探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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津波に立ち向かった勇者


東日本大震災の発生から、今日でちょうど1ヶ月たった。
もう誰もが知っていることだけれど、東日本大震災のエピソードを敢えて紹介する。
今日Facebookインドネシアの友人が、CNNのビデオを紹介していた。
動画を見て、誰のことかすぐにわかった。


CNNが伝えているのは、東日本大震災津波が来たときに、漁船を守るために沖へと向かっていった漁師・菅原進さん(69)のこと。
菅原さんが住む気仙沼対岸の大島は、900人乗りフェリーが壊れて孤立した。
破壊を免れた菅原さんの船「ひまわり」が、今も大島で人と物資を運ぶ唯一の手段となっている。


詳細は、下記の毎日JPの記事で読むことができる。


菅原さんは、42人乗りの古い客船「ひまわり」の船長。
自身も避難所生活を送る被災者だが、3/11の地震の2日後から毎日、島と気仙沼港を愛船で往復し、人と物資を運び続けている。
菅原さんは、気仙沼港とを結ぶ定期便が1日数本しかなく不便さを痛感し、夜間の臨時便としてひまわりの運航を始めた。
大島で欠かせない交通手段として、40年以上利用されてきた。


3/11に自宅で地震に遭った菅原さんは、津波から守ろうとひまわりに乗り込み、敢えて沖に向かった。
そして、すぐに高さ数メートルの津波がやってきた。
「逃げたら転覆する。前に進むしかない」。
眼前に壁のように立ちはだかる大波を4回ほど乗り越えて、海が落ち着いたのを確認してから島に引き返した。
大島は沿岸部が津波で壊滅状態で、火災も起きていた。
菅原さんの妻と同居の三女、2人の孫は無事だったが、自宅は1階部分が海水に浸かって住めなくなった。
その後、ひまわり号は本土と大島を結ぶ貴重な交通機関として、現在も航行している。

船は助かったが乗員が行方不明になったケース

沖へ逃げて助かった別のケースとして、宮城県塩釜港沖で津波に遭った県漁協保戸島支店のマグロはえ縄漁船「第3くに丸」がある。
下記の3/17時点の記事では、インドネシア国籍の乗組員4人が行方不明になった。


第3くに丸の乗組員10人(日本人3人、インドネシア人7人)のうち、地震の3日後の14日に三崎港に着いたのは、5人だけだった。
船上で出港準備をしていた時に、地震が起きた。
近くの人から「震度7津波が来る」と聞いた。
陸か、沖か、どちらに逃げるかという決断に迫られた。


津波は沖に逃げろ」
以前そう教えられた気がして、沖を目指した。
機関長と一緒にブリッジに入り、他の乗組員には船室から出ないよう命じた。
すごい勢いの引き潮が起きて、舵は利かず、速度が出ない。
あまり沖に出られないまま30〜40分後、軽いうねりのような第1波をやり過ごした。
だが、遠くに高く盛り上がった海が見え、10メートルのマストより高い波が近づいた。
船首が垂直に持ち上がった後、海面に叩きつけられた。


3波、4波と続いたと思うが、放心状態で覚えていなかった。
第1波後、様子を見に船室から出た乗組員のうち4人が波にさらわれてしまった。
「もし陸に逃げていたら全員無事だったのではと考えると、言葉にならない。われわれは助かったがとても喜べない」


このケースでは、判断が微妙なところだっただろう。
だが、船室から外へ出てしまったために波にさらわれたのであって、船長を責めることはできない。
様子を見に外に出なければ、全員が助かっていたかもしれない。

古くからの言い伝えを守って救われた

津波が来たら沖へ逃げる」
その古くからの言い伝えを守って、船を守ることができた。
菅原さんの場合、地震の時には自宅にいたのだから、敢えて船に乗る必要はなかったのだ。
自分だけ助かりたいと思ったら、近くの丘へ逃げれば済むことだった。


沖へ逃げるのは時として一つの有効な手段ではあるが、船の大きさなどのさまざまな要因で条件は変わってくるだろう。
沖へ向かうことを選択しても、一歩間違えば大波に飲まれて転覆する恐れがある。
船の操舵に関する技術と経験も必要だろう。

サバイバルのためには

なんども書いているが、自然災害からのサバイバルには、災害に対する知識の有無によって生死の命運が分かれることが多い。
陸上で地震津波に遭遇したときにも、とっさの判断で命が救われることもある。
日頃から、地震津波などの自然災害について十分な知識をもっておくことが大切だろう。


それから、東日本大震災津波の犠牲になった人の多くは、お年寄りたちだった。
逃げ遅れたり、初めから逃げられなかったりしたためだ。
海辺に住む人々にとって、高齢者がいかにして地震津波から避難するかが、大きな課題となってくるだろう。


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