紀伊半島沖の群発地震は、地球深部探査船「ちきゅう」が起こした「人工地震」だった?
昨日の記事で書いたことのの続きになるが、南海トラフ巨大地震の研究のために掘削を開始した「ちきゅう」の新たな情報が入ってきたので、一部を訂正し補足しつつ紹介する。
【目次】
潮岬沖の無感群発地震の正体
まず、昨日書いた記事の中で、内容に大きな誤りがあったので、読んだ方々に謝らなければならない。
11/17の夜から翌日未明にかけて、紀伊半島の南端・潮岬から沖合にかけて、無感地震が集中的に発生したことは、昨日の下記の記事で書いた。
その無感地震については、下記のInstagram投稿で書いた通り。
【地震】11/17 21時頃から2時過ぎ頃まで、紀伊半島南端の潮岬沖で無感地震が多発。こういう場合必ずしも大きな地震が続くとは限らないが、念のため注意してください。 @kokanranger #地震 #地震予知 #地震前兆 #LINE
じつは、これらは地震ではなく、「地震もどき」だった。
「エアガン」とは?
先月から南海トラフ付近を探査し始めた地球深部探査船「ちきゅう」号が、紀伊半島の東沖にとどまっていることは、昨日の記事で書いた通り。
そこで、地殻構造探査のために、「エアガン」という装置を使用して、擬似的な地震(人工地震)を起こし、それによる振動の伝わり方などを調査しているらしい。
これだけだと「ナンノコッチャ?」だろうと思うので、わかりやすく図を用いて説明する。
「エアガン」とは、チャンバーと呼ぶ容器に溜めた圧縮空気を、一定の間隔で海中に放出して大きな音=振動を作り、音源とする装置だ。
つまり、エアガンとは、その音源から弾性波を発して、「人工地震波」を起こす道具なのだ。
上記の図のように、エアガンで人工地震波を起こして、プレート内部の各地層で屈折・反射した波を、あらかじめ海底に設置した地震計でとらえて、地下構造を解析するのだ。
「ちきゅう」号の仕業だった?
11/17夜~11/18未明に発生した局地的な無感地震は、「ちきゅう」から使われたエアガンによる「人工地震」だったのではないか?
「人工地震」などというと、すぐに安直な陰謀論を信じやすい人たちがすぐに反応するだろうが、そういう意味ではないことは、ここまでの説明でわかるだろう。
確実にそうだというわけではないが、その可能性が大きいのでは?
ただ、多少疑問が残るのは、その時に「ちきゅう」がいたといわれる位置が、下記の図のように、群発地震の震源から東へ50kmほど離れていたことだ。
この点は、検討の余地が残るところだ。
やはり「人工地震」だった?
このような情報が欠けたまま、昨日の記事を書いてしまった。
だが、誤りではなかった部分も一部ある。
それは、この無感地震と思っていたものが、「ちきゅう」が起こしていた「人工地震」であることに間違いなかったことだ。
それを裏付ける事実がある。
無感地震(微小地震)を含めた地震データを提供する、NIEDが運営するHi-netのサイトの「観測点作業情報」で、以下のような記述を見つけた。
観測点 補足情報 [2018/11/05 19:46 更新]
南海トラフにおいて,2018年11月14日から2019年1月2日までの予定で海洋研究開発機構によるエアガンを用いた調査が行われる予定です。本調査による振動が観測データに混入することが予想されますので,データをご利用の方はご注意下さい。(2018/11/05)
観測点作業情報
(文字の色付けは百瀬による)
このため、来年1月2日までは、南海トラフ周辺での無感地震の扱いには注意しなければならない。
本当の南海トラフ巨大地震は?
このようなエアガンを用いた作業が、南海トラフの地殻を刺激して南海トラフ巨大地震が発生するとは思えない。
だが、それ以外の今後の「ちきゅう」の作業が、南海トラフを刺激しないとは言えないかもしれない。
海底深くを掘削することが、大きな地震を引き起こす誘因になる可能性は、一部の内外の科学者も指摘するところだ。
世界中で、さまざまな要因による「人工地震」(人為的地震)が、なんと700件以上も起きているという。
そのことは、1年前の下記のTOCANAの記事で書いた。
tocana.jp
この記事の元となった人為的地震データベースが下記サイトにあるが、さらに数を増やしている。
日本では、下記のマップのようなところで地震が発生している。
このようなD/Bに、将来「南海トラフ巨大地震」が加わらないことを願うしかない。
今日の地震前兆現象
特に大きなものは無し。
www.tankyu3.com
【参考】
地殻構造探査|日本海洋事業株式会社
induced earthquakes | induced earthquakes
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