大きな被害が出てしまった西日本豪雨では、200人以上の犠牲者が出てしまったが、大きな被害が出た土地は、「ハザードマップの通りだった」と言われる。
だが、実際のところはそう単純でもなく、人間の思惑がらみの嫌な事実が関係してくることがわかった。
私も自分が住む地域のハザードマップをチェックしてみた。
その結果を紹介するとともに、実際は「想定」通りにならない可能性も含めて、本当の意味での「防災」とは何かを考えてみたい。
【目次】
ハザードマップ通りだったとは言えない部分も
住宅地が大規模冠水した岡山県倉敷市真備町では、洪水ハザードマップの「洪水浸水想定区域」と被害が概ね一致していたことで評価を上げた。
だが、専門家からは「ハザードマップの危険情報はザルであり、鵜呑みにしたら逃げ遅れる」との声も出ている。
いったい、どういうことなのだろうか?
真備町では、1972年や1976年にも大規模浸水が発生して大きな被害が出た。
そのため、倉敷市はハザードマップで危険性を呼び掛けていた。
立命館大学環太平洋文明研究センター教授・高橋学氏(災害リスクマネジメント)は、以下のよいうに分析する。
今回の豪雨災害で問題視すべきは、ハザードマップで注意喚起されなかったエリアだという。
高度成長期に宅地造成が一気に進んで、災害に弱い地域でも、住宅地が広がってしまった。
だが、自治体や地域住民は、地価が下がるために災害リスクの指摘を嫌がった。
人の命をなんだと思っているんだと、怒りがこみ上げてくる。
避難所が安全でない土地にあるという矛盾
一方で、避難場所に指定される学校や公民館などの公共施設は、用地買収コストが低い土地、つまり「災害リスクが高い土地」に建てられることが多くなってしまった。
子どもたちの命を護るためにも最優先にすべき小学校などの避難場所が、安全な立地に建っていないという、矛盾した状態になってしまったのだ。
このため、住民も結果的に、自分たちの首を絞めることになってしまったのではないか。
そういえば、岡山県の知り合いが、一度避難した場所が浸水の危険が出たため、他の避難所へ移動せざるを得なくなったということを聞いていた。
ハザードマップが信頼できないこともある理由
上記のことは、土地の値下がりを懸念して、たとえ危険であっても、ハザードマップに載らない場所があることを意味する。
このような事情もあって、被災した人々の中で、ハザードマップなど知らないとか、真剣に見たことはなかったという人が多数を占めていたという。
これでは、何のためのハザードマップかわからない。
自分が住む土地の不動産価値が下がるのを嫌い、その土地の真実の災害リスクがわからなくなってしまう。
あまりにも愚かな行為ではないか。
そのために家族が命を失ったら、その時に初めて後悔するのだろうか。
洪水ハザードマップ
ハザードマップが信頼できない場合もあるからといって、参照すべきではないということにはならない。
前述のように、真備町では、ハザードマップの通りに浸水被害が出てしまったのだ。
洪水ハザードマップは、全国各地の市町村で作成され、公開されている。
たとえば、東京都の各市区が公開しているものは、下記の東京都のサイトに集まっている。
洪水ハザードマップ(東京都)
小平市花小金井の洪水ハザードマップ
私は小平市花小金井6丁目の一戸建て(借家)に住んでいる。
そこで、小平市の洪水ハザードマップをチェックしてみた。
下記のマップは、ハザードマップから私が住む花小金井の周辺を抽出したもの。
ここで、ピンク色の丸で囲ったのが、私が住むところ。
色分けによって、0.2mから2m以上浸水する恐れがある地域を示している。
私の家の周囲(半径100m以上)では、色がついたところはまったくない。
西武新宿線の線路の向こう側には、多少黄色のエリア(0.2~0.5m)がある程度だ。
だからといって、まったく安心することもできないことは、前述の通りだ。
小平市の洪水ハザードマップを見ると、小学校などの公共施設のあたりで、黄色・緑色が目立つように思う。
たとえば、上記マップで見えるところとしては、小平第三中学校、花小金井小学校がある。
三中は、龍矢(息子)が進学するかもしれない学校なので、他人事ではない。
これは、やはり公立学校を建てるような土地は、災害リスクがあるために安価な土地だということなのだろうか。
そうだとすれば、大きな問題だろう。
そのほか地震などのハザードマップ
洪水の他に、土砂災害・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを示すハザードマップが、下記の国土地理院のポータルサイトに集められている。
disaportal.gsi.go.jp
各市区町村で、震度被害、地盤被害、地盤被害(液状化)、建物被害、火災被害、その他被害、総合被害といったマップを参照できるようになっている。
だが、小平市は、どのマップも登録されていないようで、残念だ。
ゼロメートル地帯
例として、東京都23区の江戸川区を見ると、上記すべてのハザードマップが公開されている。
そのうち、「地盤被害(液状化)マップ」を開いてみた。
下記は、江戸川区の南部分のマップだ。
左部分は隣の江東区が含まれている。
これを見ると、液状化被害が出る可能性が高い地域(ピンク色)が非常に多いことに驚かされる。
では、江戸川区の洪水ハザードマップはどうかというと、南部分は下記のようになっている。
こうして見ると、液状化現象が起きる可能性が高いところは、洪水被害の可能性も高い(青色)ことがわかる。
今日のテレビ朝日『ワイドスクランブル』でやっていたが、江東区のゼロメートル地帯は、最高で4mくらいの浸水被害が想定されているという。
4mというのがどのくらいか、下記の写真を見ればよくわかる。
【洪水被害】今日のテレビ朝日系『ワイドスクランブル』で、江戸川区のゼロメートル地帯では、最高で4mの浸水被害が想定されていると。川の水面より低い土地に多くの人々が住んでいるわけで、堤防が決壊したら大惨事となる。詳細は探求三昧ブログで。#浸水被害 #洪水 #堤防決壊 #江戸川区 #ゼロメートル地帯
ビルの2階の床よりも高く浸水するわけで、こんなところには住んでいられないと思っても、持ち家がある人はそう簡単にはいかない。
人々が語る「防災」についての違和感
ネット上で人々が「防災」について語るとき、その多くの場合に、私は非常に違和感を感じる。
それは、「防災」というと、「食料の備蓄」などを優先して考えている人が多いということ。
だが、自分が思うに、それは最優先で検討すべきことではないだろう。
そのようなことは、あくまでも「自分の命が助かった場合」という条件付きのものだ。
最優先で考えるべきことは、その「自分の命がいかにして助かるか」ではないだろうか。
日本人の多くは、「どうすれば自分や自分の家族が助かるか」という検討が抜け落ちている。
それでいて、自分の命は助かるだろうと信じているのは、ご都合主義だ。
やはり、日本人の多くは「正常性バイアス」から逃れられない。
今回の西日本豪雨の被害を見ていても、それを強く感じたものだった。
日本人、豪雨の警報が出ても逃げようとしない人が多く、「正常性バイアス」ありすぎ。食料備蓄以前に「生き残る」ことに全力を尽くすべきで、「自分は絶対助かる」と根拠なく盲信することを止めないと。#西日本豪雨 #豪雨 #浸水 #正常性バイアス #生き残る #サバイバル #盲信 #LINE #食料備蓄 #備蓄
スピ的観点からすると、神仏に手を合わせるのは正月に初詣へ行くぐらいで、自分は神仏の存在もあまり信じていないというような人に「神助」があるとは、あまり思えない。
私が神仏ならば、自分以外の人々の幸せを祈ったり、各地の災害鎮静を祈って聖地巡礼するような奇特な人がいたら、本人がまったく祈らずとも、その人を護るだろう。
たとえば、スズさんがやっているような御札流しを人知れずやっているような人ならば、そうなるかもしれない。
まとめ
結論として、ハザードマップについていえば、自分が住む土地のハザードマップは絶対に参照すべきだが、その内容を信用しすぎてもいけないということ。
不動産を購入する際には、このような災害リスクを最優先でチェックすべきことは、数十年前と違って今は常識だろう。
だが、災害リスクなどはアテにならないことがあるから、正確な情報は自分自身で「探求」するしかない。
本当に嫌なことだが、それが今の「世の中の仕組み」だから仕方がない。
(最大のアイロニーを込めている)
そういう「世の中の仕組み」を作ってきたのは、われわれ国民なのだ。
【参考】
しろ子の運動量・体感など
しろ子の運動量は、以下の通りで、少なくなった。
だが、下記の通り、昨日の2451回に対応する地震に要注意だ。
【ハムスター】7/13朝、カウンター値:391。少なくなったが昨日は2千超えで地震に注意。 @kokanranger 報告 #hamster #ハムスター地震予知 #ハムスター #ジャンガリアンハムスター #地震予知
私の昨日のピー音の耳鳴り2回に対応する地震がまだ起きていないようだが、もしかすると、昨日7月12日17時39分の宮城県沖M4.8、最大震度3の地震だったのかもしれない。
そうでなければ、関東で有感地震が1日半ほど起きていないので、注意が必要かもしれない。
今日はスーパームーン新月+部分日食で、今のところ世界・日本で大きな地震は起きていないようだ。
…と思ったら、記事を書いているうちに、ヴァヌアツ(バヌアツ)でM6.4の地震が起きていた。
小笠原諸島でもM5前後の無感地震が起きているので、ジワジワと北上するかもしれない。
今日以降も、数日は要注意だ。
前回のスーパームーン新月(日食なし)では、その4日後に大阪北部地震が起きてしまった。
もっと重ねて警告すべきだったが、いまから反省しても遅いだろう。
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