今夜は、愛弥美を寝かしつけるつもりで、自分も寝入ってしまった。
ブログはお休みしようと思ったが、この記事を軽く書いておくことに。
昨日はタマリンドとマッサマンカレーについて書いたが、今日はその流れで、イスラム教について書いてみたい。
現在、イスラム国(ISIS)による日本人人質事件の真っ最中だ。
このことについては、非常に複雑な状況になっていることもあって、また後日扱うことにしたい。
この事件の背景として、イスラム教について知っておいた方が良いということで、自分の経験と松原照子さんの世見を紹介することに。
ほとんどの日本人にとっては、イスラム教とムスリムは無縁の存在だろう。
だがムスリム(イスラム教徒)は世界の人口の約4分の1を占めていて、キリスト教徒に次いで多い。
国際社会で生きる以上は、イスラム教徒たちとの接触は避けて通れない。
私は今まで、普通の日本人よりは多くのムスリムに接してきた。
1994年からのべ1年半ほど、ソフトウエア開発のためにインドネシア、ジャワ島に滞在していたからだ。
実は、世界で一番イスラム教徒が多く住む国が、インドネシアなのだ。
その数は2億人で、下記サイトにあるように、ダントツでトップとなっている。
インドネシアの宗教別人口では、イスラム教徒が88%を占めるが、イスラム教が国教になっているわけではない。
他の宗教としては、キリスト教9.3%、ヒンズー教1.8%、その他仏教などの信仰がある。
インドネシアは多民族国家で、300ほどの民族集団が住んでいる。
この国にはマレー語が母体となっているインドネシア語という公用語があるが、それぞれの民族は独自の言語をもち、たとえばジャワ人はジャワ語を話す。
私が住んでいたのは、東ジャワのマディユン(Madiun)という田舎町だ。
日本では「マディウン」と表記されるが、インドネシア人は「マディユン」と発音しているので、この表記とする。
一応マディユン県の県庁所在地なのだが、町中に信号機が数カ所しかないという小さな町だ。
下記のGoogle Earthの地図に位置を示しておく。
中部ジャワの古都スラカルタ(ソロ)と東ジャワの大都市スラバヤの間あたりにある。
1994年9月に初めてジャワ島に赴任した時、私は38歳ぐらいだった。
ホテルのバルコニーから夕方の空を見ると、無数のコウモリが飛んでいて、そのバックにイスラム教のアザーン(礼拝を呼びかける朗唱)が大音量で流れている。
ホテルの隣がイスラム教の大学か何かだったのだ。
(真面目な)ムスリムは1日5回の礼拝を行うが、1日の初めは朝4時で、最初のうちはこの大音響に起こされていた。
アザーンは誰でもテレビなどで聞いたことがあるかもしれないが、YouTubeにジャカルタの鉄道駅に流れるアザーンの動画があるので、貼り付けておく。
【礼拝の時間・アザーン】元JR常磐緩行線203系ジャカルタ・コタ駅停車中 - YouTube
コウモリとアザーンの組み合わせに、自分はなんと遠いところへ来てしまったんだろうと、ちょっと心細くなったというよりは、これから一体なにが始まるんだろうとワクワクしたものだった。
イスラム教には断食があって、ラマダーン(断食月)には1ヶ月間断食を行わなければならない。
もっとも、すべてのムスリムが断食するかというと、そうでもなかったりする。
断食していないムスリムたちに、その理由を聞いてはいけないという暗黙の掟があるようだ。
というのも、その質問をすると、みんな答えづらそうに、言い訳じみた回答が返ってくるからだ。
ちなみに、健康上の理由や妊娠中であるなどの場合は、断食を免除されるらしい。
ムスリムの女性は、本来は頭をヒジャブという布で覆わなければならない。
だが、ジャワ島では、これをやっていない女性も多い。
というか、私の身の回りでは、身につけていない女性の方が多かった。
というわけで、インドネシアは世界でもっともムスリムが多い国であるのだが、実際はけっこうアバウトな信者が多いということだ。
また、イスラム教では本来禁止されている飲酒だが、みんなけっこうビールとか飲んでいる。
まあなんというか、たとえば日本人の大半が生まれながらにして仏教徒であるが、実際は在家仏教徒のための「五戒」を守っている人がどんだけいるの?というのと同様だ。
マディユンに住み始めて間もない頃、現地での生活が楽しくて仕方なかった。
土日の休日には、街を散歩したり買い物したり。
一眼レフのカメラをぶら下げて歩くと、みんなにジロジロ見られる。
観光名所などない町に、外国人が訪れることなど、まずない。
「サヤ・オラン・ジュパン」(私は日本人です)と、教本で覚えたばかりのインドネシア語で話すと、驚かれる。
日本人など、この町に訪れることは皆無に等しいのだ。
そして、日本人だというだけで人気者になる。
町の唯一のスーパーに買い物に行くと、私よりも1回り若そうな女の子たちがなぜかたくさん立っている。
どうも、色んな食品メーカーからプロモーションのために派遣されているセールスガールらしい。
そういう子たちとも親しくなった。
中には英語が流暢に喋れる子がいて、買い物に行くたびに色々聞いて来るのだ。
そのうちの一人と、その後交際するようになった。
彼女はスラバヤから派遣されていて、たまたまプロテスタントだったから良かった。
これがもしムスリムだったら、交際することを躊躇していたかもしれない。
イスラム教では、基本的に異教徒との結婚はできないことになっている。
つまり、結婚したければ非ムスリムが改宗する必要がある。
アッラーの神など全く信じていない自分が改宗するなど、まず考えられない。
異教徒がイスラム教に改宗するのは比較的容易らしいが、その逆は容易ではない。
イスラム教徒が他の宗教に改宗することは大罪とされるのだ。
なので、ムスリムと結婚するのは、一生一度の大決心が必要となる。
このように、イスラム教では日本人の「常識」が通用しないことが、たくさんある。
島国に住む我々はあまり意識しないで来れたことも、国際社会に生きるにはムスリムとの接触の機会もあるし、彼らの生き方や価値観を理解しなければならない。
結局、宗教や生活習慣が異なるからといっても、同じ地球人であることに変わりはない。
イスラム国のような過激派がいても、暴力を肯定する人々ばかりではない。
テレビで見たが、日本に住むムスリムの少年が、今回の人質事件によってイスラム教全体のイメージが悪くなることを心配していると語っていた。
イスラム教はとんでもない宗教だと決めつける前に、本当にそうなのかとよく調べてみることも大切ではないか。
私のFacebookには、ムスリムの友達もいる。
ほとんどインドネシア人だが、中にはトルコ人などもいる。
いずれ機会があれば書きたいが、トルコ人たちは日本人に対して非常に好意的で、日本人を兄弟だと思っている。
他の宗教に対して寛容であることは、人間の精神的成長にとって必要なことだと思う。
そう、本当の意味での「地球人」であるためには。
松原照子さんの世見
次に、松原照子さんがイスラム教関連で世見していることを紹介したい。
まず、「2014/03/04パキスタンという国」より。
パキスタンが近々またもやクローズアップされるのだろうなぁ~。
(松原照子、ブログ「幸福への近道」2014/03/04より)
該当するニュースがあるかどうか探してみると、以下のものがあった。
- 3/21:アフガン、記者ら9人が銃撃、死亡
- 4/5:大統領選投票所で爆発、タリバンか。
「イスラマバード」この地名がテレビから絶え間なく流れる日が近付いているように思われます。
(松原照子、同上)
同様に、対応する出来事があったかというと…。
- 4/3:首都で爆発。首相暗殺狙いか。
べつにこれらをもって、予言成就したと言うわけではない。
こういうことがありました程度に、挙げておくことに。
次に、今年になってからの世見も一つあった。
2015/01/05の『「思いもしない出来事」とは?』というタイトルの記事だ。
今年はイスラムの野望なるがむき出しになる年になる気がしています。
それも、お隣に住んでいる普通に見える人が事件を起こしそうで気になってもいます。
(松原照子、ブログ「幸福への近道」2015/01/05より)
イスラムの野望がむき出しになる年とは、いま起きているイスラム国の日本人人質事件も入るのだろうか。
ただ、「お隣に住んでいる普通に見える人」が起こした事件とはあまり言えそうにないので、そのへんが微妙なところだ。
世見2015年01月05日「思いもしない出来事」とは?: あほうどりのひとりごと★幸福への近道
眠気に耐え切れなくなってきたので、今日はこのへんでやめておきます。
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【愛弥美】おはよ。バシネットよりこっちがいいね。Ohayo.