8月21日の記事で書いたように、電子出版のメディアをいろいろと検討していた。
上記の記事でも書いたように、パブー(Puboo)というサイトがいちばん盛況そうで、今後はここから電子本を出そうと決めた。
パブーについての基本的な情報は、上記の記事を参照してください。
昨日、Pubooでアカウントを作った。
これは、同社のサービスである「ブクログ」と共通らしい。
さっそく3冊ほど本を出版したので、それも兼ねて紹介したい。
パブーサイト上での編集
パブーでの本作りは、Webブラウザ上で行うことができる。
ただ、ページ単位で作成するので、けっこう面倒だと思う。
ユーザーがダウンロードするためのPDFとepubフォーマットのファイルは、ツールなどを使って自分で作らなければいけないと思っていた。
ちなみにepubというのは、iPadやスマートフォンなどでも採用されている形式だ。
だが、Web上で本を作成したら、自動で作成してくれることがわかった。
これは非常に楽だ。
ただ、その元になる原稿をWeb上で編集するのは、それなりに手間がかかりそうだ。
まず、ワープロのように自動でページ割りをしてくれる機能がなさそうだ。
Wordなどのワープロソフトで文書を作成して、その内容を1ページずつコピペする?
それでも、図入りの文書をワープロのレイアウト通りに編集するのは、けっこう手間だろう。
それならば、後述するようにワープロ文書をPDF化して、それを読み込む方が楽だろう。
PDFからインポート
「インポート」という新機能を使えば、ZIP形式で圧縮した画像またはPDFファイルから本の内容を一括でインポートできる。
ただし、これは有料の「プロ版」の契約(月々315円)をしていないと使えない。
私はこの機能を知って、即座にプロ版を申し込んだ。
ライフワークとして書き続けている『聖地巡礼ファイル』シリーズとして作成してWeb上で無料公開しているPDFファイルが、けっこうな数になってきる。
それらの本をパブーでも公開できれば、より読者が増えるだろう。
電子本を作ってみた
まず、手始めとして、『聖地巡礼ファイル』シリーズの「古都に隠された十字架(上)」を無料で公開してみることに。
Web上で公開したままのPDFを、そのままインポートする。
全ページを一括で作成してくれる。
ページ数が多いと、ちょっと時間がかかる。
インポートした後の章とページの設定が、ちょっと面倒だ。
Web画面上で読むには、ちょっと文字サイズが小さい。
本の概要のところに、文字が小さくて読みづらい場合は、PDFかepub形式でダウンロードして読んでくださいと書いておいた。
ちょっと驚いたのは、一晩のうちに、閲覧した人が100名以上いたこと。
私のブログで紹介しても、一晩でここまでは行かないかもしれない。
それだけパブーのサイトが集客力があるということだろう。
『ヴィア・ドロローサ〜イエスが歩いた悲しみの道』
次に、今日になって、有料の本を出版してみることに。
5年前に、ボイジャーのドットプレスというシステムを利用して、電子書籍+オンデマンド本という形で出版した本だ。
初期費用が1万円以上かかったのに、その費用を回収できていない。
つまり、ほとんど売れなかった(涙)。
電子自費出版は時期尚早だったのか、それとも本の内容に問題があったのか。
かなり膨大なページ数なので、上下巻に分割して発行することに。
WORD文書として作成した原稿を2ファイルに分けた後で、PDF出力する。
(私は古いヴァージョンのAdobe Acrobatを使っている)
デフォルトでは非公開になっているので、そのままで編集を行う。
1ページ毎にページの名前(小見出し)を付けていくのが、非常に手間がかかる。
ユーザーI/Fがイマイチなのだ。
100ページを超えるような本だと、特に要注意だ。
有料版の公開
また、PDFからのインポートだと、特定の章へ一括でインポートされるので、自動で章分けなどはやってくれない。
章分けがある本は、章毎にPDFを作った方が後々の編集が楽になるかもしれない。
やっと2冊の編集が終わって、公開することに。
上下巻とも、150円の価格を設定してみた。
売上の30%は手数料として引かれるから、1冊売れて私が受け取るのは、105円だ。
公開した後で、大事なことを忘れていることに気づく。
「試し読み設定」で無料で読めるページを設定しないと、読者が試し読みできないのだ。
これでは、効果がない。
章毎に冒頭の何ページかを、試し読みできるように設定変更した。
上巻は、公開してから30分かそこらで、閲覧者数が50を超えた。
閲覧といっても、無料で読めるお試しのページを読むことで、有料でのダウンロード数はまだ0だ。
出版した後で気づいた反省点としては、パブーではあまりページ数が多い電子本を出さない方が良いということ。
画面上で大著を読むのは読者にとって辛いというのもある。
ページ数が多い場合は分冊として、有料本の場合は1冊の価格を安く抑えた方が良いだろう。
今後の予定
『聖地巡礼ファイル』は、今後も少しずつ無料版として出版していくことにしたい。
パブー用の書き下ろしとしては、「性の通過儀礼」(仮題)という本を執筆しようと思っている。
他にもいろいろとアイデアがあって、少しずつ出版していきたいと思っている。
電子出版といっても、営利目的の有料版に限らず、自分が書いたもの(漫画や写真なども含む)を多くの人々に読んでほしいという場合にも検討の価値があるのではないだろうか。
言うまでもなく、権利関係がすべてクリアになっているものだけが対象となるが。
私がパブーで出版した電子本は、こちらの本棚に並んでいます。↓
また、このブログのサイドバーに「百瀬直也の本」のバナーを設置しました。
書店に自分の本が並んでいるような感じで、なんだか楽しい。
- パブー:百瀬の公開中の本棚 http://p.booklog.jp/users/noya
- 『ヴィア・ドロローサ〜イエスが歩いた悲しみの道』(百福書房)
http://www.100fuku.com/books/nao/VD/index.html
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