6月26日に東海大海洋研究所と静岡県立大のグループが、リュウグウノツカイなど深海魚の出現が地震の前兆である可能性を否定する研究結果を発表したが、マスコミの報道がそれに同調する中で、今日TOCANAに掲載された私の執筆による記事では、それに真っ向から反旗を翻した。
米カリフォルニアM7.1の地震の3週間前にもリュウグウノツカイが座礁していたが、この問題はそう易々と「迷信」と片づけるには無理があることを紹介している。
- 「深海魚は地震前兆」は迷信???
- TOCANAの記事
- データ抽出の方法に問題はなかったか?
- 米カリフォルニアM7.1の地震には前兆と予言があった
- 北米プレート←→の大地震の連鎖
- カリフォルニア「Big One」はこれから!?
「深海魚は地震前兆」は迷信???
今日TOCANAに掲載された記事、元々は東海大海洋研究所と静岡県立大のグループによる、深海魚は地震前兆ではないとする対する反論をメインにするつもりだった。
だが、編集部の意向もあってあれもこれもと詰め込んで、長くなってしまった。
編集者にお任せしますと原稿を送ったが、殆ど圧縮されなかったようで、良かった。
非常に重要な内容が多いので。
TOCANAの記事は、『【警告】「今週、11%の確率で巨大地震が発生する」米で地震学者が警鐘! 深海魚も打ち上がって本気でヤバい兆候!』と題したもの。
TOCANAの記事
東海大などの研究に対して、地震学者諸氏のうちで反論する人が少しはいるのではないかと期待していたが、現時点では誰もやってくれない。
そこで自分が…ということでTOCANAにネタ出しした。
まず、下記のTOCANAの記事を読んでみてください。
データ抽出の方法に問題はなかったか?
この記事で書いたように、これまで自分が地震前兆研究家として研究してきてわかってきつつあることを前提とすると、このグループの研究結果には、色々と疑問点がある。
その多くは、統計データの抽出方法にある。
私が持っている疑問点をまとめると、以下のようになる。
・地震の規模を「M6.0以上」に限っているが、「大地震」とは限らず、M4程度の場合もある。
・深海魚の発見から地震発生までの期間を「30日以内」としているが、宏観異常現象のうちの動物の異常行動は、大規模な地震(M7.0超など)の場合、数カ月前から前兆現象として現れる傾向にある。
・「半径100km以内が震源となった地震」としているが、実際はM7.5~8超のような巨大地震の場合は、数百キロの距離でも前兆現象が発現する傾向がある。
・日本海(特に冬季)における深海魚の出現の多くでは、その後に地震が起きていないため、データから除外するなどの検討が欠けている。
・深海魚をひとまとめにしているが、種類毎に統計を取れば異なる傾向が発見されるのではないか。
要するに、この研究は「やっつけ仕事」的であり、上記のようにデータ抽出の方法をとっても、慎重な検討がなされていないように思われるのだ。
米カリフォルニアM7.1の地震には前兆と予言があった
日本時間7月5日午前2時33分、米国カリフォルニア州南部サンバーナーディーノ郡の砂漠地帯で、M6.4の地震が起きた。
翌日7月6日午後12時19分には、その近くでM7.1の地震が発生し、大きな被害地震となった。
その3週間前の6/14にカリフォルニア湾内のバハ・カリフォルニアでリュウグウノツカイが見つかったが、震源からの距離は約600kmほどあった。
この点が前兆現象とするには問題があるが、下記のデータで示すように、M7超の規模の地震の場合は、この程度の距離でも過去にはリュウグウノツカイが捕獲されているケースがあるため、あり得ると判断した。
仮説としては、このような巨大地震の場合は、そのくらい距離が離れたところでも、深海の生物は前兆現象に反応して異常行動を取ることがあるという前提となる。
北米プレート←→の大地震の連鎖
トカナの記事では書かなかったが、7/5のブログ記事では、この数百年でカリフォルニアで大地震が起きた前後に日本あるいはリング・オブ・ファイア上で起きた地震を並べてみた。
それを、以下に再度示す。
1699年秋-1700年:カリフォルニア州、カスケード地震。日本に津波。
1700年04月15日:壱岐・対馬地震 - M7.3。
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1812年12月07日:文化神奈川地震 - M6.4、東京湾、犠牲者多数。
1812年12月08日:カリフォルニア州南部、サンワンキャピストラーノ - M7.5、犠牲者50人。
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1855年11月11日:安政江戸地震 - M7.0 - 7.1、犠牲者4,700 - 1万1,000人。
1856年08月23日:安政八戸沖地震 - M7.5 - 8.0、津波、犠牲者29人。
1857年01月10日:カリフォルニア州南部、フォートテフォン - M8.3。
1857年10月12日:伊予・安芸 - M7.2。
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1989年05月23日:ニュージーランドと南極の間 - Mw8.0。
1989年10月17日:アメリカ、カリフォルニア州ロマ・プリータ地震 - Mw6.9、犠牲者62人。
1989年11月02日:三陸沖 - M7.1、津波。
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1992年04月25日:カリフォルニア州Rio Dell - M7.2。
1992年06月28日:カリフォルニア州、ランダース地震 - Mw7.3。
1992年12月12日:インドネシア、フローレス島 - Mw7.8、津波、犠牲者約2,500人。
1993年01月15日:釧路沖地震 - M7.5。
1993年07月12日:北海道南西沖地震 - M7.8、犠牲者・行方不明者230人、巨大津波。
1993年08月08日:グァム島付近 - Mw7.7。
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1994年01月17日:カリフォルニア州ロサンゼルス、ノースリッジ地震 - M6.7
1995年01月17日:兵庫県南部地震(阪神淡路大震災) - M7.3
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2019年07月05日:カリフォルニア州 - M6.4
2019年07月05日:カリフォルニア州 - M7.1
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このように、北米プレート(オホーツクプレート)上で米国西海岸あたりと日本や千島海溝あたりで互いに大地震が連鎖することがある。
特に、東日本では連鎖する確率が高くなると考えている。
カリフォルニア「Big One」はこれから!?
上記の例を見ると、カリフォルニアではM7.1では終わらない可能性も考えたくなってくる。
もしかすると、このブログを米国西海岸あたりから読まれている方もいるかもしれないが、今後も情報を集めて大地震に備えてください。
サンアンドレアス断層で想定されているM8.5以上の巨大地震は当地で「Big one」と呼ばれているが、日本の南海トラフ巨大地震と同様に、いつかは起きるものとして考えなければならない。
また、北米プレート-日本の地震連鎖ケースもあり、さらに再三警告しているように、7月(特に後半)はリシルさんや七曜高耶さんの夢や予感がある。
7/17の部分月食そして8/1のスーパームーン新月の1週間後ころまでは、日本でも大きな地震に注意してください。
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