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インドネシア人の生活〜イスラム教


インドネシア紹介シリーズです。
今日は生活の中でも、宗教的慣習や結婚について見てみたいと思います。
ちょうどラマダン(断食月)でもあることだし。
イスラム教のプアサ(断食)については、すでに何度か書いたので省略します。
今日は、インドネシアの人口2億2千万の90%を占めるイスラム教の習慣について紹介することにします。

一夫多妻制

ムスリムイスラム教徒)の男性は、4人まで奥さんを持てることになっています。
いわゆる一夫多妻制ですね。
男性は4人まで妻を娶ることができるということは、経典であるコーランで示されています。
ただし、イスラーム教は地域的に多様性があって、すべての地域でそういう婚姻制度が成り立っているわけでもないようです。
コーラン規定では、夫は妻を保護し養う義務があって、それを守らなければなりません。
複数の妻がいる場合、そのすべてを平等に扱わなければならない。


イスラム教徒の男性の多くは、この制度をうらやましいと思うかもしれませんね。
でも、実際はそれぞれの家庭に家を与えて、生活に十分な糧を与えなければならないので大変です。
つまり、それなりの富が必要となってくる。
通常は、複数の家族をひとつの家に一緒に住まわせるわけにはいかないのです。
中には、複数の妻子を同居させている場合もあるようですが。


個人的には、こういう風習をうらやましいとは思いません。
愛する人は一人で十分だと。
妻や恋人がいれば、他に誰も要らない。


インドネシアでも、実際に複数の奥さんをもつ男性がいます。
でも、それはごく少数派です。
現代では、そういうことを実行する男性も、年々減ってきています。
やっぱり、そういうことを実現するには、かなりの財力が必要だということもあるでしょう。
イスラム教の中でも、こういう伝統に批判的な声もあるということもあるのでしょうか。


じつは、ムスリム以外でも一夫多妻制を実践している人がいます。
でも、それは法的に許されているのではなくて、いわゆる愛人的なものです。
昔から日本でもあるのと同じですね。
契約結婚と呼ばれることもあります。
法的には婚姻関係にないのに、家とお金を与えて囲うんですね。
某国の駐在員の人々にも、そういうことをやっている人がいます。
そういう人々は、インドネシア人からの批判の的にされることが多いようです。
まあ当然でしょうね。

結婚の戒律

結婚について、もうちょっと書いてみます。
前にも書いたように、イスラム教徒はイスラム教徒としか結婚できないことになっています。
たとえば結婚したい相手がクリスチャンだった場合、その相手がイスラム教に改宗しなければならない。
ムスリムと結婚したいと思っている外国人にとっては、ものすごい大きな壁です。
そのため、ぼくもなるべくムスリムの女性を好きになるまいと思っていました。
まあ、ちょっと危ない時もあったけれど。^^;


この前Facebookで知り合ったジャワ島の友達から、興味深い話を聞きました。
彼女のお父さんはバリ島出身の人で、お母さんはジャワ人のムスリムでした。
そして、彼女自身もまたムスリムです。
日本人的感覚だったら、お父さんの宗教に合わせるのが普通ではないかという疑問をもちました。
それ以前に、なんでムスリムの女性がバリ人(ほとんどヒンドゥー教徒)と結婚できたのか、と。


聞いてみたところ、こういう複雑な事情がありました。
彼女のお父さんは、お母さんと結婚するために、ヒンドゥー教からイスラム教へ改宗しました。
だが、その後、お父さんの兄弟がすべて亡くなったために、跡継ぎとなるためにヒンドゥー教に戻った。
そのために、今は夫婦が異なる信仰をもっているのです。
本来ならば、夫婦揃って同じ信仰をもつことが理想でしょう。
まして、イスラム教ヒンドゥー教といえば、水と油のようなものです。
方や偶像を禁じる厳格な一神教で、方や日本の多神教一神教
よく夫婦でやっていけるなと思います。
でも、インドネシア人の多くは、他の宗教に対して寛容なところがあります。
そして、同じ創造主ならば宗教は異なっても実態は一つの神だと考えるのです。


個人的に、インドネシアの人々のそういう考え方が好きです。
私の考え方と大きく異なるところはありません。
世界中の人々が、同じように他宗に対して寛容な心をもつことができたら、世界はだんだん変わっていくのではないか。
そのために、インドネシアという国はひとつのお手本を示すことができるかもしれません。

女性に対する制限

イスラム教は、平等ということを重んじる宗教だといわれます。
でも、男女平等ということについては、あまり平等とは言えない面があります。
前述の一夫多妻についても、その男女逆のパターンは許されませんね。


また、女性の服装についても厳格な掟があります。
体の決まった部分を露出させてはいけないというものです。
隠さなければいけないのは、髪の毛や胸元と、体の肘と膝から内側です。
コーランには、「あなたの美しいところを見せないように」という記述があります。
なぜか美しいものは、家族以外の人間に見せてはいけないというのです。
このため、髪はヒジャブというスカーフで覆います。
インドネシアのような熱帯の国では、さぞかし大変なことだと思います。


でも、なぜかインドネシアの国際線や国内線で、スチュワーデスがこのスカーフを被っているのを見たことがないんですね。
なぜなのか?
それ以前に、ムスリムでもスカーフをしていない女性はたくさんいます。
この国では、もともとあまり厳格に守られていないということなのでしょうね。
ぼくが働いていた東ジャワ・マディユンの事務所では、タイピストのかわいい女の子がいました。
彼女は1日5回の礼拝を欠かさない真面目なムスリムだったけれど、やっぱりスカーフは被っていませんでした。
プアサ(断食)もやっていたし、ぼくのまわりで働いていた人々の中では厳格な方でした。
町を歩いていて見かける女性の中で、スカーフを被っていたのは、半分かそれ以下でした。
やっぱり気候上の理由もあるのか、この戒律については、あまり厳格ではないようです。

飲酒もダメ

昨日だったか、朝日新聞にちょっとショックなニュースが載っていました。
マレーシアの女性モデルが、公衆の面前でビールを飲んだために逮捕され、鞭打ちの刑が言い渡されたというのです。
イスラム教では、飲酒は大罪ということで、禁じられています。
ただしこれは男女ともに適用されるので、女性だけが禁じられているわけではありませんが。
それに、実際にはこの禁令は初めからあまり守られていなかったようなのです。
それなのに、「なぜ女性だけが」という批判の声も出ているようです。

礼拝の義務

このほかに、以前の記事で書いたように、ムスリムは1日5回の礼拝が義務付けられています。
最初の礼拝は、まだ外が真っ暗な朝4時頃に起きて行ないます。
その時には、仕事を中断して手足を清めて、礼拝を行ないます。
断食月には、もっと大変でしょう。


イスラム教徒には、いろんな戒律があって大変ですね。
日本人に生まれてよかった。^^


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