探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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【地震予知】日向灘M6.3の地震は南海トラフ巨大地震の前兆か?+「5月11日に大地震」は起きない


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今朝起きた日向灘のM6.3等の地震で、マスコミが予想以上にシリアスに取り上げたこともあって、このブログを訪れる人々も最大の関心事だろうことを説明する。
それは、今日の地震が「南海トラフ巨大地震の前兆か?」あるいは、そこまで行かなくても、「南海トラフ巨大地震と何らかの関係があるのか?」ということだ。


「5月11日に大地震」?

まず、本題に入る前に、厄介な問題を簡単に片づけておく。
SNSで、心配な人から質問されたので、再度強調しておく。

たまたま日向灘でM6.3の地震が起きたばかりなので、特に女性では心配している人が多いようだ。
それは、「5月11日に大地震が起こる?」というネット上に流れる噂だ。

毎日読みに来てくれる方々には、くどくなってすみません。
この件については、下記の4/24の記事で書いているので、気になる方は読んでみてください。

今日の日向灘の地震が明日起きていたら、もっとややこしい話になっていたかもしれない。
「ほら、やっぱり大きな地震が起きたじゃないか」と。
いつもしつこく書いているように、日にちまで指定した大地震の予言などが歴史上で当たったためしはなく、それがあるとすれば、それこそ「人工地震」だ。
今日くらいの地震で、まさかその話を持ち出す人はいないだろう。

日向灘M6.3最大震度5強

私は一応地震前兆研究家と名乗っていて、またプロブロガーでもあるので、ありきたりの解説では読む方々を満足されないだろう。
今朝の日向灘を震源とするM6.3他M4~M5クラスの地震については、下記の今日の1本目の記事で紹介した。
ここでは、私や多くの人々が「眠気」などの体感を得ていたことも書いている。

フッガービーツ氏の予測が的中か?

オランダの地震予知研究家フランク・フッガービーツ氏が5/11までにM6台後半~最大M8の地震を予測していることは、下記の5/8の記事で書いたとおり。

規模は小さめだったが、今朝の日向灘の地震もその予測の範疇だったのかもしれない。


場合によってはM8の巨大地震も世界のどこかで起きえると言っているので、今後も注意が必要だ。

南海トラフ巨大地震との関連

今朝の日向灘M6.3などの地震は、南海トラフ巨大地震の想定震源域で発生した。
なので、即座に南海トラフ地震と結びつける人が多くても無理はなく、その関連性をネット上で指摘する程度ならばデマゴギーと決めつけられない。

この地震に対して気象庁が発表した見解は、「直ちに南海トラフでの巨大地震につながるものではない」というもの。
こういう表現を使われると、3.11の原発事故の後で当時の枝野官房長官が「今回の出荷制限の対象品目を摂取し続けたからといって、直ちに健康に影響を及ぼすものではありません」と発表したことを思い出し、複雑な想いになる。

今回の気象庁の見解には「『直ちに』を取ったらどうなんかい?」と突っ込みを入れたくなってくる。

また、気象庁担当者は、今日の会見で「今回のようにM6・0以上の地震が発生した後、より規模の大きな地震が発生した事例はない」と指摘した。

気象庁では、南海トラフ巨大地震の想定震源域でM6.8程度以上の地震が発生した場合、巨大地震発生との関連を調査することにしているという。
そして、「今回は規模がそこまででなく、調査を始めるかどうかの検討もしなかった」と語った。

この見解には、たしかに良い着眼点である部分もある。
後述する私のデータでも、M7以上の規模の時に、その後に大地震が起きることが多いからだ。
もっとも、すべてがそうだとも限らず、あくまでも傾向だが。

地震学者の見解

名古屋大学の地震学・火山学者・山岡耕春氏は、今日のNHKテレビのニュースに出演し、もう少し規模が大きい地震だと南海トラフ巨大地震を誘発する可能性は大きい旨の見解を語っていた。

これは、このニュースを見る前から私が考えていたことに近い。
私の場合は、後述する自分なりのデータ解析の結果として、それを導き出したのだが。

東大教授も激怒??

それから、今日の地震が起きて早々に、いつもながら素早くTOCANAの記事が出た。
しかも、『【緊急警告】今朝の宮崎地震は「南海トラフ巨大地震」前兆の可能性大! 東大教授も激怒、関連を否定した政府は大罪だ!』と波紋を呼ぶタイトル。

「激怒って誰が?」と思って読んだら、あのゲラーさんだった。
常日頃、「地震予知は不可能」と語ってネット上で「御用学者」呼ばわりされている人だ。
その東大教授が、こういうツイートをしている。

この人に、初めて(部分的に)共感を覚えたかもしれない。
たしかに、今日の気象庁の見解には「決めつけ」と言われても仕方ないニュアンスがあった。

この人が言いたいことをもっと柔らかく言うと…「南海トラフ地震とつながりがないなんて断言して、あんた神さまかいな?」
地震という破壊活動が起きる・起きないは、最終的には「神の領域」だろう。

今日の気象庁の見解は、日本の一番トップからお達しでも出たんかいな?と勘繰られても仕方ない物言いだった。

TOCANAの再掲記事

ところで、上記のTOCANAの記事は、私が2014年に執筆した記事の再掲だった。
5年も前に書いたものなので、気恥ずかしい部分がある。
地震関係の研究の経験も今ほどではなかったこともある。


一応リンクは張っておくが、最近の私が書いていることと異なる部分があれば、それは「5年の間に進歩があったんだな」と捉えてください。;;

過去の日向灘地震と前後に起きた大地震

以下に、19世紀後半以降に日向灘で発生したM6クラス以上の地震と、その前後に起きた大地震のデータを示す。
【凡例】赤字:南海トラフ巨大地震、青字:日向灘で起きたM6クラスの地震

1899年11月25日 日向灘 - M7.1。
1900年05月12日 宮城県北部 - M7.0。

1931年11月02日 日向灘、- M7.1。
1933年03月03日 昭和三陸地震(三陸沖地震) - M8.1。大津波。

1939年03月20日 日向灘 - M6.5、最大震度4。
1939年05月1日 男鹿地震 - M6.8、最大震度5。犠牲者27人。

1941年11月19日 日向灘 - M7.2。津波1m。
1943年06月13日 青森県東方沖 - M7.1、最大震度4。
1943年09月10日 鳥取地震 - M7.2、最大震度6。犠牲者1,083人。
1943年10月13日 長野県北部 - M5.9、最大震度4。
1944年12月07日 昭和東南海地震 - M7.9、伊豆から紀伊に津波。

1960年03月21日 三陸沖 - M7.2。
1961年02月27日 日向灘 - M7.0。

1968年02月21日 えびの地震(九州南部) - M6.1、最大震度5。
1968年04月01日 日向灘地震 - M7.5、最大震度5。
1968年05月16日 十勝沖地震 - M7.9、最大震度5、5mの津波。犠牲者・行方不明者52人。
1968年05月16日 青森県東方沖 - M7.5、最大震度5。
1968年06月12日 三陸沖 - M7.2、最大震度4。
1968年10月8日 小笠原諸島西方沖 - M7.3、深さ460km。最大震度3。

1984年01月01日 三重県南東沖 - M7.0、深さ388km、最大震度4。
1984年03月06日 鳥島近海 - M7.6、深さ452km、最大震度4。
1984年06月13日 鳥島近海 - M5.9、深さ0 km、最大震度1。八丈島で130~150cmの津波。津波地震。
1984年08月07日 日向灘 - M7.1、最大震度4。
1984年09月14日 長野県西部地震 - M6.8、最大震度4。犠牲者・行方不明者29人。

1987年03月18日 日向灘 - M6.6、最大震度5。
1987年05月07日 日本海北部 - M7.0、深さ463 km。最大震度2。
1987年12月17日 千葉県東方沖地震 - M6.7、最大震度5。犠牲者2人(関東で戦後初の被害地震)。

1996年12月03日 日向灘 - M6.7、最大震度5弱
1997年05月13日 鹿児島県北西部地震 - M6.4、最大震度6弱。

2014年07月12日 福島県沖 - M7.0。最大震度4。
2014年08月29日 日向灘 - M6.0、最大震度4
2014年11月22日 長野県神城断層地震 - M6.7、深さ5 km。最大震度6弱。

2019年05月10日 日向灘 - M6.3

こうしてみると、日向灘で大きな地震が起きると、その後にフィリピン海プレートが沈み込む西日本で大地震が起きる傾向があるといえるかもしれない。
M7クラス以上となると、その後にフィリピン海プレート上に限らず、関連の有無は別として、東日本の東北や北海道でも大地震が起きている。

今回のようにM6クラスでは、特にフィリピン海プレート内の大きな地震をしばらく警戒した方が良いかもしれない。
今後にM7以上の地震が起きた場合は、それに加えて日本海溝沿いの大地震の可能性も視野に入れておいた方が良いだろう。

南海トラフ巨大地震の前兆か?

冒頭のアイキャッチ画像でも示したが、参考までに、過去1900年以降に日向灘で起きたM6以上の地震の震源を下記のGoogleEarthマップで示す。
また、過去の南海トラフ巨大地震の震源も示している。

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今日の地震の震源を見ると、その周辺では過去にM7クラスの大地震が集中して起きている。
だが、細かく見ると、それらの空白域で起きた地震であるようにも思えてくる。

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次に、1944年から1946年の日向灘での有感地震(震度1以上)と、過去3年間の日向灘での有感地震の数を比べてみた。
前者は、昭和南海地震が起きる前の3年間ということで抽出している。


まず、1944年~1946年の有感地震は下記の通りで、27件だった。

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次に、2017年~2019年の有感地震は以下の通りで、88件だった。

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つまり、昭和東南海・南海地震が発生する前の3年間よりも、現在の方がずっと多くの地震が日向灘で起きているということだ。
これはやはり、南海トラフ巨大地震の足音が近づいているということ?
そう単純な比較はできないまでも、一つの参考にしていただきたい。

日向灘でより大規模の地震はあるか?

木村政昭・琉球大学名誉教授は、下記の自サイトで公開しているように、日向灘大地震を「2014±5年 M7.5」と予測している。


やはり、今日以上の規模の地震が日向灘で起きる可能性を考えておくべきだろう。
この記事のまとめを書くと、今朝のM6程度では南海トラフ巨大地震の前兆とはっきり言えないが、今後M7規模以上が起きるならば、更に警戒が必要になってくるだろうと。


現在は黒潮大蛇行が発生中のため、自説によれば、終息するまでは南海トラフ巨大地震の発生はない(可能性が非常に高い)ことになる。


気象庁によると、今後1週間くらいは今日の地震と同規模つまりM6クラスの地震が起きえると言っている。


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