探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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脳センサー:ヒトの脳は地震を予知するか?


角田忠信著「脳センサー 地震の可能性をさぐる」を読了。
東京医科歯科大学教授の角田忠信医学博士の驚くべき研究をまとめたもの。
1987年だから、もう25年も前に書かれた本だ。
昔も買って読みかけたのだが、出先で紛失してしまった。
思うところあって、Amazonユーズドで再度購入した。
知的好奇心あふれる人でヒトの脳の働きに関心があるならば、この人の名前を知っているだろう。
…といいたいところだが、若い人は知らないかもしれない。
その著書「日本人の脳」が、1970年代後半に非常に話題になった。


これまでの角田氏の発見を、箇条書きに挙げてみる。
電車の中でiPhoneで書いているので、あまり体系的でないかもしれない。

  • 外国人は、言葉の子音を大脳左半球で、母音を右半球で処理するが、日本人では両方とも左半球で処理される。
  • 大脳左右半球の優位が、外部的要因によって左右逆転することがある(脳幹スイッチ機能)
  • 40・60Hzとその整数倍の音によって逆転が起きる。
  • 同様に、満月・新月の日に逆転が起きる(脳が月の運行を認識している)
  • 同様に、自分の年齢に対応した周波数の整数倍の音で逆転が起き、誕生日に加算される。(脳の年輪)
  • ということは、脳が太陽・月の運行、正確な秒の単位を認識している(後天的につくられたシステム)。
  • 同様に、地震前の地殻変動によっても逆転が起き、地震発生直後に正常に戻る。
  • 日本人の脳の機能的特異性は、6〜9歳の言語環境によって後天的に決まる。
  • 以上の機能は、磁場が遮断された環境では働かない。

学界で認められていない

角田氏の研究を紹介するにあたり、知っておいてほしいことがある。
氏の「日本人の脳」の研究自体、学界で受け入れられずに無視されてきたものであること。
その大きな理由としては、他者による追試が成功したことがない(と言われている)こと。
今だにこの人の研究についてネット上で言及する人々の多くは、文系のバックグラウンドをもっているようだ。
そういうわけで、この人の研究は取り扱いに注意を要する。


「日本人の脳」を読んだのは、20代の頃だったと思う。
その後も何冊かの本を読んでいる。
たしかに、にわかに信じ難い内容ではある。
この人の本を読むと、「科学はオカルトより奇なり」という言葉が思い浮かぶ。
「本当だとしたらすごく大変」の世界だ。

優位脳の判定は、左右の耳に同時に異なる音を聴かせて、打鍵するという方法で行う。
角田氏の実験の追試が成功しないのは、被験者にも「熟練」を要するからだという意見もある。
だが、追試が成功していないとしても、氏の理論が反証されていないことも確かだ。


私自身、この現象をどう扱ったら良いかと思案中だ。
大きな疑問としてあるのは、MRIのような最新の機器で、なぜ同様の現象が見られないのかということ。
その反面、角田氏の理論が正しいとすれば、色んなことが説明がつくようになる。

地震前兆を捉える脳センサー?

前述のように、脳のスイッチ機能は、宇宙の運行と同期しているというのが、『脳センサー』の主張するところだ。
それだけでなく、地震が起きる前の地殻の歪みに対して鋭敏なセンサーとして働くという。


昭和60年8月29日に、ある男性を対象として「年輪系」の実験中に、優位脳が逆転する周波数が、本人の年齢よりも減少する事象が発生した。
その後10月4日に、千葉・茨城県境付近を震源とするM6.1の地震が発生し、東京は震度5を記録した。
東京では50数年ぶりの大きな地震だった。
地震発生1時間後に、年齢系の現象は消え、スイッチ機能は正しい満年齢に対応するようになった。


昭和61年1月31日にも数名の被験者で年齢系の減少が始まった。
そして2月12日11:59に茨城県沖でM6.1の地震があり、東京では震度3の揺れを記録した。


その後にも地震発生前に同様の現象が見られ、地震発生直後から10分間ぐらいにかけて、スイッチ機能が正常に戻ることが多かった。
だが、地震があってもこの現象が見られない場合もあった。
同様の現象は、大島の火山噴火でも見られた。


地震前の現象に関しては、本当かもしれないと思う部分がある。
逆転現象が1ヶ月前とか12日前から始まるというところが、宏観異常現象や池谷元伺博士のパルス電磁波説によるピークと一致しているように見えることだ。

地磁気と関連

このような人間の「脳センサー」は、磁気と関係しているらしい。
磁気を遮断して地磁気が400分の一に減少したシールド室の中で実験を行うと、スイッチ機能による逆転現象は見られなくなる。
スイッチ機能が正常に働くには、地磁気の存在が絶対条件になるという。


どうも角田氏の研究は、私がこれまで探求してきた地震前兆現象などとオーヴァーラップする部分がありそうだ。
私自身を含めて、地震を「体感」で予知する人々は、電磁波などだけでなく、脳が直接地震前兆を捉えていることになる。
氏の研究がまったく根拠がないデタラメなものならば、なぜこのようになるのだろうか。
たとえ学界で認められていない研究であるにしても、個人的には更なる探求の必要性を感じるものだ。
角田氏の主張が正しいならば、これは将来ノーベル賞ものの発見と評価されるかもしれない。
とにかく色んな意味ですっ飛んだ研究だから、ついていくのが大変だというのはあるが。


日本人の脳―脳の働きと東西の文化

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日本人の脳 (続)

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右脳と左脳―脳センサーでさぐる意識下の世界 (小学館ライブラリー)

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脳センサー―地震の可能性をさぐる (FRONTIER TECHNOLOGY SERIES)

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角田氏の著作の大半はすでに絶版となっている。
『脳センサー』は、Amazonマーケットプレイスで購入しだ、現在1冊しかなく、定価以上の価格になっている。


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