探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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タイ仏教の非殺生と五戒


先日、寝る前に風呂に入っていて、ナメクジを見つけた。
風呂場の壁にナメクジが2匹、へばりついていた。
以前だったら、塩でもふりかけるか、または水に流してしまっただろう。
だが、私はそのままにした。
タイの人々から学んだことがある。
それは、「非殺生」という概念だ。


タイの上座部仏教では、在家者・出家者を問わず、仏教徒が必ず守らなければならない「五戒」という戒律がある。
次の5つだ。

  1. 不殺生(ふせっしょう) 生き物を殺さない
  2. 不偸盗(ふちゅうとう) 盗まない
  3. 不(邪)淫(ふ(じゃ)いん) (間違った)性行為を行わない
  4. 不妄語(ふもうご)  嘘をつかない
  5. 不飲酒(ふおんじゅ) 酒を飲まない

仏教の五戒

また、タイのメーチーと呼ばれる女性修行者たちは、五戒に3つの戒をプラスした八戒を守っている。
日本の大乗仏教では、在家信者が守るべき五戒がある。
基本的には、上座部仏教の五戒と同じものだ。


だが、日本の仏教では、「不飲酒戒」など、いったいどこへ消えてしまったのだろう。
日本の僧侶では、肉食、妻帯、何でもありだ。
これはもう、仏教とは言えない代物と化してしまっていると言われても仕方ないだろう。
実際、上座部仏教からは、そういう批判が出ている。

非殺生ということ

タイの人々は一般に、安易に動物を殺さないという。
飛んでいる蚊を叩くという、日本人にとってはごく普通の行為でも、タイ人にとっては普通ではないようだ。
それが「タンブン」(徳を積むこと)であるからだ。


タイでは、ある祭の期間中などに、売られている小鳥や魚などを買ってきて、放してやるという習慣がある。
それも一つの「タンブン(タムブン)」のためなのだ。
外国人であるわれわれにとっては、なんだかすごーく違和感を感じる行為だが。


だが、非殺生を心がけている人々が、肉食に関しては無頓着なようだ。
もっとも、満月や新月などのある期間だけは肉食をしないという習慣もある。

肉食の戒

また、華人の間では、ヴェジタリアンフェスティバルのような催しが開催されている。
毎年10月に「キンジェー」と呼ばれる精進祭りの期間がある。
中国系の人々が19世紀頃から始めた。
タイの精進料理は、大豆たん白などを使用して、肉を模して豪華な料理をつくる。


タイの上座部仏教では、基本的に肉食をしてはいけないという戒律はない。
釈尊自身も、時には肉を食べていたという説もある。


肉食をするといえば、タイでは伝統的に犬の肉さえ食べてしまう。
イサーン地方(タイ東北部)で多い?
最近はさすがに風当たりが厳しくなったようで、一部の地域だけにしか見られなくなった。


日本では、平安時代に動物の肉を食べてはいけないという食肉禁止令が何度か出た。
それは、大乗仏教の思想に影響されてのことだった。
だが、飲酒禁止については黙認されたようだった。
なんといっても、最大の「殺生」は、殺人や戦争だろう。
タイでは、殺生を厳守する人々が多くいるにもかかわらず、凶悪な殺人事件が多発する。

禁酒の戒

また、タイの人々は、飲酒の戒について守っているのだろうか。
少なくとも、一時的にでも出家した場合は、もちろん五戒を守ることになる。


仏教の五戒を守るために、禁酒することを考えてみる。
酒をやめることは、私にとっては難しいことではない。
いままでそれを実行に移さなかったのは、いくつか理由がある。
ひとつには、酒を「薬として飲む」ことをやめたくなかったから。
もうひとつには、仕事場の飲み会の席で、アルコールなしには間が持たないということ。


タイの女性と結婚するようになったら、私もいつか出家したいと思っていた。
「上の方」からも、きっとそれを望まれているのではないかと。
しかし、なんで日本では、肉食について厳しくしても、飲酒については禁じられなかったのだろうか。

五戒を守ることができるか

五戒は、私のような凡人が完全に守れるものではない。
だが、たとえば、「なるべく無駄な殺生はしないようにしよう」という努力は尊いものだと思う。


日本の仏教は、かなり腐敗していると言わざるをえない。
不飲酒の戒などは、遠の昔に忘れ去られている。
仏教の僧侶が妻帯するというのは、日本だけではないにしても、本来あるべき姿ではないだろう。
肉食と妻帯は対で考えるべきものだと思う。
肉を食べれば、それだけ性欲が増進するからだ。
なので、一般に肉食をすれば妻帯は難しくなる。


久保有政氏の説く古代イスラエルと日本の関係は、同意すべき点が多々ある。
だが、この点ではどうだろうか。
下記のページでは、仏教の戒律とユダヤ教の律法の比較がされている。


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