探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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【火山】薩摩硫黄島が噴火~「世界一危険な火山」選定の島で滅亡レベルの「破局噴火」の可能性は?


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11月2日17時36分ごろ、鹿児島県の薩摩硫黄島で噴火が起きた。
この火山が属する鬼界カルデラは、過去に「破局噴火」を起こしただけに、その再来が懸念されるが、その可能性を探ってみたい。



過去には「破局噴火」の歴史も

今日はTOCANAの重い原稿を1本書いた後で、ずっと富士山噴火のことを調べていて、そうしたら薩摩硫黄島が噴火のニュースが入った。

噴煙の高さは火口から1000mを超えていて、火口から東方向の約2kmまでの範囲では、風に流されて小さな噴石が降る恐れがあるという。

気象庁によると、地元の方は山には近づいたりせず、噴石の落下が予想される範囲では、屋内や丈夫な屋根の下に避難してくださいと呼び掛けている。
また、火口から北西方向に火山灰が流され、鹿児島県三島村で降灰が予想され、傘やマスクなどで防灰対策をし、自動車の運転には気をつけくださいとのこと。

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「世界一危険な火山」

この火山は、普通の火山噴火とは別格に考えなければならない理由がある。
それは、この島が一部となっている鬼界カルデラが、「世界一危険な火山」に選定されたこともある危険な火山だからだ。

2015年にTOCANAで、「世界で最も危険な火山」に日本の薩摩硫黄島が選ばれたことを紹介した。
なぜ、それほど「危険」なのか?

この年に、英国・マンチェスター大学のアルバート・ザイルストラ教授(天体物理学)が、火山愛好家たちの協力を得て「世界で最も危険な火山10」を選定した。
選出にあたっては、100年以内に噴火の恐れがあり、かつ破局的噴火となる可能性がある火山という基準が用いられている。

危険度ランキング

その危険度ランキングは、以下の通り。

1位:硫黄島(鹿児島県)
2位:アポヤケ山(ニカラグア)
3位:フレグレイ平野(イタリア)
4位:阿蘇山(熊本県)
5位:トランスメキシコ火山帯(メキシコ)
6位:アグン山(インドネシア)
7位:カメルーン山(カメルーン)
8位:タール山(フィリピン)
9位:マヨン山(フィリピン)
10位:ケルート山(インドネシア)


もっとも、ここでいう噴火とは、「通常レベルの噴火」とは全く異なる。
いわゆる「カルデラ噴火」、より大規模な場合は「大規模カルデラ噴火」あるいは「破局噴火」とも呼ばれる巨大噴火だ。

ちなみに、10位以内に国内の火山では阿蘇山が4位に入っている。
ここも要注意だということだ。

鬼界カルデラ

薩摩硫黄島は、鬼界カルデラの北縁に位置する。
このカルデラは海底にあり、直径20kmほどの大きさがある。

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破局噴火が起きれば、最悪の場合は「日本の終わり」もあり得るというレベルだ。
これは決して「トカナ的表現」ではない。

どんなに大規模な巨大地震が起きても、日本が滅亡することは、ほぼ無いだろう。
だが、破局噴火では、その可能性があり得る。
最悪ケースでは、1億2千万人の犠牲者が出ると算出されている。
最後に日本で起きた破局噴火は、約7300年前に起きたが、それは正にこの鬼界カルデラで起きた。

もっとも、日本に壊滅的な被害をもたらす「巨大カルデラ噴火」が発生する確率は、そう高くはない。
2014年に神戸大の巽(たつみ)好幸教授らがまとめたものによれば、100年以内に1%の確率だという。
このように、現時点で差し迫っている状況ではないが、最悪の場合は日本の総人口にほぼ匹敵する約1億2千万人が絶命すると試算して、観測や研究の強化を求めた。

はっきり言って、政府としては、このような大災害が待ち受けていることなど国民に対して秘密にしておきたいようで、それは推測で言っているのではなく、自分なりの調査の結果だ。

過去の噴火暦

薩摩硫黄島または硫黄岳と呼ばれるが、過去には以下のような噴火が起きていた。

1936年:硫黄岳(薩摩硫黄島)が噴火。
昭和11年10月26日に始まった硫黄岳の火山活動により島が30cm沈下。

2001年8月13日:顕著な火山灰の放出を伴う噴火が発生。

上に書いたような「破局噴火」が、そう簡単に起きてもらっては困るが、上記のような噴火は通常レベルであり、破局噴火に結び付くものではない。
だからといって、その可能性を全く無視していれば、いつか起きないとも限らない。
その時になって、ああやっぱり噴火の可能性を真剣に考えておくべきだったと反省しても、その反省する人間がこの国では誰も生き残っていないかもしれない。

常に最悪の可能性を考えておくことが大切

このへんは、考え方が異なる人が多くいるかもしれない。
だが、100年間で1%の確率は、決して低いものではない。

前述の巽教授によると、巨大カルデラ噴火の発生確率を統計学的な手法で算出したのは初めてで、100年以内に1%という確率は首都直下地震などと比べるとはるかに低い。
だが、「いつ起きても不思議ではないと認識すべき数値」と語る。

そして、破局噴火が次にどこで発生するかは、特定できないという。
あくまでも、「日本のどこかで起きる確率」が1%だというのだ。

過去にカルデラ噴火が起きたところ

どこかはわからないとは言っても、過去の歴史を振り返れば、過去にカルデラ噴火を起こしたところはわかっている。
下記の図の通りで、九州がもっとも多く、次が北海道から東北あたりにかけてだ。

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該当する地方に住む方々は、自分は目の黒いうちに起きなくても、子々孫々のことを考えればいつかは起きると思っていた方が良い。

かといって、関東に住む我々が安心できるかというと、そんなことはない。
上記マップにある通り、箱根もかつてはカルデラ噴火を起こしている。

フィリピンでM6クラスの被害地震が連発して、次はフィリピン海プレートの西日本が要注意と書いておいた。
その矢先に起きた薩摩硫黄島の噴火だ。
ただし、硫黄岳が通常の噴火を起こしたことは、以前にも度々あり、即座に破局噴火に結び付くものではない。

今日は既に1本記事を書いたが、ここで書いた通りに鬼界カルデラという非常に重要な場所で起きただけあって、速攻で紹介した。

【参考】


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