4日後の1月17日は、1995年に兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)が発生してから25周年になる。
6千人以上の犠牲者・行方不明者が出てしまった大震災から、われわれは何を学んだか?何を学ばなかったかを何回かに分けて考えてみるが、まずは当時報告されていた動物前兆現象の一部を紹介する。
阪神・淡路大震災の記憶
阪神・淡路大震災といっても、25歳以下の人は生まれていなかったし、30歳くらいまでの人たちも、当時の報道などを見聞きしていないだろう。
じつは私自身も、この大地震の時のことは、あまり記憶にない。
それもその筈で、私は日本にいなかったのだ。
前年1994年秋から、インドネシア、ジャワ島東部の田舎町でSEとして派遣され、ソフトウエア開発やコンサルティングを行っていた。
その日、インドネシア語のテレビで、日本で大変なことが起きたことを知った。
この年は日本にとって多難な年で、3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件も起きた。
満月だった
この兵庫県南部地震は、1995年1月17日朝5時26分に発生した。
M7.3、最大震度7の地震が大都市神戸などを襲い、多大な被害となった。
この地震が発生する前には、どのような地震や天文現象が起きていただろうか。
それを以下にまとめる。
1994年11月15日:フィリピン中部で地震・津波、Mw7.1、犠牲者・負傷者200人。
1994年12月28日:三陸はるか沖地震、Mj7.6、犠牲者3人。
1995年01月07日:岩手県沖、M7.2、最大震度5。
【満】1995年01月17日05時26分
1995年01月17日05時46分:兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災、阪神大震災) 、M7.3、最大震度7、犠牲者・行方不明者6,437人。
まず、この地震発生時は、ちょうど満月だった。
日本でちょうど満月になった僅か20分ほど後のことだった。
それから、この地震の2カ月前にフィリピンでMw7.1の地震が起きていた。
便宜上「フィリピン-西日本地震連鎖の法則」と命名したが、このように連鎖する一例だ。
特別にそのような呼称を用いなくても、台湾やフィリピンで大きな地震が発生した後は、フィリピン海プレートが活発になって今後西日本あたりでも大きな地震が起きるかもしれないと、今の私ならば警戒できただろう。
もっとも、この頃はブログなどなかったし、インターネットも普及前だった。
人工地震説
この地震もご多分に漏れずに「人工地震説」があるが、上記のこと一つとっても、真面目に探究したくない気持ちで一杯になる。
本当に自然地震だとカモフラージュするために、ちょうど満月の時刻を設定したのだというのが真相だとするならば、その時には私が悪う御座いましたと謝罪します。
加えて、私もコロッと騙されるような優れた頭脳持っているということで、尊敬致します。
天体配置
天体配置的には、満月である、つまり月と太陽がオポジション(衝)のアスペクトを作っていた。
加えて、90度以内に7つの天体が集合する惑星集合が起きていた。
この地震では、特別に目を引く顕著さはないものの、上記の要素がトリガーとなったのかもしれない。
『前兆証言1519!』
この記事を書くために、久々に重い本を引っ張り出してきた。
『前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分』、弘原海清編著、東京出版。
前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分
- 作者:弘原海 清
- 出版社/メーカー: 東京出版
- 発売日: 1995/09
- メディア: 大型本
地球科学者だった弘原海(わだつみ)清氏(故人)が、メディアに呼び掛けて、神戸地震の前兆現象らしきことを見聞した人に報告を求めたのだ。
そして集められた1519通の報告のうち、読み取り不能なものや前兆現象とは無関係と思われるものを取り除き、最終的に1207件の証言が残った。
もっとも、これは全く内容を取捨選択していない「生もの」としての数だ。
そのことを念頭に置いて、情報を扱う必要がある。
下手にそのような抽出をしなかったことに見識を感じると同時に、ありがたく思う。
そのような「判断」が、必ずしも正しいものとは限らないからだ。
動物前兆現象などの例
前述のような趣旨の本なので、内容を鵜呑みにしてはいけないということが大切だ。
それにしても、この本は非常に貴重な、前兆現象の宝庫だ。
後にも先にも、このような本は出てきていない。
いつも、つくづく思うのは、たとえば東日本大震災の時の前兆証言を集めた同様の本があれば、どんなに良いだろうと。
この、私の「バイブル」を、久々に開いてみた。
陸上動物の前兆現象
以下に、『前兆証言1519!』から、陸上動物の前兆現象かもしれない事例をいくつか示す。
神戸市北区では、地震の2日前に家で飼われていた2匹のウサギが戦い、「デスマッチ」の末に1匹が息絶えた。
このようなことは、特に小動物で見られる例だ。
前夜には、宮崎県日向市で、シマリスが冬眠中だったはずなのに22時頃に起きてきて、カゴの中でごそごそしていた。
同じ前夜20時頃には、東大阪市の家で飼われていたメス犬が興奮状態で、飼い主に噛みついた。
兵庫県朝来郡では、前年10月中旬から台所が騒がしく、ネズミホイホイを仕掛けると、年末頃から何匹かかかり、直前には大ネズミも捕れた。
前月中旬から(西宮市)、1週間前から(神戸市須磨区)、前夜(岡山市)、それまでうるさかったネズミが姿を消して静かになった(地震の後に戻ってきた)。
大阪市旭区で、3日前の朝、それまで時々1匹ずつ捕れていた餅紙に、一度に6匹もかかってもがいていて、脳細胞が狂ったとしか思えなかった。
豊中市では、1週間前から天井裏のイタチが大暴れしていた。
これらはごくごく一部であり、パラパラとめくって目についた、マーカーを塗っていたところを拾ったものだ。
『地震前兆百科』
このような身近にいる動物たちが、前兆現象を示してくれているのに、多くの人々は無視してしまう。
その結果として、命を落とすこともある。
このような動物前兆などの前兆現象を、多くの種類を知っている人ほど、大震災クラスからサバイバルできるのかもしれない。
そのために、この本は後世に残すべき貴重な本だ。
この「探求三昧Web」のコンテンツの一つとして、『地震前兆百科』がある。
ここでは、動物前兆に限らず、さまざまな地震前兆現象といわれるものを網羅的に集める試みだが、まだ完成には至っていなくて、少しずつ加筆している。
「何を学んだか?学ばなかったか?」
記事タイトルに付した「25年間で何を学んだか?学ばなかったか?」の答えの一つとしては…
学んだこととしては、これらの貴重な前兆現象を、今われわれが読むことができることだろう。
学ばなかったことは?
その後に、 新潟県中越地震(犠牲者68人)、東日本大震災(犠牲者・行方不明者約2万2000人)、熊本地震(犠牲者273人)、大阪府北部地震(犠牲者6人)、北海道胆振東部地震(犠牲者42人)といった被害地震が繰り返し起きている。
それらの地震の前には、「陰謀による人工地震」ではない限りはw、何かしらの前兆現象があっただろう。
阪神・淡路大震災の教訓から、『前兆証言1519!』から、多くの前兆現象を学んでいれば、そしてそれらが一般通念となっていれば、これらの地震で犠牲者はもっと減っていたかもしれない。
『前兆証言1519!』の古書
この本は、すでに絶版だが、Amazonを見ると、まだ古書が数冊ある。
特に大型本は邪魔がられて嫌がられるせいか、安価な値段で何冊かある。
普及版として出た小型の単行本は、かなり高い値段がついてしまっている。
このブログを書く前に、Instagramの@nmomoseアカウントの方で、先行して上記の投稿をしておいた。
「早い者勝ち」と書いても、このような本を欲しいと思う人は、少ないのかな。
弘原海清氏による、下記のような本もあるが、これは『前兆証言1519!』の内容をまとめた新書版であり、個々の前兆証言は紹介されていない。
大地震の前兆現象―空が、大地が、動物が異常を発信する (KAWADE夢新書)
- 作者:弘原海 清
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1998/10/01
- メディア: 新書
今日の前兆現象
今日の無人チャイムだけを報告する。
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12時台:2回