先日読み終えた本を紹介します。
『仏教の中のユダヤ文化』、久保有政、学研
仏教の中のユダヤ文化―聖書から見た釈迦の教えと聖徳太子伝説 (ムー・スーパーミステリー・ブックス)
- 作者: 久保有政
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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ムー・スーパーミステリー・ブックスなんて、恥ずかしくて書店で買えないという人もいるでしょう。
だから私はAmazonで買いました(?)
でも内容は至ってマジメです。
著者はこのブログで何度も紹介していますが、古代イスラエルの失われた十支族が古代日本に渡来した可能性を研究していいる、キリスト教系の人です。
この本では、仏教というものは釈迦のオリジナルの教えではなく、使途トマスがインドへ渡って広めたキリスト教思想がかなり入り込んでいると主張しています。
それが日本にもたらされて、聖徳太子や秦氏が受け継いでいったのだといいます。
その主張するところをピックアップしてみます。
- 2世紀のインドで馬鳴(めみょう)が著した釈迦伝や仏賛にはキリスト教思想が多く混入している。
- イエス伝とシャカ伝には共通点が少なくない。→処女懐胎伝説、イエスの洗礼とシャカの洗身、両者の修行と悪魔の誘惑…
- 『法華経』特に「寿量品」は『ヨハネの福音書』の思想によく似ている。
- 景教は7世紀にはチベットに入っていて、チベット仏教にも大きな影響を与えた。
- 中国の道教の一派の創始者である呂祖(りょそ)の伝記には、イエスが行った奇跡と同様の行っている個所が多い。
- 空海が唐で居住した長安の同じ居住区に、大秦寺という景教の寺があり、空海がサンスクリット語の教えを受けた般若三蔵も景教に心酔していたため、空海もキリスト教に関するかなりの知識を得た。
- 真言密教の儀礼にはキリスト教のそれに似た点が見られる。→灌頂(かんじょう)=洗礼、儀式の初めに十字を切る。
- お盆はユダヤ教で7月15日に行う仮庵(かりいお)の祭などで先祖のために祈るユダヤ人の風習が中国にもたらされたもの。
- 戒名の風習も本来の仏教になく、本来は景教の風習だった。
- 数珠も焼香もユダヤ教→景教と伝わった。
- 中国の慈母観音、日本の子安観音の起源は聖母マリア。
- 聖徳太子は実は仏教推進派ではなく神道(=キリスト教)を重視していた。太子にはマル・トマという景教徒のブレーンがいた。
- 平安朝半ばに藤原兼輔(かねすけ)が書いた聖徳太子伝にある太子生誕物語は、福音書のルカ伝とそっくりそのままの順序で書かれている。
- 観音信仰は、インドで東方キリスト教徒が広めたメシアとヒンドゥーの神観念が結合して生まれた。
- 東大寺・修二会の声明は、東方キリスト教会に伝わる礼拝音楽にそっくり。
- 雅楽はペルシャから伝わった景教の音楽である。
以上のようなことは、どれも本当だったら大変なことではあるけれど、そのまま鵜呑みにはできず、裏を取らなければならない部分も多いでしょう。
その多くは、いわゆる古代イスラエルの失われた10支族とは別に考えなければならないものです。
こういうルートでも、たとえ間接的にでも、ユダヤ教やキリスト教の影響が日本にもたらされているのだということになります。
この本をきっかけに、さらに探求を続けることにします。
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買うかどうかはわかりませんが。
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