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古代の光通信


『古代の光通信』(横地勲著、のぶ書房、2004年、1,600円)

古代の光通信

古代の光通信


ネットあることを調べているときに見つけて、即Amazonで注文した。
のぶ書房という、福岡県の地方出版社から出ている1冊。
この書名を見て「えっ!古代に光ファイバー通信網があったの?」と思う人はいないだろう(あたりまえ)。
では何かというと…キーワードは「レイライン」と「鏡」。
そう書いただけでピンと来る人は、ほとんどいないだろう。


いわゆる日本古代の神社や聖山や古墳などが東西南北の方位線上に並んでいたり、春分秋分の日の出・日没線上に並んでいたりする。
それを著者は「レイライン」と呼ばずに「方位線」と言っている。
そのような正確な位置は、どうやって導き出せたのか。
私は、古代の銅鏡が使われたのではないかと、以前から思っていた。
著者の主張も、その点では同じようだ。


九州や近畿地方では、山や神社などが東西南北八方の方位線上に正確に並んでいることを、著者は発見した。
だが、その方位線では、東西線が1度傾いていた。
1350年前に真東だった方位は、現代では地軸の傾きによって、時計回りに1度傾いているのだ。
この本で、著者の歴史的解釈に関しては、受け入れ難い点も多々ある。
だが、古代方位線に関しては、素晴らしい発見だろう。
巻頭には数ページのカラー写真が載り、また本の体裁も良い。
がんばって欲しい地方出版社だ。


私の「諏訪−鹿島レイライン」の論文も、この方位線の傾きを考慮に入れて、見直さなければならないかもしれない。


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