今日は、エリック・クラプトンと、元The Beatlesの故ジョージ・ハリスンの曲を紹介する。
ジョージは、ビートルズの一員として、地位も名声も莫大な財産も手にした。
そして、パティという美しい妻も。
モデルとして活動していたパティ・ボイドは、ビートルズの映画『ハード・デイズ・ナイト』に出演した。
ジョージはパティに一目ぼれし、彼女は交際していた男性と別れてジョージと同棲を始めた。
そして1966年に、二人は結婚した。
パティは、ビートルズの奥さんの中では一番美人でキュートだと思う。
だが、彼女の「スピリチュアリティ」は、そう長くは続かなかった。
『Layla』
彼の親友だったエリック・クラプトンは、パティに恋した。
そして1970年、あのロック史上に残る名曲『Layla(邦題:いとしのレイラ)』をパティに捧げた。
もちろん、誰にも悟られないように密かな想いを込めて。
当時彼が在籍したバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスの2枚組のアルバム『Layla』に収められた。
Derek and the Dominosのオリジナル版『Layla』のYouTube映像を貼り付けておく。
◎Layla - Derek and the Dominos
このアルバムでは、オールマン・ブラザーズ・バンドの故デュアン・オールマンがギターで参加している。
この曲では、スライドギターの名手だったオールマンとクラプトンのギターの競演が聴ける。
オールマンのスライドギターが素晴らしい演奏だ。
ギターが宙を飛び、泣いている。
クラプトンは昔は「ロックギターの神さま」と崇められた人だが、この曲ではオールマンにお株を奪われてしまっている。
クラプトンはその後、オールマンをなんとかバンドに引き入れようとしたが、断られたという。
後半は曲調がガラッと変わって、ピアノソロで始まるロマンティックなインストロメンタル部分となる。
美しく壮大なスケールの曲想だ。
聴いていると、涙が出てきそうになる。
蛇足だが、むかし大事MANブラザーズバンドというのがいた。
1991年の『それが大事』が大ヒットした一発屋さんたちだ。
このグループ名は、オールマン・ブラザーズ・バンドのパロディなのだ。
ちょうど、故加藤和彦が結成したサディスティック・ミカ・バンドが、ジョン・レノンとヨーコ・オノのプラスティック・オノ・バンドのパロディだったように。
この頃のクラプトンは、ドラッグ漬けでメロメロな状態だった。
また、解散後に他のメンバーも、悲惨な人生を歩むようになった。
ベースのカール・レイドルは、1980年にアルコールとドラッグ中毒により、37歳で亡くなった。
そしてドラムスのジム・ゴードンは、ドラッグに溺れて統合失調症になり、1983年には母親を殺害し、殺人罪で現在も収監されている。
メンバーではないが、デュアン・オールマンは、その後1971年にバイク事故で亡くなった。
まともに再生できたのは、クラプトンぐらいだったのか。
複雑な男女関係
1974年、パティはジョージと別れて、クラプトンと同棲を始める。
そして1977年、ジョージと正式に離婚し1979年にクラプトンと結婚した。
愛する妻を奪われても、なおかつジョージはクラプトンに対する親交を失わなかった。
二人は死ぬまで親友であり続けた。
よっぽど間抜けな男なのか、またはよっぽど人間ができているか、どちらかなのだろう。
そして、クラプトンはパティと一緒になった。
クラプトンの名曲『ワンダフル・トゥナイト (Wonderful Tonight)』も、パティとの生活の中で書き上げた曲だった。
だが、二人の仲も長くは続かず、彼女はクラプトンの元を去っていった。
ちなみに、ジョージはリンゴ・スターの奥さんのモーリンと不倫をしたりと、かなり女癖が悪かったようだ。
パティに言わせると、それが直接の離婚の原因となったとか。
リンゴもそれでもジョージと仲の良い親友であり続けたのだから、この人たちの考えていることはよくわからなくなってくる。
ロックスターの私生活というのは、何でもありなんだろうか。
だいたいロックのミュージシャンとかでは、音楽的に共感できる人はいても、人間として尊敬に値するような人はあまりいない。
『Your Love Is Forever』
そのような過去を経て、メキシコ系のオリヴィアと恋に堕ち、1978年に再婚。
クラプトンとパティが正式に結婚する前だった。
オリヴィアは、ジョージが亡くなるまで彼を支え続けた。
そして、このような美しい曲ができるようになった。
今日紹介する『Your Love Is Foerver』(邦題:永遠の愛)という曲だ。
1979年のアルバム『George Harrison(邦題:慈愛の輝き)』に収録されている。
◎George Harrison - "Your Love Is Forever"
「Forever」の歌詞のところの、A7Sus4→A7→G7sus4→G7→Dというコード展開が聴いていて気持ちよい。
ジョージ・ハリスンは、4人のビートルの中でも非常に高い音楽性をもった人だった。
インド音楽やブラックミュージックなどの要素も取り入れていた。
変わったコード進行、デミニッシュコードの多用、インド音楽的な変拍子、奇抜な転調…。
そして美しいメロディーをもった曲が多い。
私が訳詞したものを載せておく。
いつものように、歌うことを想定しての歌詞だ。
Your Love Is Forever
作詞・作曲:George Harrison 訳詞:Noya(百瀬直也)
至高の夏、暖かく気だるい
天国のような日々がある
夏は来て去るけれど
君の愛は永遠に
二人分かち合っていると
感じる
冬の寒さと物憂さに諦める
燃える炎を見つめながら
冬は来て去るけれど
君の愛は永遠に
二人分かち合っていると
感じる
君だけだと感じている
愛の光に導かれ
ただ一人価値ある恋人
永遠に
パティ・ボイドについて、もう少し
下記のページに、パティの昔と最近の写真がたくさん載っている。
YouTubeで「Patty Boyd」で検索すると、動画がたくさん見つかる。
彼女を好きな男性は、いまでも多いようだ。
英語になるが、最近のパティへのインタビュー映像があるので、貼りつけておく。
クラプトンが『Wonderful Tonight』を作曲した時のことなどを語っている。
65歳になって昔よりも太めになり、昔の面影はあまり見られないが。
◎Patty Boyd

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ジョージとクラプトンとの三角関係を中心に書かれている。

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