この記事では、ロックの吟遊詩人ボブ・ディランの曲の訳詞を紹介する。
その前に、まず東日本大震災による福島原発の事故のこと。
この事故をきっかけとして、日本は変わらなければならないと思う。
原発依存の電力供給からオールターナティブな道を探求する必要性を感じる。
戦争での核兵器の使用によるものでも、
核の「平和利用」によるものであっても、
間違えば大惨事になって多くの犠牲者を出すという点では、
結果は同じだ。
政府、自治体、企業などが本気になって激甚対策を考える必要がある。
「A Hard Rain's Gonna Fall」
ボブ・ディランが核戦争のことを歌った『A Hard Rain's Gonna Fall』(激しい雨が降る)という曲がある。
福島原発の事故が大惨事につながる可能性を考えていて、この曲を無性に歌いたくなってきた。
日本人にも理解してもらえるように。
それで、急遽訳詞して歌うことにした。
この曲は、1970年のバングラデシュのコンサートでも歌われて、公開された映画でも見たことを覚えている。
核戦争のことを歌った歌だ。
1962年に書かれて以来、多くのアーティストたちによってカヴァーされてきた。
ジョーン・バエズ、リオン・ラッセル、ブライアン・フェリー、ナナ・ムスクーリ、メラニー、etc。
ブライアン・フェリーのカヴァーはコミカルタッチで、ちょっと違うんじゃないかと思ったものだが。
ディランのオリジナルを、YouTubeから貼りつけておく。
訳してみた
ディランの曲を訳詞するのは、今まであまりなかった。
ひとつには、この人の曲は難解だというのがある。
英語的に難しいというのではなく、何を言いたいのか真意を汲み取るのが難しいところが多いということ。
数日前から訳詞を始めて、今日いちおうひと通り訳し終えた。
それを、このブログで紹介することに。
近いうちにYouTubeで歌って披露したい。
何分、やっつけ仕事で訳詞したもので、おかしなところもあるかもしれない。
お気づきの点があればご指摘ください。
YouTubeのディランの原曲を貼りつけておくので、聴きながら読んでください。
◎Bob Dylan - A Hard Rain's A-Gonna Fall
激しい雨が降る (A Hard Rain's Gonna Fall)
Words & Music by Bob Dylan (1962) 訳詞:Noya(百瀬直也)
どこにいたの 青い目の子よ
どこにいたの 可愛い息子
12の霧の深い 山でつまづいたよ
6つのハイウエイを 這って歩いたよ
7つの悲しい 森に入って行ったよ
12の死んだような 海にたどり着いたよ
墓地の入口まで 1万マイル歩いたよ
激しい、激しい、激しい、
激しい、激しい雨が降るよ
何を見たの 青い目の子よ
何を見たの 可愛い息子
赤ん坊が狼に 囲まれていたよ
ハイウエイにもダイヤモンドにも 誰もいなかった
血が滴った 木の枝を見たよ
血のハンマーを持った 男たちが部屋にいた
白い梯子が 水で浸かっていたよ
舌がいかれた人たちが たくさん話してた
拳銃や剣をもった 子供たちを見たよ
激しい、激しい、激しい、
激しい、激しい雨が降るよ
何を聞いたの 青い目の子よ
何を聞いたの 可愛い息子
雷が警告のように 轟いていたよ
世界を溺れさすような 波の轟音と
手が燃えている 百人のドラマーたち
千人が呟く声は 誰も聞いてなかった
一人が飢え死ぬのを みんなが笑っていた
ドブにはまって死んだ 詩人の歌を聴いた
路地裏で叫ぶ 道化師の声を聴いた
激しい、激しい、激しい、
激しい、激しい雨が降るよ
誰に会ったの 青い目の子よ
誰に会ったの 可愛い息子
死んだ子馬のそばにいた 子供に会ったよ
黒い犬と散歩する 白人男に会ったよ
体が焼けただれた 若い女に会ったよ
若い娘に会って 虹をもらったよ
恋に傷ついた 男に会ったよ
別の男は 憎しみで傷ついて
激しい、激しい、激しい、
激しい、激しい雨が降るよ
何をするの 青い目の子よ
何をするの 可愛い息子
雨が降る前に 帰って来たい
深く暗い森の 中に入って行くよ
たくさんの人たち でも手には何も持ってない
毒の錠剤は 水で溢れている
谷の家は小汚い 刑務所に合っている
死刑執行人の顔は いつも隠れてる
飢えは醜く 魂は忘れられ
色は黒くて 番号はなくて
教えて、考えて 話して、息をする
山から写して 魂がみんな見れて
沈むまでずっと 海の上に立っていよう
歌を歌う前から それをずっと知っている
激しい、激しい、激しい、
激しい、激しい雨が降るよ