1996年、一時的に再結成されたビートルズが、新曲を発表した。
それは、1980年に暴漢に殺されたジョン・レノンが書き残した『Real Love』という曲だった。
ヨーコ・オノが保管していたアウトテイクのテープをメンバー3人に渡して、ビートルズの作品として完成させたもの。
余計な音をコンピュータ処理で取り除き、半音分ピッチを上げてテンポが速くなっている。
同様の形で録音された『Free As A Bird』に続く第2弾だった。
ポールとジョージがコーラスをつけている。
ジョージのスライドギターが決まっている。
これは、プロデュースしたジェフ・リン(ELO)の提案だったようだ。
もっともポールは、ビートルズの曲らしくないと最初は反対したらしいが。
日本の俳句や歌舞伎に影響されたというジョンの書く歌詞は、どんどんシンプルなものになっていった。
これが本当の愛なんだという、ジョンが残したメッセージだ。
イントロでは、ポールがクラヴィネットのような電子チェンバロで物悲しいアルペジオを奏でる。
ジョンの『Love』や『Oh My Love』を思い出させる。
この歌に出てくる「you」とは、もちろんヨーコのことだろう。
訳詞
ビートルズに、「愛」ということを教わった。
男女の愛ではなく、もっと大きな愛というものがあるのだということを。
中でもジョン・レノンは、もっとも愛に飢え、愛を望んだ人だった。
この曲を、訳詞してみた。
この訳詞は、あくまでも歌うための歌詞として訳したもの。
いずれ自分で歌ってYouTubeで公開したい。
"Real Love" (John Lennon) 訳詞:Noya
すべての計画は
夢のように消えて
そしていつも待っていた
君をずっと
小さな少年と少女のように
小さなオモチャで遊ぶ
そしていつも待っていた
君をずっと
一人じゃない
孤独じゃない
それが愛
本当の、本当の愛
本当の
今この瞬間から
人生はまさに始まる
そしていつも待っていた
愛をずっと
一人じゃない
孤独じゃない
それが愛
本当の、本当の愛
本当の
前にも愛していたと思ってた
でも心ではもっと望んでた
そしていつも待っていた
君をずっと
恐れることない
恐れることない
それが愛
本当の、本当の愛
本当の
ビートルズのライブ映像
下記の『Real Love』の映像は、YouTubeに投稿されたビートルズ3人のライブ。
それに生前のジョンのライブ映像を絡ませている。
そのジョンの映像は、『Real Love』を歌っているものではない。
口の動きをよく見ないとそうとはわからない、巧みなビデオ編集だ。
スライドギターを弾くジョージ・ハリスンも、いまは亡き人となってしまった。
だが2人のビートルは、私の心の中で今も生きている。
YouTubeで日本語版を公開しました(2010/11/10)
上記の訳詞で歌ったビデオを、下記の記事で紹介しています。