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【地震】口永良部島で噴火~大地震と南海トラフ巨大地震との関係+フィリピン海プレートの活動に注意


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昨日1月17日朝に鹿児島県・口永良部島の新岳が爆発的噴火したが、この火山が噴火する前後には西日本で大地震が起きることがあり、また同じアムールプレートの沈み込み地点にある南海トラフ巨大地震が気になるところだ。
そこで、過去の口永良部島の噴火の前後の大地震と南海トラフ巨大地震との関係について検討したい。

【目次】

 

口永良部島で噴火

1月17日午前9時19分ごろ、鹿児島県屋久島町の口永良部島(くちのえらぶじま)で爆発的噴火が発生した。
この噴火により、火砕流が集落の手前で留まっていた。


火山が噴火したといっても、関東の人間にとっては体験的にいまいちピンと来ないだろうが、いつか富士山が大噴火を起こせばイヤでもピンと来るようになるだろう。
下記のYouTube動画ニュースで、噴火の様子を見ることができる。



ここで火山噴火と地震の発生を無理やり関係づけようとは思っていないけれど、まったく関係ないことはないので、南海トラフ巨大地震も含めて一応以降で説明する。

火山フロント

昨日噴火した口永良部島の位置を下記のGoogleEarthのマップで示すが、これを見ると、この島は火山が連なっている帯の上に存在することがわかる。


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この火山の帯を「火山フロント」と呼ぶ。
火山を噴火させるマグマは、地表に噴出して火山を生成する。
プレートが重なって下に沈み込むところの、深さ100~150kmあたりの地表に、火山ができる。

火山フロントとプレートの沈み込み

上記のマップを眺めていると何となくわかってくるかもしれないが、更に下記の図を見ると、もっと何となくわかってくるものがあるかもしれない。


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ここで、赤色で示される火山フロントは、西日本の方ではフィリピン海プレートの沈み込みと関係していることがわかるだろう。
そして、本土の中央部を縦断する火山フロントの方は、太平洋プレートの沈み込みと関係がある。
そうなると、今回の口永良部島の火山活動は、フィリピン海プレートの活動と関わっているのではないか。


そう思って、過去1ヶ月間のフィリピン海プレート周辺で起きたM4.5超の地震の震源分布を見てみると、下記のマップの通りとなる。


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やはり、フィリピン海プレート境界付近で、M6超の地震がいくつか起きていた。
その中には、1/8の種ヶ島近海M6.4(USGSではM6.3)の地震も含まれている。
口永良部島の噴火は、この地震などの流れで捉えられるようだ。

口永良部島の噴火と大地震

では、同様のことが過去に起きていたかどうかを調べてみる。
過去100年くらいで、口永良部島が噴火する前後に大きな地震が起きていた例だ。
その一覧を以下に示す。

1944年12月7日:昭和東南海地震(M7.9)、犠牲者・行方不明者1,223人。
1945年1月13日:三河地震(M6.8)、犠牲者・行方不明者2,306人。
1945年11月3日:新岳火口東外壁で割れ目噴火(水蒸気噴火?)。
1946年12月21日:昭和南海地震(M8.0)、犠牲者・行方不明者1,443人。

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1966年3月13日:与那国島近海(M7.3)
1966年3月23日:与那国島近海(M6.2)
1966年5月16日:種ヶ島近海(M5.0)
1966年11月1日:大隅半島東方沖(M5.0)
1966年11月22日:新岳で噴火し小規模火砕流。

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2014年8月3日:新岳で噴火(34年ぶり)。噴火警戒レベル3。
2014年8月15日:奄美大島北西沖(M5.5)
2014年8月29日:日向灘(M6.0)
2014年9月22日:小笠原諸島西方沖(M5.5)
2014年11月22日:長野県神城断層地震(M6.7)、深さ5km。

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2015年5月29日:新岳で爆発的噴火。噴火警戒レベル5
2015年5月30日:小笠原諸島西方沖(M8.1)、深さ682km。
2015年5月31日:鳥島近海(M6.6)、深さ45km。
2015年11月14日:薩摩半島西方沖(M7.1)、深さ17km。
2016年4月1日:三重県南島沖(M6.5)、深さ29km。
2016年4月16日:熊本地震(本震、M7.3)、深さ12km。


いきなり最初の例が、2つの南海トラフ巨大地震に挟まれて噴火したケースだ。
次の1966年は、噴火の後で大きな地震が続いた例。
2014年には噴火直後の同月に周辺で地震が起きた後で、長野県でも大きな地震が起きたが、これは参考までに書いたもの。
翌年の大噴火の翌日にも、前年同様に小笠原諸島の同じところが揺れていたが、これもフィリピン海プレート上だ。

フィリピン海プレート上の地震に注意

たった今、関東で大きな地震が起きたようなので、この記事はここで締めることにする。
知らない人のために書いておくと、南海トラフ巨大地震については、現在発生している黒潮の大蛇行が続いている間に起きたことはなく、終息後は可能性が出てくものの、今回の大蛇行は長引きそうだ。


このように、口永良部島あたりの火山噴火は、フィリピン海プレートの活動の一環であることもあるということ。
そのため、今後も同プレート周辺の地震に注意した方が良いだろう。


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