探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

地震前兆・超常現象研究家の百瀬直也が地震予知・災害・防災・予言などを探求するWeb/ブログ(はてな旧サイト)




バレンタイインデイの悩み


なんで「悩み」なのかと思われるだろう。
あとで書くが、日本とタイの文化の違いに関わることだ。
ところで、英語を話す人ならば、「バレンタインデー」と「ー」で伸ばすことに違和感があるかもしれない。
たとえば、新聞用語では未だにmainを「メーン」と表記する。
生理的にすごく違和感がある。
同様に感じる記者がいても、そう定まっているから従わざるを得ないのだろう。
こんな表記ばかりしているから、日本人が英語で話すときも思わず日本語式に発音してしまう、というのはあると思う。


バレンタインデイについては、5年前にも記事を書いていた。

バレンタインデイの由来

St.Valentine's dayは、2月14日に男女の愛の誓いの日とされて祝われる。
元は269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日とされている。
2月14日は、ローマ帝国で、家庭と結婚の女神ユノの祝日とされた。
その日、娘たちは名前を書いた札を桶の中に入れ、翌日に男たちが桶から札を1枚引いた。
札に名前がある娘は、その日から始まる豊年祈願の祭の間、男とパートナーとして過ごす習わしだった。
そのまま結婚するケースが多かったという。
ローマ帝国皇帝クラウディウス2世は、士気が下がることを理由に、兵士の婚姻を禁止した。
だが、キリスト教司祭のウァレンティヌス(英語読みでValentine)は秘密のうちに兵士たちを結婚させたために捕らえられ、ユノの祝日に処刑された。
そのため2月14日はキリスト教の祭日ともなり、後に恋人たちの日となった。


ただし、聖ヴァレンタインは実在性が疑われている存在のため、ローマカトリックでは2月14日は聖人の日に指定されていない。
上に書いたことも、あくまでもひとつの説だ。

日本の奇妙な風習

欧米では、男女の別なく、花やお菓子などを恋人や親しい人に贈る。
ホワイトデイなんていうのも日本で作られた習慣で、外国人に言っても通じない。
義理チョコなんていうのは、ちょっと恥ずかしくて外国人に言えない。
欧米の風習をよく知らない島国の日本人は、奇妙な習慣をいろいろと作ってしまう。
とにかく右に倣えで、人と同じことをしないと気が済まない国民性なのだ。


義理チョコというのも、女性がごく少数派の職場では、女性たちに金銭的負担がかかってかわいそうだ。
そういう場合は、もらえずに恨まれようが気にせずにやめれば良いのにと思う。
なかなかそういうわけにも行かないのだろうけど。
5年前の記事を書いた頃の職場を対象にしたある調査によれば、「チョコレート受け渡しの習慣なんかなくなればいい」と回答した人が、OLで70%、男性社員は50%だったという。
やっぱり負担に感じているOLが多いのだろう。
もっとも、中には義理チョコに紛れて意中の人に本命チョコをあげたいという女性もいるかもしれない(?)

タイのヴァレンタイン

日本では、バレンタインに女性が男性にチョコを贈るとサルちゃんに言うと、呆気に取られたような顔をしていた。
そりゃそうだろう。
そんなことやっている国は、日本ぐらいだから。
タイでは、男性が女性にバラの花を贈るのが普通らしい。
向こうで日本と同じ調子で日本女性が義理チョコを配って、男性たちに追い掛け回されたという人もいるらしい。


若者たちの間では、この日にホテルに泊まるカップルも多いとか。
この日に初体験をしたという若者も多いらしい。
ある学生に対する調査によると、約30%の人たちが、バレンタインに恋人と一夜を過ごしたことがあるという。
こうして見ると、タイでもけっこう面白いな。
日本とタイで共通しているところは、両方ともクリスチャンでもないのにキリスト教の祭日を祝っていることだろう。
クリスマスも同様で、両国とも仏教徒なのにクリスマスを祝っている人が多い。

日本の変則的バレンタインの由来

日本でこの変な習慣が始まったのは、菓子メーカーの策略(?)だと一般に思われている。
だが、その正確な由来は諸説あって定まらない。
もっとも起源が古い説としては、神戸モロゾフ製菓が1936年2月12日付け英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー』に広告を出したことが始まりとされている。
そこには、「あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレートを贈りましょう」というコピーが添えられていた。


ただ、この説が定説となっていないとすれば、それは女性が男性にチョコレートを贈るという風習が即定着したわけではなかったという事実がひとつにはある。
そこで、1958年のメリーチョコレート、1960年の森永製菓、1965年の伊勢丹などが広告を出したことをきっかけに現在の風習ができていったという説が出てくることとなった。
Wikipediaによると、実際にバレンタインデイにチョコレートの売上が急増したのは、1970年代前半になってからのことだった。
小学校高学年から高校生までの学生層から広まったという。

ホワイトデーの由来

これに対して、ホワイトデーなる風習が広まったのは、1980年前半のことだった。
ホワイトデーの起源については、福岡県の和菓子屋・石村萬盛堂が始めたという説と、全国飴菓子工業協同組合の構想がから始まったという説の2つがある。
石村萬盛堂は、1977年にバレンタインデーの返礼としてマシュマロデーを提唱した。
2年後に他の菓子店と協同で「ホワイトデー」という名称を用いたという。
だが、全国飴菓子工業協同組合の主張では、1978年6月の組合の総会で「ホワイトデーキャンペーン」の実施が決定され、1980年に第1回「愛にこたえるホワイトデー」キャンペーンが行われたのが始まりとしている。
石村萬盛堂の説が本当ならば、全国飴菓子工業協同組合はそれをパクったということになる。
全国飴菓子工業協同組合の主張の方が真実ならば、石村萬盛堂は後からでっち上げた(?)ということになるだろうか。

我が家の悩み

もうすでにご推察だと思うが、我が家のバレンタインの悩みとは、「どっちの国の習慣でやるか」だ。
サルちゃんはもう、私が何かあげるものだと思い込んでいる、というか冗談半分でそう言っている。
その後、「バラでなくて香水をちょうだいね」などとも言い出した。
冗談で言っておいて、本当にくれたら儲けものぐらいに思っているのだろうか。
タイ人の言うことはそのまま受け取らない方が良いことが多い。


こんど、日本人男性と結婚したサルちゃんの友だちの子に、こっそり聞いてみようかな。
「そちらではどうするの?」って。
実際は、私が薔薇の花をあげることになるだろう。
というか、もうそう言ってしまった。
まあ、夫婦間でチョコを贈るのも一種の義理チョコではあるから、もらわなくても残念とは思わない。


Copyright (C) 2004-2020 Naoya Momose - 百瀬直也. All Rights Reserved. Email