探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

地震前兆・超常現象研究家の百瀬直也が地震予知・災害・防災・予言などを探求するWeb/ブログ(はてな旧サイト)




【3.11から9年】なぜ日本人は「自分だけは死なない」と思ってしまうのか?命を奪う「認知バイアス」の恐怖


f:id:nmomose:20200311224253j:plain

東日本大震災から9年目の今日、TOCANAで執筆した記事は、歴史的に繰り返し被災する日本人の幼稚な「平和ボケ」に徹底してメスを入れた内容だ。
具体的には、さまざまな「認知バイアス」といった「思い込み」「偏見」などによって災害から命を落としてしまう心理状態を心理学的側面から深く掘り下げたものだ。


 

愚かな「思い込み」や「偏見」

日本人の多くは、災害に関しては、非常に幼児的な「安全神話」に陥っている。
そのために、これだけ歴史的に大地震・津波・火山噴火などの大災害が繰り返されても、「学習」せずに、多くの人々が命を落としてしまう。

その多くの犠牲者のうち、多くても「仕方ない」という部分もあるが、「もっと少なく済んだ」と思う場合も多い。
そこには、やはり今日のTOCANAの記事で書いたような「バイアス」が働いているからに他ならない。

「バイアス」とは、「偏見」「先入観」「思い込み」など、記憶や思考などの認知が一定方向にゆがんでしまう心理状態のこと。
認知心理学や社会心理学では、「認知バイアス」という用語が使われる。

TOCANAの記事

今日TOCANAに掲載された私の記事『【3.11から9年】なぜ日本人は「自分だけは死なない」と思ってしまうのか!? アナタの命を奪う「認知バイアス」の恐怖を解説』は、3.11特集として編集部からネタ出しの依頼があって出した2本のうちの1本なので、いつになく力を入れている。
それは、一つには、やはり多くの人々の命がかかっているからだ。

まず、下記のTOCANAの記事を読んでみてください。
その後に、記事で書かなかったことや、バイアスのまとめについて書きます。


 

逃げ遅れる人々の心理

上記のTOCANAの記事でも紹介しているが、じつは4年前の3.11特集の際にも、類似した記事を書いていた。
『【3.11震災から5年】死にたくなければ自己中であれ!? 次の巨大地震を生き抜くための秘策とは?』と題したもので、

この時の記事は、記事全体が認知バイアスを扱ったものではなく、災害から助かるにはどうすれば良いかという観点から、「逃げ遅れる人々、逃げない人々の心理」を紹介していた。


 

認知バイアスの種類

以下に、災害時に起こりがちな認知バイアスなどについてまとめることにする。

◎「正常性バイアス」

東日本大震災のような津波が、いつかは東北にまた訪れるだろうとは意識していても、「まさかそれが今日だとは…」と思ってしまう。
あるいは「うちの地域はそう大した津波は来ない」「今まで警報が来ても本当に津波が来たことはない」といった勝手な思い込み。
これを「正常性バイアス」という。

◎「同調バイアス」(集団同調性バイアス)

災害発生時に、周囲を見回して人々の行動に同調して、「他の人たちが避難しないから大丈夫だろう」というような思い込みをしてしまうこと。
日本人は特に、このような性向が強く備わっているようだ。

◎「楽観バイアス」

これは、たとえば2018年の西日本豪雨でも多く見られた心理状態だ。
台風や豪雨で大きな被害が出ると警報が出ているにもかかわらず、「うちは今まで大丈夫だったから、避難する必要はない」という思い込み。
だが、実際は被害に遭って避難所生活を強いられる結果となる。
こういうバイアスがかかる人は、特に年配の男性に多く見られる。

◎「感情バイアス」

人は皆、見たくないものは見ず、聞きたくない話は聞いても心に入って行かない。
意識の志向性という「感情バイアス」のためだ。

◎「現状維持バイアス」

自分が未知・未体験のものを受け入れず、現状を維持して変更を避けようとする心理状態のこと。
たとえば、前述の2018年西日本豪雨では、7月5日に「記録的な大雨となる」と気象庁が異例の記者会見をしていたにも関わらず、その日に安倍首相や防衛大臣などが飲み会をしていて批判を浴びた。
人間は誰でも「現状の状態が続く」という予想をしがちな傾向があるが、前述のような警報が出ていても、「大したことはないだろう」と過小評価したり無視してしまう傾向が「現状維持バイアス」だ。
 

◎「確証バイアス」

個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合の良い情報だけを集めて先入観を補強するという傾向だ。いったんある決断を行うと、その後に得られた情報を、決断した内容に有利に解釈するようになる。
 

◎「凍りつき症候群」

津波がすぐ後ろまで来ているのに、早く走らずにゆっくり歩く人々。
これは、自分たちは早く走ろうとしていても、足がすくんで走れない。
こういう状態を「凍りつき症候群」という。

このような状態になった人を「解凍」するには、他者が助けの手をさしのべないと難しいようだ。
詳しくは下記の「消防防災博物館」サイトを。

www.bousaihaku.com
 

◎「感情弱化バイアス」

人間には、ネガティブな記憶を早く忘れようとして、ポシティブな記憶に執着しようとする。
これを「感情弱化バイアス」という。
これが、大地震や津波などの経験が加速度的に風化され、同様の災害が繰り返される一因となっているのではないだろうか。

日本人は、主として「感情」が主体として働いているが、ネガティブな側面としては「感情から自由になれていない状態」のためにこのような弊害が生まれる。
では、そうすれば良いかというと、「嫌なものは見ようとしない」、「臭いものには蓋を」、「嫌な思い出は早く忘れたい」ではなく、体験した事象を「客観的に見つめる」ということが大切になるだろう。

東日本大震災の津波から逃げる人々

以下に、東日本大震災などの際のYouTube動画をいくつか紹介する。
どれも、津波が襲って来たりした光景を撮影していて、かなりショッキングな内容なので、初めから無理という人は見ないでください。

あるいは、耐えられるかどうかわからないという人は、見てみて、これ以上は無理と思ったらストップしてください。

東日本大震災の津波から逃げる人々の映像を見ていると、「どうしてもっと早く逃げないの?」と思ってしまうことが多い。
下記の動画もその例だ。


この映像を見ると、高台から眺めている人は、「バカだな、何やってるんだろ」と繰り返し言う。
たしかに自分でもそう言いたくなる。

「凍りつき症候群」で、早く走れないのだろうか。
あるいは、津波というものを経験したことがないから?
津波を甘く見すぎている?
それならば「楽観バイアス」か何かに分類されるだろう。

後ろまで津波が迫っているのに…

次は、岩手県の根浜海岸の旅館の映像。
0:50頃から、津波の映像が始まる。


この映像を見ると、後ろを振り向きながら走って、全力で逃げていない。
まだ逃げ出していない他の人たちを気遣っているように思われる。

だが、やはり重要なのは「津波てんでんこ」だ。
つまり、「まずは自分が助かることを確認してから、他人を」ということ。
人を助けようとして、共倒れになってしまったら、どちらも報われない

平和ボケの日本人

この2つくらいでやめておくことにする。
これらのケースでは、「油断」があるように思われる。

こういう動画を示すのは、やはり我々がそこから「学ぶ」ことは多いと思うからだ。
いや、絶対に学ばなければならない。
多くの犠牲者の命を無にしないためにも。

日本人は、みな「平和ボケ」の状態にある
「平穏」であることが普通であるという「正常性バイアス」が働くのか。

昨日TOCANA掲載の、3.11特集第1弾の「タワマン」よりも、むしろこちらの記事の方がずっと重要だと思う。

今、NHKの大震災特集で、被災した人が「人は経験しないとわからない」と言っていた。
だが、こと減災に関しては、「経験しないでわかる」ことが大切だろう。

それは難しいけれど、自分や家族や大切な人々を護るためには、どんなことをしてもやらなければならない。
そこには「知識」や「探求」が必要になってくる。

バイアスに打ち勝つには

TOCANAの記事の締めで書いたように、こうしたバイアスにとらわれないためには、やはり「自分を客観的に見つめる」能力が重要になってくるだろう。
非常に難しいことではあるが、始めようという気持ちがなければずっとできずに終わってしまう。

上で紹介した津波から逃げる人々の動画を見て「なんで早く逃げないんだろう?」と思えるのは、客観的に見ているからこそだと思う。
だが、逃げている当事者は、そのような「客観的な目」で見れない。

だからこそ、自分をも「客観的に見る」ことが重要になってくるが、そのためには日ごろからの訓練が必要なのだろう。

※マスクも段々安く手に入るようになってきた。


今日は神奈川聖地巡礼として、走水神社と江島神社へ行ってきた。
そのことは、明日以降に紹介することに。

https://www.instagram.com/p/B9kghN2AGss/
東日本大震災から今日で9年。2万人以上の命を奪った地震・津波の記憶を風化させてはいけない。今日は一人で、走水神社と江島神社へ聖地巡礼する。9 years has past since the Tohoku tsunami. #東北地方太平洋沖地震 #東日本大震災 #地震 #津波 #311

https://www.instagram.com/p/B9lgpYeAzOj/
小田急線・片瀬江ノ島駅前にできた、タイティーの店『Chabadi』、試しにタピオカ入りミルクティーを飲んでみたら、意外にも甘さ控えめで美味しい。原宿、福岡に続く開店だそう。オーナーは日本人だと見て聞いたら、バイトだと思った可愛い女の子が「私です」と、想定外。Thai tea shop Chabadi in Enoshima. Aroi.#chabadi #タイティー #thai #thaitea

これ、夫婦でハマった。
https://www.instagram.com/p/B9llrCYA0Uz/
【江の島】聖地巡礼中は常に断食で、終えてから参道の店しらす問屋とびっちょの、しらすブラックコロッケ150円。めちゃウマ。味にうるさいサルちゃんもきっと同じ。江の島は本当にうまいもんが多く楽しい。#江の島 #しらすブラックコロッケ #しらすコロッケ



Copyright (C) 2004-2020 Naoya Momose - 百瀬直也. All Rights Reserved. Email