9/2のデング熱と蚊取りペットボトルの話に続いて、デング熱の話を。
人間の恐怖心というのは、対象に対する「無知」から来るものであり、敵をよく知れば恐怖心というのは軽減されるものだろう。
というわけで、デング熱と媒介する蚊についての探求を。
サルちゃんから聞いた、タイの蚊対策についても紹介する。
厚生労働省によると、東京都新宿区の区立新宿中央公園で蚊に刺され、デング熱を発症したとみられる患者が確認されたという。
患者は埼玉県の30代男性で、8月中旬から下旬まで5回にわたり新宿中央公園を訪れた。8月30日に発熱や頭痛などの症状を訴えたが、入院はせず、容体は安定している。
主にデング熱ウイルスを媒介する蚊はネッタイシマカという種類で、日本には棲息しないが、ヒトスジシマカという青森県以南に棲む蚊も感染源になり得て、今回はこの蚊によって感染が広がっている。
デング熱とは
デング熱は一過性の熱性疾患で、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛(Arthralgia)といった、はしかの症状に似た皮膚発疹が症状としてある。
稀に、生命を脅かすデング出血熱により、出血、血小板の減少、または血漿(けっしょう)漏出を引き起こしたり、デングショック症候群に発展して出血性ショックを引き起こすケースもある。
デングウイルスに感染した人の8割は無症状で、それ以外でも例えば合併症を伴わない発熱症状が現れるだけがほとんどで、軽度の症状が多い。
だが5%の感染者では重症になり、さらにごく一部では生命が危なくなることもある。
このように、デング熱ウイルスに感染しても平気な人も多く、命の危険を伴う症状になる人は、かなり「運が悪い」人といえるかもしれない。
このように人によって症状が異なるのは、体質や食べるものにもよるのだろうか。
なぜ代々木公園で広まったか?
代々木公園は、外国人が集まる機会が多い。
タイフェスティバルなど、東南アジアや南アジアなどの国の人々が集まるイベントも頻繁に開催される。
隣の明治神宮にも外国人が多く集まる。
もっとも、海外旅行から帰ってきた感染者が感染源なのかもしれないが。
デング熱のウイルス保持者が蚊に刺されると、デング熱に感染する。
感染された蚊が人を刺せば、その人が感染されるという形で、感染が広まっていく。
人から人へ直接感染することはない。
デング熱の媒体となる蚊
ヒトスジシマカというのは、通称「やぶ蚊」と呼ばれる蚊だ。
代々木公園と新宿中央公園のそれぞれの蚊のウイルスは一致したという。
ヒトスジシマカの体内でウイルスは増え、デング熱流行を起こす能力があるが、ネッタイシマカに比べるとその増殖は低いとされる。
蚊自体が代々木公園から新宿中央公園まで2キロの道のりを移動する可能性は低く、代々木公園で蚊に刺された人が新宿中央公園へ行ってまた蚊に刺され、感染したのではないかという。
ただし、学者などの人によって意見が異なり、2Kmほどの道のりを南風に乗って運ばれた可能性はあるという学者もいる。
デング熱ワクチン
9月3日、フランスの製薬大手サノフィは、デング熱を予防する世界初のワクチンについて、臨床試験で効果が確認されたと発表した。
サノフィは2015年の実用化をめざすという。
サノフィが中南米の9~16歳の子供2万1000人にワクチンを試したところ、感染リスクが60.8%減少した。
重症化して入院するリスクは80.3%減ったという。
東南アジアの蚊
私は、1994年からのべ1年半にわたり、インドネシア・東ジャワの田舎町に住み、ソフトウエア開発の仕事に従事していた。
インドネシアの蚊は日本の蚊とは似て非なる生物だ。
まるでハエのようにすばしこく、撹乱して飛ぶ。
手で叩いて殺すのは至難の技だ。
これは大げさな表現ではない。
人を刺すハエと思った方が良いかもしれない。
東南アジアでは生存競争が激しく、進化したのだろうか(嘘)
インドネシアやタイでは薬の成分が強く、私はジャワ島で処方された風邪薬を飲んで、ラリったような状態になったことがある。
キモチイーままあの世へ行けそうで、睡眠薬を飲んだかのようにバッタンキューと寝落ちてしまった。
たしかに治りは速かったが、人生であまり何度も試したくないものだ。
インドネシアでは蚊取り線香の効き目も強いようで、喉が弱い私は喉を痛めたようだった。
タイでの蚊対策
熱帯の国タイではデング熱だけでなく、マラリアなど蚊が媒体となる伝染病もある。
サルちゃんに、マラリアなどにかからないようにするために蚊に対する対策は何かと聞いたら、蚊取り線香を炊くことという、ごく当たり前の答えが返ってきた。
「それは日本がオリジナルなんだよ」と言ったら、知らなかったようだ。
蚊取り線香は、明治時代に金鳥が除虫菊を原料としたものを製品化したものだ。
ちなみに中国では渦巻き型の線香が寺院などで使われているが、日本の蚊取り線香とどちらが先なのかはわからない。
サルちゃんの答えが納得いかなかったので、タイの家では蚊帳(かや)のようなものを使うか聞くと、使うという。
現在では家には網戸があり、屋内に蚊がいる時だけ蚊取り線香を使うという。
蚊帳は、むかしほどはよく利用されていないという。
赤ちゃんを守るための小さな蚊帳もある。
これからデング熱など熱帯の感染症が流行してくると、蚊帳というものが見直されてくるのではないか。
赤ちゃんや幼児の健康に不安が残る蚊取り線香や電子式蚊取りを使う必要もなくなる。
Amazonで蚊帳を探すと、けっこう安い値段からあるようだ。
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【龍矢】2011年3月5日生まれで、今日で2歳6ヶ月。サワディーカップって合掌挨拶できるんだけど、やらない頑固者。Today Ryuya turned to 2 years 6 months old.