NHKニュースより。
山形県の庄内砂丘で、平安時代の未知の大津波の痕跡が見つかった。
山形大学の調査により、高さ30mを超える巨大津波が起きていた可能性を示す痕跡が発見された。
これが津波だとすれば、山形県で起こり得るとされる16mの津波想定を大幅に超える高さとなる。
日本海側の津波の被害想定などを見直す必要が出て来るかもしれない。
以下に、NHKのニュースの内容を紹介する。
大津波の痕跡が見つかる
山形大学・山野井徹名誉教授(地震学)の研究チームは、海岸から約1Km内陸の泥の層に注目した。
標高25m~37.9m付近にあり、含まれていた植物からの年代測定では、西暦1000年代~1100年代前半の平安時代後期にできたと思われる。
山野井氏は、東日本大震災に影響を受けて、日本海側でも大津波が起きていた痕跡はないかと5年前に調査を始めた。
庄内砂丘の斜面を掘ったところ、泥の層が見つかった。
標高30mを超えることから、高潮などの津波以外の要因は考えにくいという。
日本海中部地震・津波
1983年5月26日に発生した日本海中部地震(M7.7)では、秋田県秋田市で最大震度5で、日本海に大津波が発生した。
この時に秋田県では局地的に高さ10mを超える津波が襲った。
だが、歴史的に同県では、それを上回る津波に襲われたという事実は知られていなかった。
山形県の被害想定では、津波の高さは最高で16.3mとしている。
今回の発見が大津波の痕跡だとすれば、被害想定の見直しに迫られるかもしれない。
平安後期の役所跡からも大地震の痕跡
次に、平安時代後期まで役所があった遺跡が映し出された。
具体的にどこの遺跡とは紹介がなかった。
地震による液状化現象でできたと思われる白い砂の帯が残っている。
また、大きく太い柱が倒れた跡も残っている。
下記の写真がそれだ。
研究員は、人為的に柱を抜いたりすればすぐにわかるが、どうもそうではないという。
そのため、大地震で倒壊したのではないかという。
地震考古学への期待
このような研究は、いわゆる「地震考古学」と呼ばれるものだろう。
この用語は寒川旭(さんがわあきら)氏が提唱したもの。
地道な研究分野ではあるが、これによって大地震や津波の被害想定を見直したり、土地の地盤の強弱を判定するためにも非常に重要な分野だ。
【NHKニュース】(動画あり)
www3.nhk.or.jp
【地震】今朝、インドネシア、バリ島南部の内陸部でM5.5~M6.0の地震が起きたようだ。震源はデンパサールに近いが、今のところ大きな被害は伝えられていない。Earthquake Of M5.5 or M6.0 occurred in Bali, Indonesia. #宏レン #地震