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【宏観】「相模川でアユが大量に遡上」は首都直下地震の前兆現象?過去データを確認してみた


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『週刊ポスト』2018年6月15日号で、「相模川でアユが大量発生 地元住民が気味悪がる言い伝え存在」という記事が掲載されて、話題になっている。


2018年になって、例年には見られない異変が全国各地で起きているという出だして始まる。
神奈川県を流れる相模川では、遡上するアユが大量発生している。

アユの大漁

神奈川県内水面漁業振興会の担当者は、4月~5月のアユは4600万尾を超えて、1999年から昨年までの平均は400万~500万尾なので、10倍くらいが遡上しているという。


アユの大漁などが地震前兆だったケースというのは、あまりというか、まったく聞いたことがない。
このブログで検索しても、まったく見つからない。
言ってみれば、盲点だったかもしれない。


地元の70代男性は、こう話す。

この辺りには『アユが豊漁だと地震がくる』という言い伝えがあるんです。関東大震災の前日、相模川や(同じ神奈川県内の)酒匂川で、アユが入れ食い状態になったと伝えられている。


知らなかった…。
阪神・淡路大震災の前兆現象の報告を千件以上収集した『前兆証言1519!』では、アユの前兆報告というのは、なかったと思う。
いま本をざっと見通したが、見当たらない。


関東大震災の前兆現象として、よく知られているのは、横浜市の川をイワシの大群が遡上したというものだ。

関東大震災(1923年)の前兆例

イワシの遡上で、時間的にもっとも早い目撃例は、大震災の1年前の1922年9月に横浜港南側へ流れ込む大岡川で大量のイワシが入り込み、小学生たちが網で掬い上げたというもの。
だが、1年前はさすがにどうなのか。


3ヶ月間には、大岡川の分流である掘割川という人工河川でも大量のイワシが目撃され、新聞でも報道された。
これならば、十分にあり得るだろう。


1ヶ月前から1日前にも、横浜市中区の川でイワシの大群が複数の人々に目撃され、川面が真っ黒になったという。

アユ大量遡上が地震前兆の可能性は?

アユとイワシでは、魚類としてまったく性質が異なり、同列に扱ってはならない。


京都大学名誉教授で魚類学者の中坊徹次氏は、サメ類については例のロレンチーニ器官が、電気センサーの役割をしているとして説明できるという。
それが地震前の地殻変動で生じる電流などを察知している可能性は考えられるという。


だが、ロレンチーニ器官をもたないイワシはアユはどうか。
中坊氏は、こう語る。

アユやイワシが地殻の変動まで感知するという話は聞いたことがありませんが、全ての魚が低周波の音や水流を感知する『側線』という器官を持ち、魚は人間よりもはるかに感覚器官が優れている。魚類学者の視点で見れば、アユの大量発生と地震に何らかの因果関係があるように思います。

地元の言い伝えは重視すべき

いままであまり前例がなかったものの、地元の言い伝えで、関東大震災の前兆現象があったとなれば、やはり注意が必要だろう。
前述の1年前は記憶違いかまたは前兆ではないかもしれないが、3ヶ月ぐらいならば、あり得るケースだろう。


ただし、アユの大量遡上が黒潮大蛇行と関係がある可能性も検討すべきかもしれない。
もっとも、前回の大蛇行終了が2005年8月で、その年のアユ遡上量は最低レベルだったので、関係ない可能性が高い。


神奈川県あたり、今後も地殻変動や宏観異常現象を注意深くチェックすることにしたい。


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