数日前から、以前に作成していた「神の子ら」と天孫族の系図を修正していた。
旧約聖書の古代イスラエルの民と天皇家の系図だ。
聖書と記紀の天皇の系譜に共通点があることは、故ヨセフ・アイデルバーグ氏らの研究によって明らかになっている。
古事記と日本書紀は、「日本の聖書」として書かれたものであるらしい。
少なくとも、アブラハムの子孫の系図を一部真似ているということは、否定できない。
今回作成した系図では、自分の独自の発見も加えている。
これはまだ公開できないが、いずれ本を書くときに発表しようと想っている。
ヨセフ・アイデルバーグ氏は、1916年にウクライナで生まれたユダヤ人だった。
1925年に家族とともにイスラエルへ移住した。
イスラエル国防省の陸軍少佐を努めていたが、58歳のときに引退し、「失われた10支族」の研究を行なった。
世界中を調べた結果として、最大の候補地は日本だという結論に至った。
1984年に、日本で『大和民族はユダヤ人だった』を発表した。
氏は日本書紀の天皇の系譜の中に、聖書のイスラエルの王たちの記述と類似する点が多いことに気づいた。
さらに、日本語にはヘブル語と発音や意味が類似する単語が多いこともわかった。
そして来日し、京都の護王神社に住み込みの見習い神官として働いた。
これだけ情熱を傾けて10支族の渡来について研究した人物に対して、敬意を表さずにはいられない。
2005年11月に、アイデルバーグ氏が亡くなっていたことを知った。
じつはそのずっと前の1985年に、交通事故で亡くなっていたのだ。
- 十部族は日出る処へと向かった〜アイデルバーグ氏死去
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20051106/joseph
この記事を書いてから1ヶ月ほどたって、氏の遺作を書店で見つけた。
『日本書紀と日本語のユダヤ起源』という本だった。
これは、アイデルバーグ氏が生涯を賭けた研究のすばらしい成果だ。
ここに書かれた記紀と聖書の共通点については、説得力がある内容が多い。
昨日は頭が痛くて、午後に寝床に横になっていた。
そこでこの本を読み返していた。
あらためて感動するところが多い。
おもわずアイデルバーグ氏の霊に向かって、感謝の念を捧げた。
研究途中で他界された氏の研究を受け継いで、あらたな発見をしていきたいと想っている。
聖書と記紀の対応する人物
聖書と記紀の登場人物として、具体的に対応するのは、以下の組み合わせだ。
他にもあるが、省略する。
これらの天皇の中には、実際は架空の人物だったという場合もあるかもしれない。
その場合は、記紀が聖書の登場人物の行動を真似て、架空の天皇の業績としていることになる。
架空の人物ではなくても、聖書の系譜に合わせて、日本の神々〜天皇の系図を修正してもいるのだ。
その一部については、2002年に書いた『聖地巡礼ファイル』シリーズの「#250 古都に隠された十字架・前編」で紹介している。
17ページの「聖書と記紀の類似点」だ。
まだこの問題について探究を始めたばかりの頃で、まだまだ知識不足の点も多々あって、読み返してみると恥ずかしい部分が多いのだが。
なかなか改定している暇がなくて。
その他に、日本語のひらがなとカタカナがヘブル語やアラム語の文字を真似て作られたものであるらしいことも、氏の発見によるものだ。
これも、あまりにも似ているものが多いので、否定することが難しい。
平仮名や片仮名は、もちろん万葉仮名をもとに成立していったというのが常識的な説明だ。
だが、そう思わせておいて、じつは真実を巧妙に隠して作り上げていったのではないかと思わせるものがあるのだ。
日本語とヘブル語(ヘブライ語)
本書の後半は、日本語とヘブル語で発音と意味が類似する単語を500語も紹介している。
上記の記事で書いたように、その多くは残念ながら、否定的なものも多い。
だが、残るものも少なくない。
きのう寝床でこの本を読みながら、日本語とヘブル語単語のチェックをしてみた。
マーカーで○か×を付けていくのだが、やはり半分以上は×をつけざるを得ない。
日本語の単語で音読みの熟語とヘブル語を比較していたりして、たとえ発音が類似するからといっても、それは本来の大和言葉ではありえない。
だが、そのような類似する単語が少なくない場合は、別に中国語とヘブル語の比較が必要になってくるかもしれない。
○をつけた単語を数えてみたら、だいたい100以上はある。
偶然の一致として起こりえるものではないだろう。
外国人(特にユダヤ人)に対して紹介するために、この本の英語版も買いたいと想っている。
Amazonで簡単に入手できるので。
古代の山高帽
ところで今日、Web上で調べてものをしていて、「山高帽の埴輪」というのを見つけた。
これを見ると、なんだかエルサレムでよく見かけた超正統派ユダヤ教徒を思い出す。
黒ずくめの服を着て、山高帽を被っている人々だ。
もちろん、古代にはそのような格好はしていなかっただろうから、他人の空似だろうが。
面白いものだ。

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