたようだ。
真言密教でいうところの大日如来は、宇宙の根本の仏だそうだ。
これも実は、キリスト教的な創造主からアイデアをいただいたものなのかもしれない。
※灌頂については、コメントで指摘してもらったが、インドの王の戴冠式での灌頂から来ている可能性も検討しなければならない。
空海と稲荷神
上に書いたように、空海は入唐前から秦氏とつながりがあったらしい。
空海は稲荷神(当初秦氏の私的な信仰だった)を東寺の守護神としている。
空海は紀州の田辺で、身長2m40chの異形の翁に出会っているが、これが稲荷神だったという。
真言密教と稲荷神社の密接な関係も、空海と秦氏の結びつきなくしては説明できないかもしれない。
空海と弥勒菩薩
空海は死の臨終に先立って、「弟子たちよ、悲しんで泣いてはいけない」と言った。
その年の3月15日に、空海は弟子たちを集めて遺告した。
「私は兜率天へのぼり、弥勒菩薩の御前に参るだろう。兜率天にのぼって雲の間から地上を見て、お前たちをよく観察する。そして56億7000万年後に、弥勒菩薩とともに必ず下生する。」
これは、イエスが世の終わりのときに再臨を遂げるだろうと言ったのと似ていないだろうか。
もともとミロクとは、「隠れイエス信仰」の対象だったのではないかと言われている。
では、なぜ隠さなければならなかったか?
それは、仏教が日本に入ってきたときの騒動を見ても推察できるだろう。
ユダヤ教だのキリスト教だの得体の知れない異教が入ってきたとしたら、散々叩かれて潰されたかもしれないではないか。
古代日本にキリスト教が入っていたとしたら、何らかの記録が残っているはずだから、それはありえないという人がいる。
だが、何らかの記録も残さないように、秦氏や空海たちは巧妙に仕組んでいったのではないか。
記録は残らなくても、人の話は口伝えに残っていく。
実際、高野山では、僧侶たちが半ば公然と認めているようだ。
本当は口止めされているのだけど、ついポロッと言ってしまうみたいな。
仏教に見るキリスト教の影響
真言密教だけでなく、日本の仏教には、キリスト教の影響が多々見られる。
大きな謎のひとつだろう。
そのことに関心がある方には、『仏教の中のユダヤ文化』(久保有政)の一読をお奨めする。
空海にとって稲荷神や弥勒菩薩とは、イエスそのものであった。
…としたら大変なことになるので、あくまでも可能性があるとだけ書いておく。
高野山、いちど登ってみたい。
全国各地を聖地巡礼しているのに、なぜかまだ行かされていない。
…というところは、けっこうあるのだけど。
もともと、仏教寺院は神社に較べると、そう多くはない。
空海は、仏教とか神道とかキリスト教といった枠を超えた存在だったのだろう。
- 真言密教・チベット仏教とキリスト教(過去の記事)
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20080525/tibet - 空海と景教
http://www.ne.jp/asahi/davinci/code/history/japan/index4.html - 景教碑の謎
http://www.geocities.co.jp/kmaz2215/motto/keikyo/keikyo/keikyou-hi.htm

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