今日の朝日新聞によると、安倍晋三首相は7月11日、視察先の宮城県で、安全保障関連法案の採決時期について「対案も出てきたなか、しっかりと議論を進めていただきたい。いずれにしても、決めるべき時には決めるということではないか」と語ったという。
この発言は、法案に対する国民の理解は深まらない中で、審議を打ち切って採決に踏み切る考えを強くにじませたものだと書いている。
安保法制については、人それぞれ意見を持っているだろうし、戦争に対する根本的な考え方次第で180度異なる意見となる。
私の個人的態度はずっと変わらず、「初めに不戦ありき」だ。
それは、どんな理由にせよ人を殺すことを容認できないという考えが根本にある。
それとは異なり、自分たちの国は自分たちで守るのが当然だという考えもあり、そういう考えに至るのは納得できる。
そういう人たちと意見を戦わせようという気持ちはない。
だいたい人に自分の考えを押し付けるのを好まない人間なので。
この記事では、いまの日本国民は本当のところ、安保法案を合憲とするか違憲とするか、両者の意見をもつ人々がどのくらいの割合でいるのかを見てみようと思う。
地方議会が集約した見解
まず、7月10日のハフィントンポストの「安保法案、全国の地方議会から意見書相次ぐ あなたの街は「賛成」?「反対」?」と題した記事から。
安全保障関連法案をめぐって、全国の300以上の地方議会から廃案や撤廃を含めた「反対」の意見書や、「慎重な審議」を求める意見書が出ている。
7月9日付朝日新聞デジタルの記事によると、安保法案や集団的自衛権の行使容認について「反対」を示す意見書を提出した議会が144、「慎重な審議」を求める議会が181だった。
また「賛成」は8議会しかなかった。
下記の地図にある青色部分が、「賛成」を表明している議会だが、この地図ではまったくわからない。
東京都は別地図になっていて、多摩地区の八王子市・日野市・町田市・三鷹市といったところがそうなっている。
これを見ると、圧倒的多数の地方議会で、安保法案に「反対」の意見を出していることになる。
「意見書」は、地方公共団体の公益に関することについて「国会または関係行政庁に提出することができる」と規定されている。
法的拘束力はないが、住民の代表である議会の総意として尊重されなければならないとされている。
法的拘束力がないというのならば、安部政権にとっては何の痛手も負わないかな。
とにかく国民や憲法学者や弁護士たちの意見がどうであっても、何が何でもという感じだからな。
憲法学者たちの見解
次に、2つの新聞社が行った憲法学者たちへの調査結果を。
まず、東京新聞が7月9日に発表した調査結果では、他国を武力で守る集団的自衛権行使を柱とする安全保障関連法案に関し、全国の大学で憲法を教える教授ら328人を対象に、法案の合憲性などを尋ねるアンケートを実施。
回答した204人(回答率62%)のうち、法案を「憲法違反」(違憲)としたのは、184人で、答者の90%に上った。
つまいり、憲法学者の圧倒的多数が違憲と考えていることがわかった。
次に、朝日新聞が7月11日に発表した調査結果から。
安全保障関連法案の合憲性をめぐり、判例集「憲法判例百選」を執筆した憲法学者ら209人にアンケートを行った。
回答した122人のうち「憲法違反」と答えた人は104人で、「憲法違反の可能性がある」は15人。
「憲法違反にはあたらない」は2人だった。
「可能性がある」を含めると、約99%の憲法学者が「違憲」としていることになる。
違憲と答えた中には、「集団的自衛権の容認は、解釈の限界を超える」「憲法は武力行使を政策的に判断する権限を政府に与えていない」などを理由に挙げた。
一般向け世論調査
次に、国民に対する新聞社や通信社による世論調査の結果を。
まず、時事通信が6月5日~8日に実施した6月の世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月比2.2ポイント減の45.8%だった。
不支持率は同3.3ポイント増の34.0%で、昨年12月以来6カ月ぶりに増加に転じた。
安保法案については、「廃案」が12.0%、「今国会にこだわらず慎重に審議」が68.3%で、今国会での成立に反対あるいは否定的な声が8割超に上った。
次に、共同通信社が20日~21日に行った同様の世論調査より。
全国電話世論調査によると、安全保障関連法案が「憲法に違反していると思う」との回答は56.7%に上った。
「違反しているとは思わない」は29.2%だった。
安保法案に「反対」は58.7%で、5月の前回調査から11.1ポイント上昇した。
「賛成」は27.8%だった。
安倍内閣の支持率は47.4%で、5月の前回調査から2.5ポイント減った。
不支持率は43.0%だった。
次は新聞社に行って、朝日新聞が5月16日~17日に、全国世論調査(電話)を実施した結果。
自衛隊による米軍への後方支援の範囲拡大などを含む安全保障法制の関連11法案について、いまの国会で成立させる必要があるかどうか尋ねた。
回答として「必要はない」は60%で、「必要がある」の23%を引き離した。
集団的自衛権を使えるようにする法案に「反対」は43%で、「賛成」の33%を上回った。
次は、東京新聞が7月9日に発表した、集団的自衛権行使を柱とする安全保障関連法案に関し、全国の大学で憲法を教える教授ら328人を対象に、法案の合憲性などを尋ねるアンケートを実施した結果。
回答した204人のうち、法案を「憲法違反」(違憲)としたのは184人で90%に上り、憲法学者の圧倒的多数が違憲と考えていることがわかった。
「合憲」は7人(3%)にとどまった。
次に、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が6月27日~28日に実施した合同世論調査の結果。
安全保障関連法に関し、「必要」とする回答は49.0%、「必要ない」の43.8%を上回った。
安保関連法案をめぐる合憲論と違憲論の「どちらに納得できるか」については、合憲論が21.7%にとどまり、違憲論は57.7%に上った。
同法案を今国会で成立させることには58.9%が反対し、賛成は31.7%だった。
産経グループで「違憲」が圧倒しているのは意外だった。
新聞社は右左いろいろだが、安保法案については、「違憲」と考える人々が「合憲」を大きく上回っているのは、メディアにあまり左右されず共通に見られるようだ。
そして、安倍政権の支持率が下がっていることについても同様だ。
では、「ネットの民」の意見はどうか。
Yahoo!Japanが2015年6月9日~2015年6月29日に行った同サイト上での「安保法案は合憲? 違憲?」との意識調査では、全301,797票中、「憲法に違反している」に投票した人が64.2%で、「憲法に違反していない」35.8%だった。
ここでも、だいたい同じくらいの割合で、違憲派が合憲派の2倍弱ほどあったことになる。
「自公だけで強行採決はできない」?
7月7日午後、国会内で小沢一郎代表と山本太郎代表が定例記者会見を行った。
ここで、小沢代表に対して、以下のような質問が出た。
日刊ゲンダイで「安保法案を廃案に追い込む秘策」というタイトルの記事で全野党欠席すれば与党は簡単に強行採決できないと仰っています。維新のある幹部から話しを伺いましたが、民主党と共同提出する「領域警備法案」を短くても7月いっぱいは審議してもらい、でなければ審議拒否も辞さないと腹を据えています。仮に全野党欠席したとして、それでも与党は強行採決することは考えられないでしょうか。
これに対する小沢一郎氏の回答。
仮の話しですが、もしそういう事態になったらば、自公だけで強行採決ということはできないと思います。根拠はあまり明確には言えませんけれども、多分ないと思います。もしそれをやるというときには、安倍さんが異常な決意したときではないですか。
あくまでも個人的な意見だが、自公だけで強行採決できないことに対する論拠があいまいで、甘く見すぎているところがあるのではないか。
冒頭で紹介した記事を見ても、もう安部首相は「異常な決意」をしているように思えるのだが。
小沢氏との質疑の内容は下記にあるが、全体的に楽観的すぎるというか、希望的観測が多いように思えるのだ。blogos.com
反対派がどんなにデモをしたところで、安部首相は意に介さずに強行採決をやってしまうのではないか。
今までの言動を見ていると、そんな感じがしてくる。
まさに「恐怖の男・安倍氏」だ。
それでも反対活動を行いたいという人には、7月14日に戦争をさせない1000人委員会などによる「戦争法案廃案!強行採決反対!」の大集会が開かれる。
場所は、東京の日比谷野外音楽堂。
これだけ国民の反対が多い状況で安保法案を通すというのは、もう民主主義国家とはかなり遠い国になってしまっていて、独裁政治だと言いたくなってくるのだ。
ちなみに、この千人委員会は、6月29日に、安保法案反対署名165万人を集めて首相らに提出した。
また、日本弁護士連合会は6月10日に、安全保障関連法案に反対する市民の署名が26万1057人分に達したことを明らかにした。
この署名では、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の撤回も求めている。
これだけ世論が反対しているのに、尚且つ強行採決に進もうとしている現状を見ると、「アナと雪の女王」を歌いたくなってくる。
一応「民主的に」決められてしまう結果について、とやかく言っても仕方ない。
あとはもう、クーデターでも起こらない限り、事態は変わらないのではないか。
というか、安部首相の行動こそが「クーデター」だと言っている人々も多いのだけど。
もうこれ以上書かないので、更に探求したい人は「安保法案 クーデター」とでもググってみてください。

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本の執筆は今日で終わりました。
「健康」に関する内容の本です。
田無の輸入食品店で、インドネシア食材を買ってきた。サンバルABCが一番欲しかった!ナシゴレンとソトアヤムの素も。ブンブーガドガドが無いのが残念。今日は私がナシゴレンを作るつもり。Indonesian foods. Aku rindu makanan Indonesia.
【今日の食卓】ナシゴレン(インドネシア語で焼き飯)。輸入食品店でサンバルとナシゴレンの素を入手して私が作った。何だか色と味がジャワ島で食べたのと違うのは?辛さが足りないのでサンバルを加えた。サルちゃんはサムバルがタイのシーラーシャーと同じで美味しいと絶賛。Nasi Goreng - Indonesian fried rice. I cooked it.
【愛弥美】あんまり見ないでね。おねえちゃんのお下がりでしょうがないのよね。Don't look. It's just because of the bigger dress.