今日は2017年1月7日の日刊ゲンダイの記事を題材にする。
『年末年始に相次ぎ“点灯”…巨大地震襲来の不吉なシグナル』と題したもの。
昨年末から、12月28日に茨城県北部(M6.3)など、地震が相次いでいる。
そして、12月25日にチリ沖で起きたM7.7の地震が起きた。
琉球大名誉教授の木村政昭氏は、日本とチリの地震の関係を指摘する。
この記事では、「バヌアツの法則」などのような南太平洋の太平洋プレート境界沿いの地震と日本の地震の連鎖についても言及している。
それについては、このブログで何度も書いてきたので、今回は視点を変えて、チリと日本の地震の関連性について見ていきたい。
チリと日本の「ピンポンラリー連鎖」
木村氏は、こう語る。
チリやペルーなどの南米で起きる地震と日本付近の地震には規則性があります。まるでピンポンラリーのように、太平洋の東西で地震が行ったり来たりしているのです。というのも、太平洋の中央からやや東寄りに『東太平洋海膨』と呼ばれる海嶺が走っていて、米大陸から日本列島まで東西に広がっている。そうした構造から、チリ付近の大地震発生から1~4年後に日本付近で巨大地震が発生するリズムが繰り返されています。
www.nikkan-gendai.com
木村氏は、以前から南米の地震と日本の地震の「連鎖」について語っていた。
では、実際にそのような例が過去にあったのだろうか。
さすがに4年後となると、少し冗長になってしまうかもしれない。
そこで、せいぜい1年程度ということで、そのような条件で調べてみた。
原則として、チリのM8超、日本のM7超の地震を抽出したが、あまり厳密なものではなく、たとえば日本のM6クラスでも取り上げることがある。
17世紀以降で、チリで大地震が起きる前後に、日本で大きな地震が起きた例は、下記の通り。
1646年6月9日(正保3年4月26日)M7.6 陸前(宮城県南部)
1647年5月13日 チリ、サンチアゴ沖で地震 - M 8.5
1730年7月8日 チリ中部、バルパライソ沖で地震 - Mw 8.7
1730年11月11日 常陸沖で地震 - M 7.3
1751年5月21日 高田地震(越後・越中地震) - M 7.0〜7.4
1751年5月25日 チリ、ビオビオ州コンセプシオン沖で地震 - Mw 8.6
1819年4月11日 チリ、コピアポ沖で地震 - Mw 8.6
1819年8月2日 文政近江地震 - M 6.9~M7.2
1835年2月20日 チリ、コンセプシオン沖で地震 - M 8.4
1835年7月20日 宮城県沖地震(仙台地震、天保大津波) - M 7.0
1858年7月8日 八戸沖で地震 - M 7.0〜7.5
※↑安政の大地震の一つ。4年前には安政南海地震・東海地震も。
1859年10月5日 チリ沖で地震 - M 8.0
1905年6月2日 芸予地震 - M 7.2
1905年7月7日 福島県沖で地震 - M 7.1
1906年8月17日 チリ、バルパライソ沖、チリ地震 - Mw 8.2
1921年12月8日 龍ヶ崎地震 - 千葉県・茨城県県境付近で発生。M 7.0
1922年4月26日 浦賀水道地震 - M 6.8
1922年11月11日 チリ地震 - Mw 8.5
1922年12月8日 島原地震(千々石湾地震) - M 6.9
1923年9月1日 ●関東地震(関東大震災) - M 7.9(Mw 7.9〜8.2)
1928年5月27日 岩手県沖で地震 - Mj 7.0
1928年12月1日 チリで地震 - Mw 7.7
1939年1月25日 チリ中部で地震 - M 8.3
1939年5月1日 男鹿地震 - Mj 6.8
1943年4月6日 チリ、コキンポ沖で地震 - Mw 8.2
1943年6月13日 青森県東方沖で地震 - Mj 7.1
1943年9月10日 鳥取地震 - Mj 7.2
1944年12月7日 ●昭和東南海地震 - 三重県沖、Mj 7.9(Mw 8.2)
1960年3月21日 三陸沖で地震 - Mj 7.2
1960年5月22日 チリ地震(観測史上最大規模)- Mw 9.5(日本に津波)
1961年2月27日 日向灘で地震 - Mj 7.0
1961年8月12日 釧路沖で地震 - Mj 7.2
1961年8月19日 北美濃地震 - Mj 7.0
1965年3月28日 チリで地震 - M 7.7
1966年3月13日 与那国島近海で地震 - Mj 7.3
1984年1月1日 三重県南東沖で地震 - Mj 7.0
1984年3月6日 鳥島近海で地震 - Mj 7.6
1984年8月7日 日向灘で地震 - Mj 7.1
1985年3月3日 チリで地震 - Ms 7.8
1995年1月17日 ●兵庫県南部地震 M7.3(阪神・淡路大震災)
1995年7月30日 チリ、アントファガスタ州で地震 - Mw 8.0
1995年12月4日 択捉島南東沖で地震 - Mj 7.3
2005年3月20日 福岡県西方沖地震 - Mj 7.0(Mw 6.7)
2005年6月13日 チリで地震 - Mw 7.7
2005年8月16日 宮城県沖で地震 - Mj 7.2
2005年11月15日 三陸沖で地震 - Mj 7.2
2010年2月27日 チリ・マウレ地震 - Mw 8.8
2010年2月27日 沖縄本島近海で地震 - Mj 7.2
2010年11月30日 小笠原諸島西方沖で地震 - Mj 7.1
2010年12月22日 父島近海で地震 - Mj 7.4
2011年3月11日 ●東北地方太平洋沖地震 - M9.0(東日本大震災)
2013年10月26日 福島県沖で地震 - Mj 7.1
2014年4月1日 チリ沿岸北部で地震(イキケ地震) - Mw 8.2
2014年7月12日 福島県沖で地震 - Mj 7.0
2015年5月30日 小笠原諸島西方沖で地震 - Mj 8.1
2015年9月16日 チリ中部で地震 - Mw 8.3
2015年11月14日 薩摩半島西方沖で地震 - Mj 7.1
2016年4月16日 熊本地震の本震 - Mj 7.3
M8.5以上の地震はマグニチュード表記を赤文字にしてある。
●印を付けたのは、日本の歴史に残る大震災となったもの。
これらの地震の前後にもチリでM8規模の巨大地震が起きていたことがわかる。
チリ-日本には対応する大地震が多く起きていた
自分自身、これほど多くの対応する組み合わせが出て来るとは予想外だった。
チリで起きる「大地震」と日本のそれは桁が違うため、同規模の地震で抽出するのは難しい。
そのため、このような形式とした。
こうしてみると、木村氏が指摘するような、チリで大地震が起きてから1~4年後に日本で大地震が起きるパターンだけでなく、その逆も結構あるかもしれない。
特に印象的なのは、観測史上最大のMw9.5(Ms8.5、Mt9.4)のチリ地震。
この時には、2ヶ月前に三陸沖、翌年に3つのM7クラスがあった。
また、東日本大震災の1年前には、チリ・Mw8.8のマウレ地震が起きていた。
このような「法則」があることを想定して、巨大地震に警戒していたら、少しは違っていただろうか。
地震予知に大いに役立てることができるのではないか。
そうなると、昨年2016年12月25日にチリで起きたM7.7の地震も…。
多少規模が小さくなるが、念のため日本でも同規模前後の地震が起きることを警戒しておいた方が良いかもしれない。
チリで巨大地震が起きると、日本の太平洋沿岸で津波の心配も出て来る。
その点でも、チリの地震は気が抜けないということだ。
※こちらは直近の地震前兆になりますが、防災三昧ブログで書いています。
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