この記事では、地震雲についての基本的な情報を紹介する。
地震に先立つ地下の岩石破壊によってパルス電磁波が生じ、それによって形成されるのだろうと思う。
戸池谷元伺大阪大名誉教授が提唱した説だ。
地震雲は、気象雲の誤認が多く、気象学などの知識がないと判断がむずかしい。
私自身も十分な知識があるとはいえないかもしれない。
鍵田忠三郎氏の研究
8年前に、下記のような記事を書いた。
- これが地震雲だ−雲はウソをつかない
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20041218/jisingumo
下記の本の読書ノートとして書いたものだ。
『これが地震雲だ−雲はウソをつかない』(鍵田忠三郎、中日新聞本社)

- 作者: 鍵田忠三郎
- 出版社/メーカー: 中日新聞社開発局出版開発部
- 発売日: 1980/08
- メディア: 単行本
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この本については、上記の記事を読んでください。
鍵田氏は、日本の地震雲研究の先覚者だった。
上記の記事では、この本に書かれた地震雲の見極め方などについてまとめておいた。
これを加筆したものを、以下に記しておく。
- 形態:青空に細長い白帯雲が普通の形で、太い場合、細い場合、細長い場合、また鎌の刃先のように少し膨らんで見えるものもある。異常に気味悪く膨らんだ蛇のようなのは強い地震の前兆雲。
- 長さ:青空をまたぐような長い白帯は地震が近い(2日以内)ことを示し、短くて長方形に近い雲の場合は4〜5日先と考えてよい。短くても、雲ひとつない晴天に一つだけはっきり力強く線を引いている場合は、相当強い力をもっていて、1週間以内に発震。
- 時間:地震雲が1時間以上も一定の形を青空に維持されていたら近いところに地震が発生する。10分〜20分で消えるようならば500キロ以上の遠いところの地震と見てよい。
- 雲高:約300メートル以下の低い白帯雲は雨の前兆雲で、雨が降ることによって地中浅いところの歪みを調和する。地震雲は約5000メートル以上の高いところに出て、地震によって地中の歪みを調和する。
- 気温:地震の前兆現象として、その地域の気温が上がる。全体の気象の流れの中で、そこだけが異常に気温が高いところ、また不自然に低気圧が居座っているところに地震は起きやすい。
- 雨と地震:雨の前には地温が上昇し、地中の水位が上がり、雨が降る。地震の前に雨雲があり、雨が降りそうで降らない時もある。地震と雨の発生の原因は同じなので、雨の日には地震が少ない。雨が降っても、その調和作用が追いつかない場合には地震が起きることもある。
- 震源の方向と場所:普通は、地震雲の走っている差す方向、または地震雲と直角の後方を震源地とみてよい。震源の深いところの地震雲は乱れて現れる。
- 地震を抑える要因:地震雲があっても他に多くの雲があると力が減殺されて地震は起こりにくくなる。地震雲と交差する形で別の地震雲が出ている場合や、交差しないまでも2つの地震雲の延長が交差する時には、地震が起こらない場合が多い。
空に広がる薄雲は、地震を起こさせまいという力の反映。 - 朝焼け:太陽の昇る地平線がメラメラと炎を高く上げているような真紅や橙色の朝焼けが出たら、その日のうちに地震が起きる。
- 夕焼け:赤とか紫とか、いろいろの色が混じって、言葉では表せないような気味の悪い色の夕焼けも地震の前兆。オレンジ色もある。
- 直下型地震の前兆現象:井戸などの水位の上昇、地温の上昇、静電気の発生などが見られることがある。1時間以上も居座るような地震雲が発生する。碧空に横たわる白・赤・黒・灰色などの蛇のような雲、空が割れたような断層を思わせる異常な黒い雲や、地震の直前(前日)には肋骨状の雲も出る。地震前夜には青白い閃光が震源地方向に見え、大砲のような音が聞えることもある。
- 誤認しやすい雲:地平線近くに見える雲はみな筋雲に見える。
※注意:特に宏観レンジャー(@kokanranger)のみなさんへ
鍵田氏は科学者ではなく政治家だった方で、また地震雲研究の先駆者ではあっても、その研究成果がすべて正しいとは限りません。
上記に挙げた内容で、私自身も本当なのかと疑問に思う点もあります。
あくまでも参考として考えてください。
某TV番組による地震雲の分類
次に紹介するのは、YouTubeに投稿された下記の番組。
ここでは、地震雲を分類した結果、ある傾向がわかったという。
雲の形によって、地震発生の時期がわかるというのだ。
◎地震雲
その分類は、以下のようになる。
筋雲については、ちょっと大雑把すぎるのではないかと感じた。
鍵田説によれば、筋雲でも短い雲だと、1週間前から4〜5日前に出現し、長い雲だと、2日以内に発震するという。
上記のTV番組がまとめた結果と異なっている。
この番組では、故池谷元伺大阪大学名誉教授の実験も紹介している。
この方の研究については、このブログで何度も紹介している。
その割には、なかなか知名度が上がらないが。
さまざまな地震前兆が、地下の岩石破壊によって生じるパルス電磁波によるものだということを研究した先駆者だった。
池谷博士も、地震雲の存在を肯定的に見ていた。
博士によると、電磁波の強さによって地震雲の形が変わるという。
地震雲は科学で説明可能
気象庁などは地震雲の存在を否定しているが、このように、科学的に説明できるものなのだ。
鍵田氏は先駆的な研究をされていたが、その主張がすべて妥当なものかどうかはわからない。
また、あまり科学的とは言えない部分もあった。
科学者らによって研究が継承されてほしいものだ。
既に書いたように、地震雲は素人判断では地震雲か単なる気象雲かの判断がむずかしいことも確かだ。
私もこのブログで、以前は怪しい雲をかなり紹介してしまっていた。
地平線近くの雲を地震雲として写真を紹介するような初歩的ミスも犯していた。
地震雲の研究には、やはり気象学などの知識を得た上で行うことが必須となるだろう。
※鍵田忠三郎氏の『これが地震雲だ』は、その後別の出版社からも発売されています。
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