11月27日16:00頃から、鹿児島県の沿岸で最大約100cmの顕著な海面昇降が観測されている。
鹿児島地方気象台と名瀬測候所では、鹿児島県の沿岸で副振動が発生しているため、「副振動に関する潮位情報」を発表した。
海面昇降が起きている一体は、7300年前にカルデラ噴火(破局噴火)を起こした鬼界カルデラを含む領域だが、噴火や地震との関係はどうなのか?
以下に、上記ニュースより引用。
■鹿児島県 海面昇降の状況〔鹿児島地方気象台・名瀬測候所〕
枕崎 27日16:20頃から発生 海面昇降の高さ約90cm 約15分周期
大泊 27日18:40頃から発生 海面昇降の高さ約70cm 約10分周期
種子島 27日18:40頃から発生 海面昇降の高さ約60cm 約15分周期
中之島 27日16:50頃から発生 海面昇降の高さ約100cm 約5分周期
副振動とは
副振動というのは、湾や海峡で起きる振動現象で、台風、低気圧、津波などによって発生する。
通常の朝夕とは異なり、数分から数十分の周期で海面が変動する。
鬼界カルデラとの関係は?
副振動自体はそう珍しい現象ではないが、11月18日に神戸大学海洋探索センターが鬼界カルデラでマグマ活動があると発表したばかりなだけに、気になるところだ。
今日の毎日新聞の記事では、神戸大海洋底探査センターは、鹿児島県・薩摩半島の南約50キロにある海底火山「鬼界(きかい)カルデラ」(直径約20Km)に、マグマの活動が活発な場所を発見したと発表したとある。
http://mainichi.jp/articles/20161130/k00/00e/040/231000c#csidx668d50a14c7a0a28d6f1ee042471726
センターは10月13日~27日に、同大大学院の練習船「深江丸」で鬼界カルデラにある火山体を調査した。
音響測深装置などで水深200m~300mを調べたところ、海底から金属を含む濁った熱水が数十m~100mほど噴き上がっていた。
来年3月に2回目の調査をする予定という。
最悪の場合は「バイバイ日本」
巽好幸センター長は「熱水プルームがあるのは、今も大きな熱源があるということだ」とし、縄文時代に大噴火を引き起こしたマグマだまりとの関連性を調べる。
巽センター長らの研究によると、日本列島でのカルデラ噴火の確率は100年以内に1%。
もし起きれば、命が失われるのは日本全域に及ぶという。
やんわりと書いているが、もっとはっきりと書けば、巽氏の試算では、最悪の場合には1億人の命が失われると想定している。
つまり、TOCANAの記事でも書いたけれど、実質的な「日本の終わり」だ。
カルデラ噴火(破局噴火)の恐ろしさ
カルデラ噴火の恐ろしさについては、TOCANAやこのブログで繰り返し警告している。
巨大地震や大津波では、どんなに甚大な災害でも一国の終わりにはならない。
だが、カルデラ噴火ならば、容易にそうなる。
下記の図は、7300年前の鬼界カルデラの噴火の時の火砕流と火山灰がどこまで達したかを示している。
これを見ると、火砕流は本土の鹿児島県まで達し、火山灰は九州、四国、近畿地方の一部で20cmまで達した。
この噴火によって九州の縄文文化は壊滅したと言われるが、まだそれほど巨大な噴火ではなかったかもしれない。
もっと最悪のシナリオについては、また後日紹介することにしたい。
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