探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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横浜のマンション「パークシティLaLa横浜」の傾斜問題~大地震のリスクは?


横浜市でマンションが傾いていることが発覚し、「マンション傾斜」が大きな話題となっている。
これは地盤の問題や地震との関連性も深いので、取り上げることにする。


傾きが発覚したマンションは、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区の大型マンション。
この基礎工事で、くいの一部が地中の硬い地盤に達していなかったため、くい打ちの適正さを示すデータも本来のものでなかった。
4棟のうち1棟は2cmほど傾いていて、国土交通省は原因究明を指示し、横浜市建築基準法に違反する可能性もあるとみて、同社に調査を求めた。


マンションは計4棟で、10~12階建て。
三井住友建設が施工し、2007年12月に完成した。


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旭化成の子会社である旭化成建材が下請けとして問題のあったくい工事を行ったと発表。
同社がマンションの補強・改修工事や他棟の調査のための費用を全額負担する方針を明らかにした。


事の発端は、住民が昨年11月、に隣り合う2棟の手すりの高さがずれていることに気付いたことから始まる。
三井不動産レジデンシャルが調べたところ、11階建ての1棟は片側に約2.4cm傾いていた。


この棟の基礎工事で打ち込まれたくい52本のうち、調査が終わった28本中8本は硬い地盤「支持層」に達していないか、または打ち込みが不十分だった。

データ改ざん

原因は、旭化成建材が、基礎のくい打ち工事で偽装データを使ったデータ改ざんなどの不正を行っていたためだった。
旭化成建材は16日、くい打ちをした全国のマンションや商業ビルなど約3000棟の都道府県別の棟数を来週にも公表すると発表。
事業主の三井不動産レジデンシャルは、15日夜の住民説明会で、全4棟の建て替えを前提に住民と協議する方針を明らかにした。


更に16日夜には旭化成が、施工時にくいを補強するためのセメントの量も改ざんしていたことを明らかにした。
2つの改ざんに関わるくいは70本に上る。


このケース、大地震で倒壊したりすれば、人命にも関わるかもしれないということで、罪は重いだろう。
昨年9月にマンションの西棟と中央棟をつなぐ渡り廊下の手すりにずれを見つけ、住民が三井不動産レジデンシャルに連絡したが、「東日本大震災の影響で問題ない」という回答だった。
ここで既に嘘をついていたのだろう。
管理組合が11月に同社に照会し、調査の結果、今年3月に最大約2センチのずれがあることを管理組合に報告した。
一部のくいが強固な地盤(支持層)に届いていないことがわかったのは、今年7下旬だった。


問題となっているマンションは、神奈川県横浜市都筑区池辺町にある「パークシティLaLa横浜」という名称だ。
三井ショッピングパーク・ららぽーと横浜に隣接している。
三井不動産レジデンシャルが2006年に販売を開始したもの。


ウェストコート(西棟)、フォレストコート(森棟)、センターコート(中棟)、サウスコート(南棟)の4棟に分かれている。
このうち、データ偽装があったのは、センターコートとサウスコート
冒頭の写真は、Googleストリートビューのウエストコートを写したもの。


今回のように、打ち込んだ杭が支持層に届いていなかった原因は、支持層が平坦ではなかったからだという。
偽装データを使用し、かつ手抜き工事が行われたために傾斜が出来てしまったことになり、悪質だといえるだろう。
今回のような欠陥が発覚した場合、杭打ちのやり直しなどの補修・補強工事は実際は不可能であり、建て替えしかないことになる。
その辺の事情は、下記のサイトに詳しい。


www.nikkeibp.co.jp


旭化成は、鬼怒川の堤防決壊の際に流されずに残った住宅がヘーベルハウスだったために、災害に強い住宅としてネット上で大きな話題になった。
それで株を上げたのに、また転落か。
実際の主犯は子会社の旭化成建材なのだが、旭化成も世間からの不信感と企業イメージの低下は免れないだろう。

昨年も横浜市で別件のマンション傾斜が問題となっていた

実は昨年も、住友不動産が2003年に販売した横浜市西区の11階建てマンションで、建物を支える杭が規定に反して強固な地盤に到達しておらず、建物が傾いていることで問題となった。


6棟のうち2棟をつなぐ渡り廊下に「ずれ」が見つかったが、住友側が当初は「問題ない」とした。
そこで住民側が1級建築士に依頼し、古い地形を調べて設計図と照合したところ、杭が旧地形の地表に届いていない可能性が出てきた。


このような手抜き工事は、発覚するのが氷山の一角で、実際はもっと多くあるのかもしれない。
この2件のケースのように三井不動産住友不動産という大手が主体となっていると言っても、うかつに信用してはならないだろう。
大企業だからといって、「不正なことをしない」とは限らないのだ。

地盤の良し悪しをチェック

そもそも、このマンションがあるあたりの地盤の良し悪しはどうなのだろうか。
そう思って、調べてみた。
下記サイトの地盤チェック地図で神奈川県横浜市都筑区池辺町を見ると、「良好な地盤」のマークが付いている。
ちなみに、私が住む小平市花小金井6丁目を見ると、これも良好な地盤になっている。
住まいの地盤調査・全国の地盤の硬軟が一目でわかる!GAIA 全国地盤サーチ|SUPPORTED BY VIC株式会社


こちらの「地盤サポートマップ」サイトを見ると、付近に「やや強い地盤」と「弱い地盤」のマークがあり、地盤が強いところと弱いところが混在しているようだ。
ちなみに、ここでも小平市花小金井6丁目を見ると「やや強い地盤」となっている。supportmap.jp


このようなチェックは、あくまでもその地域の全般的な傾向がわかるのみで、詳しくはやはり、住んでいる土地のピンポイントの調査をシてもらわないとわからないだろう。


ちなみに、自分が住む住宅やマンションの傾きのチェックは、100円でできる。
100円ショップへ行って、ビー玉を買ってくる。
それを床に落として、どちらかへ転がって行くかどうかを調べる。


傾きが発覚したとしても、それが建物だけによるものなのか、それとも地盤沈下などの要因なのかと、状況に応じて対策が変わってくる。
傾きがあれば、やはり首都直下地震などの大地震が心配となるだろう。


マンションは、一戸建て住宅と異なり、巨大地震に備えて耐震対策などを行うにも、権利の問題などがあり簡単には行かない。
大震災に見舞われた時にも、いろいろと厄介な問題が生じる。
このことについては、後日別の記事で書くことにしたい。


【参考】www.jiji.com
headlines.yahoo.co.jp
www.tokyo-np.co.jp
www.nikkan-gendai.com
311の後にマンションが傾きだしたのであれば、単に杭が支持層に届いていなかったのではないのでは? taked4700


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