東日本大震災やその前後にあったM7以上の地震が発生する直前(20分~1時間ほど前)に、上空300Km付近の「電離圏」で、電子の数が増える異常が生じていた。
そのことを京都大の梅野健教授(通信工学)のチームによる分析で判明し、9月30日に米専門誌で発表した。
電離圏とは電子が広がる層で、火山活動や太陽表面の爆発現象である「太陽フレア」によっても影響を受けたりする。
http://mainichi.jp/articles/20161001/k00/00e/040/226000c
このことは、よく知られた事実だが、今回の京都大学の研究により、より確度が高まったといえるようになるかもしれない。
今後の海外の反応も待ちたいところだ。
電離圏と電離層
電離圏について、もうちょっと詳しく解説すると、大気上層のうち、大気の分子・原子が電離して生じた電子とイオンが多量に存在する領域を呼ぶ。
超高層大気では、高度約70Kmあたりから大気の電離度が増え始め、高度が上昇すると電離度は高くなる。
かつては電離層とよんだが、いまは電離圏と呼ばれる。
ちなみに、地中の岩石破壊によって生じるとされるパルス電磁波は、地上に出て上昇し、電離圏で反射して遠くまで伝搬すると考えられている。
電離圏を図示したのが下記の図だ。
「地震予報」も期待できるか
梅野教授は、「現在はパソコンでの分析に時間がかかるが、将来は地震の警報システムに生かせるのでは」と語っている。
天気予報のような「地震予報」の実現も、そう遠くないかもしれない。
もっとも、それは電離圏の電子数に限った話ではなく、ラドン濃度や水位など様々なデータを駆使しての予報になることが望ましい。
やはり、「地震予測」ではなく「地震予知」または「地震予報」というからには、単一の現象だけでなく、複数の現象から地震の発生の可能性を割り出すことが現実的だろう。
太陽フレアとの関係
ちなみに、「太陽フレア」が地震発生のトリガーとなる得ると考えている人が多いが、この点については私は身長な態度を取っている。
この研究によって、太陽活動と地震の関係についても、何かしらわかることがあれば興味深いだろう。
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