今日、日刊ゲンダイで『「iPS細胞」続々実用化で薬いらずに? 製薬業界が戦々恐々』という記事が掲載された。
そこには、こうある。
あらゆる臓器の再生が可能になると、たとえばがん化した臓器をiPSで再生した臓器に置き換えたら、がんが治癒してしまうので、高額な抗がん剤が売れなくなります。
(日刊ゲンダイ、2015/03/23)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158283/2?pc=falsewww.nikkan-gendai.com
生活習慣病の薬への影響は、もっと大きいという。
ドル箱の生活習慣病の薬が不要になったら、製薬業界は死活問題になるというのだ。
人が健康を損ねたり亡くなったりするのを喜ぶ人々がいるとすれば、心底怒りが湧いてくる。
自分たちも、IPS細胞の開発に携わればいいのに。
この記事を読んで、例のSTAP細胞に関する陰謀論を思い出した。
以前、Facebookで何度か回ってきた。
曰く、ロスチャイルドの陰謀によって封印されたとか。
医療利権によって潰されたとか。
確かに、病気する人が減ると生活に困ると思っている人たちはいるかもしれない。
だが、ここで素朴な疑問が生じる。
STAPが本当に潰されたとして、では何でIPSは潰されないの?と。
こういう噂を真に受けて、Facebookでシェアする人を見ていると、申し訳ないけれど、あまり科学的知識がなさそうな人が多い。
どんなことでもそうだけど、やっぱり自分で「探求」しようという気持ちが大切だと思うんですよね。
もし自分で判断できないような内容ならば、「こういう噂がありますが、真偽の程は不明です」といったコメントを付して、TwitterでRTしたりFBでシェアした方が良いのでは?
私と同じような素朴な疑問を抱いている人はいないだろうかと探してみたら、あった。↓
陰謀論者の方々には、「あー言えばこー言う」系の人が多い。
いや、それはIPS側がSTAP細胞に脅威を感じて潰したからだよ、と言う理屈が出てくる。
ほんとに、こういうのはキリがない。
山中伸弥教授ってユーモアがあるし立派な方だと思うけど、疑う人もいるんですね。
でも、山中教授は、STAP細胞の研究に協力的な態度を取っていたんですよ。↓
「(万能細胞になる)メカニズムはiPS細胞と同じ可能性がある。ノウハウを提供し、協力したい」と話し、共同研究の必要性を強調した。
(毎日新聞、2014/02/08)
TwitterとかFacebookでアヤシイ噂が流れてきたら、ちょっとは自分で考えて判断してから他へ流しましょうね、という話でした。
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