探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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スピリチュアル・サンクチュアリ


江原啓之さんが日本全国のスピリチュアル・サンクチュアリ、つまり霊的聖地を紹介する本だ。『Hanako WEST』特別編集として企画されたもの。
江原さんはテレビに頻繁に出演して、若い女性や奥様族の間で特に人気が高い霊能者だ。霊能者と呼んで抵抗があるならば、スピリチュアル・カウンセラーだ。まあ、どう呼ぼうと、やってることは変わらないのだが。
この本では、関東、伊勢、京都、奈良、出雲、広島、熊野、九州、そして沖縄に渡って、計40ヶ所以上の聖地を紹介している。
そして、その聖地のほとんどが神社だ。だから本の名前は神社案内とでもできるのだが、中には首里城斎場御嶽のような神社の範囲に入れられないところもあるので、サンクチュアリなのかもしれない。
たとえば関東では、高尾山、氷川神社浅草神社、西へ行って伊勢神宮、奈良の大神神社、熊野三社、京都のおなじみの神社たち、出雲では出雲大社、八重垣神社、九州では高千穂神社などなど。
これらの聖地を見ると、出雲系の神社が多いことに気づく。これは、江原さんの守護神がスサノウだと書かれていたことで、納得した。中でも江原さんにとってナンバーワンの聖地が、出雲の須佐神社なのだという。もちろん、スサノウを祀った神社だ。

やっぱり霊能者が日本の有数の聖地を行くのだから、必然的に不思議なことが起こる。たとえば、たとえば九州のある神社では、蛇のお迎えに遭った。こういうのを読むと、嬉しくなる。自分も同じような体験があるからだ。たとえば、丹波の籠神社へ行ったときに、トカゲの「お迎え」と蛇の「お見送り」に遭遇した。
そして、最大の不思議は、どこでも雨がついて回ったということだという。しかしお参りが終わって、御神霊の意志を受け入れると、不思議と雨が上がって晴天になるというのだ。
私事でいうと、聖地と呼ばれるところへ行くと、それまで雨が降っていたりしても、着いたとたんにやんでしまったりというような体験を数多くしている。だが、いつもそうかというと、そうではなく、たとえば江島神社である特別な「儀式」を行った時には、それまで小雨が降っていたのが、儀式が終わった頃に晴れていたという経験をしているので、江原さんのいうことも受け入れられる。

本の全般は上記のような聖地の紹介だが、後半部分にも参考になるような情報が多い。たとえば、これはHanako族たちのために特に書かれたものだろうが、神社での基本的なお参りの仕方など。たとえば神社の境内では通路の真中を歩いてはいけないということを、どれだけの人が知っているだろうか。理由はもちろん「神さまの通り道だから」だ。以前にある心霊研究家が書いていた本で、某霊能者と一緒に神社を訪れたら、その人が誰も歩いていないのに急に道を譲るような動作をしたので、聞いてみると、「いま神さまが通られたので」と言ったという。
あとは、心理学者の伊藤明氏との対談などもある。それから「旅をパワーアップさせる10の法則」、「あなたの願いを導くスピリチュアル・サンクチュアリ案内」といった記事もあるが、これらはもちろん女性を対象として書かれている。
江原さんが書いていることを読んで「いいことを言っているな」と思うことが多々ある。特にこの本では、沖縄の聖地の部分でそう思った。たとえば首里城の城内に立ったときには、太古のパワースポットであるはずなのに、心の中では「申し訳ない」という思いでいっぱいだったという。
私自身も、首里城だけでなく、南部戦跡などを訪れたときでも、心の中は同じ気持でいっぱいだった。戦時中に本土の人間たちが沖縄の人々に対してどれだけ酷いことをしてきたかを思えば、同じ本土の人間として恥ずかしくなってくる。
それに首里城は、その下に地下壕があって、多くの人々が戦争の犠牲になったという歴史があり、そういう土地の上に立っているのだから、そこに立ってそういうことを何も感じない霊能者がいたら、大したことがない人だろう。
最後に江原啓之さんについて個人的な感想を少し。あまりテレビというものを見ない人間だが、数年前にはじめて江原さんが出演している番組を見て、「この人はそんなにインチキくさくない人だな」と思ったことを覚えている。その時なぜか、この人はキリスト教系の霊能者ではないかと勝手に思ってしまったのだが、江原さんの家には聖母マリアなども祀られているので、あながち誤りではなかったかもしれない。

この本の付録として、「スピリチュアル・サンクチュアリ・カード」というのがついている。この本に登場する15ヶ所の聖地の写真がカードになっていて、自分に合う聖地はどこかを、トランプをやるような感じで簡単に調べることができる。
自分でやってみると、埼玉県の氷川神社が出た。近いところでもあるし、一度訪れてみることにしたい。
というわけで、スピリチュアルな世界に目覚めたい人には、980円払う価値は十分ある本だろう。


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