探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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【地震予知】最新の南海トラフ巨大地震の発生予測~黒潮大蛇行の状況~四国・東海のスロースリップ


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四国と東海の南海トラフ沿いでスロースリップが続く中、南海トラフ巨大地震の発生予測を見直したが、その前提となる黒潮の大蛇行の最新予測状況と共に紹介する。


【目次】

 

南海トラフ巨大地震

南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に高い確率で発生するおそれがあるとされる。
その確率は70~80%とされて、最悪では犠牲者が32万以上に達するとされている。


いつ起きてもおかしくないとか、いや当分は起きないだろうという意見など色々あるが、確率論的にはこれだけ可能性が高いわけで、特に西日本の太平洋側の人々は気をつけなければならない。
とにかく未曾有の国難が待ち受けているわけで、これは日本に限った話ではないが、国はそういうことに関して、ありのままに公表してくれないのが世の常だ。


もっとも、3.11で例の「想定外」で散々な目にあったせいか、それ以前に比べれば現実に近づいてきただろうが、被害想定などで、まだ信用できない部分があるのは否めない。

東海と四国のスロースリップ

気象庁は3/7の定例会で「四国の西部では2月から、中部では3月からプレート境界を震源とする深部低周波地震が続いている」と明らかにした。
スロースリップが原因だと考えられるという。


深部低周波地震または深部低周波微動とスロースリップの関係は中々説明が難しいが、以前に書いた用語の解説を再度貼り付けておく。

◎スロースリップ:普通の地震によるプレートのすべり(スリップ)よりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象のこと。学者によって、スローイベント、スロー地震、ゆっくりすべり、ゆっくり地震などと呼称が異なる。


◎短期的スロースリップ:数日間ほどかけて発生するスロースリップ現象。


◎長期的スロースリップ:数か月から数年かけて、プレート境界がゆっくりすべる現象


◎深部低周波地震:西日本のフィリピン海プレート沈み込み境界付近で発生する、通常の地震よりも非常に長く継続する微弱な振動現象のこと。スロースリップが発生している時には、深部低周波地震活動が活発になるという。


◎深部低周波微動:=深部低周波地震

 

東海と四国の深部低周波微動の最新状況

以下に、2月初旬から現在までの四国と東海地方(愛知県・三重県)で発生している深部低周波微動の分布図を示す。
元の図の冗長な部分を編集して横長になってしまったが、モバイル版では図を指で広げれば拡大できると思う。
PC版では画像クリックで拡大表示される。


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上のマップで、参考までに「伊勢湾トライアングル」の位置を書き入れておいた。
伊勢湾周辺のあたりは、3月に入って多少落ち着いてきている。
四国の方は、逆に今月に入ってまた活発になってきている。


気象庁は昨年11月から、「地震は予知できないもの」として、異常現象が発生した際には「南海トラフ地震に関連する臨時情報を発表する」という方針に転換している。
そのため、「情報は出すけど空気を読んでわかってね」というわけではないだろうが、前兆的な現象があっても、起きるとはっきり言ってはくれなさそうだ。


その判断の基準のひとつに「ゆっくりすべり」つまりスロースリップがある。
この現象は過去にも観測されてきたため、気象庁は「南海トラフ地震の震源域で大地震が起こる可能性は、平常時と比べて相対的に高まったとはいえない」と発表している。
これは程度の問題で、より顕著な現象が発表された時には「備えの再確認」を行うようにということになるかもしれない。


特に、昨日の記事でも書いたように、例の「伊勢湾トライアングル」の状況が刻々と変わってきていて、不穏な要素がどんどん増えてきつつあるので、今後も東海のスロー地震の状況から目が離せない。

黒潮大蛇行の状況

発生してから1年半以上も続いている、黒潮の大蛇行。
今日、最新の状況を確認してみた。
黒潮の状況を調べる時には、いつも下記のサイトの予測を参考にしている。



このサイトによると、海面でも深層でも、黒潮大蛇行を作る渦はむしろ強くなっているという。
下記は同サイトにある5/2時点での予測で、少なくともこの頃まで、大蛇行は元気に(?)続くそうだ。


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南海トラフ巨大地震の発生は?

このような黒潮大蛇行の状況などを加味すると、南海トラフ巨大地震の発生如何は、下記のInstagram投稿の通りになる。


https://www.instagram.com/p/BuulFkglMxo/
【黒潮大蛇行】最新状況を見ると依然として強く、少なくとも4月一杯は続きそう。つまり南海トラフ巨大地震は今年前半は起きず、大蛇行が終わるまでは恐れることはない。青色が濃い冷水塊の部分では地震が抑制されると思われ、昨日の四国沖M4.0はその外側で起きた。#南海トラフ #南海トラフ巨大地震 #黒潮 #黒潮大蛇行 #地震 #地震予知 #LINE


つまり、スロースリップが起きているといっても、今すぐに南海トラフ巨大地震が起きる可能性は非常に低いということ。
常時更新している固定ページ「南海トラフ巨大地震発生の条件・前兆・傾向・予測」を今日更新したが、その根拠となることはそこで書いているので、詳細は下記ページを見てください。



 

黒潮と南海トラフ巨大地震の関係

これだけで終わると不親切かもしれず、もう少し解説が必要だろう。
ここ数日のこのブログの記事は小難しいかもしれないが、何万何十万という人々の生存がかかっていることなので、簡単に終わらせるわけにはいかない。


下記の図を見てください。
ウェザーニュースの図を拝借して、色々と情報を書き込んだものだ。


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南海トラフ巨大地震は、なぜ黒潮が直進している時だけ起きるのか?
それは、上記の図がヒントになるかもしれない。


黄色の丸印で、直近4回の南海トラフ巨大地震の震源を書き入れている。
4回の巨大地震は、緑色の線のように黒潮が流れている時に、それに沿ったようなところで起きている。
やはり、黒潮と大いに関係があるのだろう。

大蛇行中の冷水塊と大地震の発生

そして、現在のように黒潮大蛇行が起きている間は、南海トラフの震源域を迂回して黒潮が流れる。


黒潮は、世界でもっとも強い海流だという。
海流というのは、海水温が高いように思われるかもしれないが、実際は黒潮のような海流というのは、温かい水と冷たい水の境目を流れて、同じ水温のところをずっと進んでいくようになる。


だが、黒潮は大蛇行の間は、蛇行の中心部分に、周囲の海水より数~10程度温度が低い海水の塊ができて、これを「冷水塊」と呼ぶ。


どうも、これが南海トラフ地震に限らず、地震の発生を抑制してくれるものなのではないか。
いままで自分が調べた範囲では、大蛇行中に冷水塊エリアで、あまり大きな地震が起きていない。
南海トラフ巨大地震の発生を食い止めてくれる「守り神さま」みたいなものだろうか。
あくまでも、私の推測が正しければの話だが。


なので、昨日3月07日11時20分に四国沖でM4.0、最大震度1の地震が起きたが、イヤなところで起きたなと思っている人も多いだろう。
たしかに過去の南海地震の震源に近く不穏だが、これまで説明してきたように、これが巨大地震の直前の前兆地震であるわけではないだろう。
下記の黒潮予測サイトから拝借した図に震源を書き込んだが、冷水塊から少し外れたところが震源だった。


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大きな地震は前震と思え

8年前の今日、2011年3月9日に、三陸沖でM7.3の地震が起きた。
最大震度5弱で、宮城県で最大60cmの津波が発生した。


これは東北地方太平洋沖地震の前震だったといわれているが、本震が来る前は、そのような発想をした人は少なかっただろう。
だが、熊本地震でもそうだったように、M6とかM7の大きな地震が起きても、それで終わりとは限らないということだ。


地震に関しては、昔から様々な言い伝えがあるが、そこに新たに「大きな地震が起きたら、より大きな地震の前震と思え」というのを加えたい気持ちになってくる。
少なくとも、震源となった地域の人々は、気を抜かずに、東日本大震災や熊本地震の教訓を生かして防災に勤めていただきたいということだ。


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