昨日TOCANAで掲載された私の記事は、太陽フレアなど太陽活動で地震予測を行う西マサヤさんへのインタビューで、西さんの研究がもっと広まれば巨大地震で犠牲者が減るかもしれないという、非常に重要な内容を含んでいる。
西マサヤさん
西マサヤさんは和歌山県在住の男性で、ネット上ではよく知られた人で、Twitterのフォロワー数は私より多く、1万人以上いる。
職業は「牛飼い」としていて、最初はジョークかと思ったが、本人に聞くと実際に牧畜業をされているそう。
西さんは太陽活動の観察によって、太陽風フレアなどの現象から地球上で起きる地震を予測している。
その内容は、ブログ「太陽風フレアCME地磁気インパクト地震予測」で日々公開している。
TOCANAの記事
昨日は、昨夜23時すぎにブログ記事を書き上げた後でTOCANAの記事に気づいたので、昨日は紹介できなかった。
編集部も超多忙なので、記事の筆者に知らせてくれる余裕はない。
今日になって、TOCANA人気記事ランキングで既に1位になっていて、その速さから、かなり注目を浴びたようだ。
まず、下記のトカナの記事を読んでみてください。
『【証拠アリ】日本で“震度7以上の地震が起きる”法則をついに発見!! 太陽活動と完全一致、データ緊急公開!』
太陽活動の用語
今回の記事は、あとで自分で読んでみると、かなり難解な部分があったと思い、もっとわかりやすくする工夫が必要だったと反省している。
まず、太陽活動について理解するには、いろいろと難解な用語が出てくるので、一度聞いてもすぐに忘れたりする。
そこで、まずその用語を以下にまとめておく。
・太陽フレア:太陽における爆発現象で、太陽面爆発とも呼ばれる。 小規模なフレアは1日3回ほど起きている。
・太陽フレアの強度:A → B → C → M → Xとクラス分けされる順に強度が強くなる。
・プロトン現象:太陽から相対論的エネルギーに加速された陽子(プロトン)を発生させる現象。
・プロトン粒子フラックス:太陽フレアなどに伴い発生した高エネルギーのプロトンが地球近傍で観測されること。
・CME:コロナ質量放出のことで、太陽活動に伴い太陽から惑星間空間内へ突発的にプラズマの塊が放出される現象。
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過去の大地震の前兆としての太陽活動
TOCANA記事で紹介した、過去に顕著な太陽活動のあとで被害を伴う大地震が起きた例を、ここでも載せておく。
◎2004/10/23:新潟県中越地震(M6.8)
前日にCME観測、Mフレア。太陽風(※)密度は10-10。※ プラズマのガス圧が太陽の重力を超え、プラズマが外の空間に向かって高速度で吹き出すこと。
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◎2011/03/11:東日本大震災(M9.0)
CME、Xフレア。太陽風密度は2-60。※この3.11の直前、筆者のもとに届いていた「宇宙天気予報」メールには、以下の情報があった。
3/7:「4回ほどC6クラスフレアを検出」
3/8~11:「10MeV以上のプロトン粒子フラックスが1.1e+01PFUを超えた」
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◎2016/04/14・16:熊本地震(前震M6.5、本震M7.3)
フィラメント噴出(CME)(※)、Mフレア。太陽風密度は10-30。※ フィラメントは太陽表面で磁場に支えられて浮かぶガスの塊。この大量のプラズマが噴出する現象。
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◎2018/09/06:北海道胆振東部地震(M6.7)
コロナループ(※)。太陽風密度は30-20。※ 太陽磁場の磁力線に沿ってアーチ状に発生するガスの流れのこと。
「ベース」が大事
以下に、大地震が起きるパターンをまとめておく。
・Cフレア→M6クラス、トラフ関連が多い。
・太陽風の密度が9を超える→M5.5の地震が発生しやすい。
・ベースがBフレアでMフレアが起きるとトラフ単発の地震。
・ベースがCフレアでXフレアだと場合によっては3.11クラス。
このように、「ベース」という概念が重要で、たとえばMフレアくらいが単発で起きても大地震につながらないかもしれないということのようだ。
2013/02/03~06:Cフレアが連日発生
2013/02/06:ソロモン諸島、Mw8.0、死者9人
2013/02/07:C8フレア、CME
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2013/04~05/23:C~Mクラスフレアが連日発生
2013/04/26:部分月食
2013/05/10:金環日食
2013/05/16:X1.2フレア
2013/05/23:M5.0フレア
2013/05/24:ロシア、オホーツク海、Mw8.4
2013/05/25:スーパームーン・満月・半影月食
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2017/08/20~09/06:C~M1フレア
2017/08/22:新月・皆既日食
2017/09/07:X9.3フレア
2017/09/07:メキシコ南部沖・チアパス地震、Mw8.1、死者91人
2017/09/11:X8.2フレア
2017/09/18:大規模フレア
2017/09/19:メキシコ中部、Mw7.1、死者326人
私は西さんほどの経験がないので、上記はあまり適切な例ではないかもしれないが。
科学者も認める
武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏は「学問的には不明」としながらも「フレアの影響で起きた電気を帯びた粒子が、地震を起こす岩に対して『最後の引き金』を引いている可能性はありえなくはない」と語っていた。
また、九州大学宙空環境研究センターでは、太陽黒点の数が少ない(太陽活動が活発でない)時期ほど巨大地震の発生頻度が高くなるという傾向を発見した。
湯元センター長は「太陽と地震の活動をつなげる要素は不明だが、地震の謎を解明する手がかりにしたい」と述べている。
このように、科学者の間でも太陽活動と地震の関係に関心をもつ人もいて、あながち「トンデモ」説とは言えないのだ。
メキシコ地震の連発は警告通りに起きた
そして私は、2017/09/14のTOCANAの記事で、「今月11日には、またもX8.2という大規模な太陽フレアが発生しており、少なくとも9月25日頃までは大地震発生に警戒するに越したことはないだろう」と警告していた。
その通りに、2017/09/19にメキシコ中部でMw7.1の地震が発生し、前月のチアパス地震よりも多い326人の犠牲者が出てしまった。
そのようなバックグラウンドがあったので、私より経験を持っている西さんには取材したいと思っていたが、快諾してくれた。
なお、太陽フレアなど太陽活動関連のリアルタイムのデータは、『探求三昧Web』の「リアルタイム地震前兆データ」のページで表示している。
西さんのブログ更新は、私のTwitter(@noya_momose)やFacebookページ『防災三昧』で自動投稿している。
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