探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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【地震】紀伊水道と日向灘の地震は南海トラフ巨大地震の前兆?~黒潮大蛇行とエルニーニョ


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3月に紀伊水道と日向灘で相次いで起きたM5規模の地震が、南海トラフ巨大地震にまた1歩近づく予兆ではないかといった報道があるが、その中で巨大地震の発生に大きく関わる黒潮大蛇行とエルニーニョ現象の最新状況を見ていくことにする。


【目次】

 

紀伊水道と日向灘の地震

…と書いたものの、今日はサルちゃんの誕生日を祖国で迎えてお祝いしたために、残された時間は限られているので、可能な限りを手短に書くことにする。


3月13日、紀伊水道でM5.2、最大震度4の地震が発生した。
この地帯でのM5超の地震は頻繁に起きているイメージがあるが、実際は33年ぶりだったという。
この地震について、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が週刊実話の取材に応じてこう語っている。

今回地震が発生したのは、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込んでいる地点なんですよ。南海トラフ地震がいつ起きるかははっきりしたことは言えませんが、間違いなくXデーに向かって進んでいる。大阪は水の都といわれ、海抜ゼロメートル地帯が広がり、過去の南海トラフ地震でも甚大な被害に見舞われた。将来、大阪万博(2025年)、カジノなども予定されており心配ですね。


たしかに四国や伊勢湾周辺でスロースリップなどが発生するなど種々の要因がある中で、南海トラフ巨大地震はまだ当分は発生しないという主張は根拠が弱いと感じる場合が多い。

南海トラフの前兆はない??

週刊実話の記事では、昨年の大阪北部地震の後、当時の松井府知事が「今回の地震と南海トラフが連動しているのは科学的に根拠がない。津波の予想高を上回っている夢洲の地盤は逆に南海トラフに強固なエリアである」と語ったことに言及している。


この人は、その「科学的根拠」のどこまでを知っての発言なのだろうかと疑問が生じてしまう。
記事中で、防災ジャーナリストの渡辺実氏がこう指摘する。

日本は、原発の安全神話が巨大地震の前に崩壊するのを8年前(東日本大震災)に見たばかりです。それなのに、首都直下地震がくる東京でオリンピックを開催し、南海トラフ巨大地震の津波がくるところで万博をやるという。オリンピックや万博には世界中から人が集まってくる。一方で、国は大地震の発生確率も公表しているんです。物凄い矛盾です。日本人は外国人には到底理解できないことを平気でやるんですよ。


実際、現在の状況で「科学的根拠がない」と言い切る人のどこに科学的根拠があるのだろうかと、不信感を抱いてしまう発言だ。
大阪万博の開催地決めにしても、開催中に南海トラフが揺れる確率は確率論的に低いとしても、大規模予算を投じて施設を建設することが正気なのかと思えててくるのだ。

日向灘も揺れた

こうした中で、3月27日には日向灘でM5.4の地震が同日に連発した。
紀伊水道と同様に、南海トラフ巨大地震との関連を誰でも考えたくなってくるエリアだ。
というのも、南海トラフと日向灘はフィリピン海プレートの沈み込み領域として連なっていて、南海トラフ巨大地震では3連動どころか日向灘も含めて4連動の可能性も科学者から指摘されているためだ。

過去の南海トラフ巨大地震の前に日向灘は揺れていたか?

では、気になる日向灘の中規模地震だが、過去の南海トラフ巨大地震の前に前兆的な地震が起きていたのだろうか。
昭和東南海・南海地震に先立つ5年程から現在までに日向灘で起きたM6.0超の地震は、以下のようなものがある。
この間の2つの南海トラフ地震も同列で示す。

1939/03/20 M6.5
1941/11/19 M7.2
1944/12/07 昭和東南海地震、M7.9
1946/12/21 昭和南海地震、M8.0
==
1961/02/27 M7.0
1968/04/01 M7.5
1984/08/07 M7.1
1987/03/18 M6.6
【中略】
2014/08/29 M6.0


この一覧を見てまず気づくのは、昭和東南海地震の5年ほど前にM6規模の地震が起きていたことだ。
また、3年ほど前にはM7規模の地震が起きた。
これらの日向灘での地震は、同じフィリピン海プレート沈み込み地帯での南海トラフが動く予兆的なものだったのかもしれない。


日向灘でのM6規模の地震は、2014年を最後に起きていない。
そうなると、昭和年間と全く同じパターンではないとしても、次にM7クラス位が起きた時には、巨大地震の発生が近いとして更に注意すべきかもしれない。

黒潮大蛇行と南海トラフ巨大地震

これまで定期的に見ていたように、現在発生している黒潮大蛇行がいつ終わるかが、南海トラフ巨大地震の発生に大いに関わることなので無視できない。


最新の黒潮大蛇行の予測を見ると、少なくとも5月末までは大蛇行が続く勢いがあるという。
そのため、少なくとも今年前半は南海トラフ巨大地震が発生しない可能性が非常に高いことになる。
そのことは、今日更新した下記の固定ページ「【常時更新】南海トラフ巨大地震発生の条件・前兆・傾向・予測・予知」でまとめている。



 

エルニーニョ現象と大地震

また、太平洋上で海水温が高くなるエルニーニョ現象だが、こちらも大蛇行と平行して発生している。
3/11の気象庁の発表で、エルニーニョ現象は夏にかけても続くとの予測が出ている。


南海トラフ巨大地震を含めた日本付近の大地震は、エルニーニョ現象の発生中または終息の翌年あたりまでは多く発生する傾向がある。
そのため、今年後半以降は、この点でも注意が必要ということになる。


また、前述のように日向灘でも中規模地震が起きている以上は、これも巨大地震の予兆である可能性も考慮しておかなければならないだろう。
いつも再三にわたって書いているように、黒潮の非大蛇行期間中や3月~6月には南海トラフ巨大地震が絶対起きないわけではなく、そうである傾向が高いということで、「絶対」の基準ではないことは、覚えておいていただきたい。


【参考】


■今日のタイ滞在記
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【タイ滞在】ホアヒンのキャメルリパブリックで。愛弥美はタイに来て急に写真マニアになって、気に入ったものをカシャカシャ撮っている。私の使っていないタブレットをあげると喜ぶだろう。Ayami getting a photo mania. 😄#タイ #タイ旅行 #タイ滞在 #愛弥美 #thai


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