探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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「俺、持ってるな」


「俺、持ってるな」
これが今年の流行語になるかもしれない。
マリナーズイチローが、WBCの決勝戦で決勝打を打ったときに、そう思ったという。
そのイチローは、今日、日本の野球界のレコードを塗り替えた。
東映(現日本ハム)の張本勲(はりもといさお)選手が持っていた生涯安打数3085本を超えたのだ。

もう一人の天才バッター

張本選手などといっても、若い人は知らないだろう。
どれだけ偉大な野球選手だったかを。
日曜朝の『サンデーモーニング』を見て、「なんだこのオッサン、偉そうなこと言って」と思うかもしれない。
だが、選手時代の業績からすると、「それなり」の人だった。
本当に「天才打者」と言える人は、そう何人もいない。
だが、張本選手は、その一人だったと思う。
ミートが天才的にうまく、流し打ちは芸術的といえるものだった。


日本人選手として初めて、前人未到の3000本安打を達成した。
イチローと違うところは、ホームランも多かったことだ。
年間30本以上を打ったことが5回あった。
そして足も速く、盗塁の数も多かった。
その3000本安打までの軌跡を紹介した映像を見つけた。


その張本氏の記録に並んだ昨日のイチローのヒットも、すでにYouTubeにあった。
タイ記録満塁本塁打というオマケ付きだ。
張本氏はイチローと違ってホームランも打つと書いた。
だがイチロー本人は、ホームランはいつでも打てると豪語する。
ホームランを打つときは、最初から狙っているのだという。
その証拠に、試合前の練習では柵越えを連発する。
ホームランを打つよりも、ヒットを打つ方が好きなのだろうか。
たとえばイチローがセンター返しばかり狙って打てば、もっとヒット数は増えるだろう。
それをやらないのは、野球をやる「面白さ」が減ってしまうからなのか。

在日であること

ところで、張本氏は在日韓国人だ。
母親は身重のまま3人の子を連れて朝鮮半島から日本に渡り、広島で息子を生んだ。
在日であることを、最初から隠さなかった。
多くの有名人が隠し通しているという中で。
ところで、なんで隠すんだろうなと思う。
それだけ、またこの国には「差別」や「偏見」があるということなのか。


Wikipediaの「張本勲」の項で紹介されている王貞治氏との友情についてのエピソードが感動的だ。
それを読んで、胸が熱くなった。

持ってる?

イチローの話を書こうと思っていたら、張本氏の話になってしまった。
そのイチローは、2日連続で訪れた張本氏の目前で、その記録を達成した。
いまを遡ること14年前の1995年のこと。
東京ドームでイチローと顔を合わせた張本氏は、プロ4年目の21歳に対して、こう言った。
「オレの記録を抜くのはお前しかいない」
「何を言っているのか、このオッサンは」と、本人も思ったという。
そのイチローは、張本氏の記録を抜くのが夢だった。
お互い「持ってる」人同士、通じ合うものがあるのだろう。


さて、私は何を「持ってる」だろうか。
なんにも持ってない。
持ってる、持ってないなんて、どうでもいい。
今生では、ただの裏方だから。
明日もその「裏方」として、久々に大洗聖地巡礼に行ってくる。
オトタチバナヒメさまにまた呼ばれたのだろうか。


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