今日は阪神淡路大震災から24周年だが、この時の被害状況を詳しく検討して、首都直下地震が発生したらどうなるかを考え、また今後に近畿地方内陸を再び大地震が襲う可能性を検討したい。
【目次】
【冒頭の写真】題名:六甲新道南周辺より北を望む、作者:神戸市(CCライセンス 表示2.1 日本)
兵庫県南部地震
1995年1月17日5時46分52秒、兵庫県南部地震が発生した。
火曜日の夜明け前だったため、近畿地方の多くの人々は就寝中だっただろう。
24歳未満の人は、まだこの世に生まれていなかった。
この時の状況をほとんど知らなくても無理もない。
そういう自分も、38歳だったが、その時の状況をテレビなどで見ることができなかった。
というのも、前年1994年9月から、インドネシア・ジャワ島の田舎町マディユンに派遣されて、SEとして働いていたからだ。
インドネシア国鉄の車両工場で、コンピュータのコンサルタントとして、ソフトウエア開発の設計開発に携わっていた。
初めてその大地震の発生を知ったのは、ホテルのテレビでインドネシア語か英語のニュースによってだろうか。
はっきりは覚えていないが。
その年の3月20日には、オウムサリン事件も起きた。
日本はどうなっているんだろうと、唖然とした。
阪神・淡路大震災の犠牲者
この大地震は、地震としては兵庫県南部地震という名称だが、「阪神・淡路大震災」と呼ばれるようになった。
犠牲者は6,434人。
負傷者は43,792人だった。
神戸市という大都市を巻き込んだ大震災だったこともあり、多くの犠牲者が出た。
早朝だったために、下記のグラフの通り、その大半は就寝中に亡くなったものだった。
記憶は風化される
24歳未満の人や当時まだ幼い子供だった人には特に、地震発生当時の状況を知ってもらいたい。
また、既に大人になっていた人たちにも、この大震災の記憶を風化しないためにも、阪神・淡路大震災のことを思い起こしてほしいものだ。
日本人の大災害に関する記憶は、すぐに風化してしまう。
それは、日本人は情緒的・感情的な部分が強いために、「嫌なことはすぐに忘れよう」ということも一つにはあるのではないか。
だが、東日本大震災にしてもそうだが、今後の世代の人々が同じ不幸を体験させないためにも、そのような記憶は語り継がれる必要がある。
衝撃のニュース映像
下記のYouTube動画は、地震発生直後の11時のニュース映像だ。
開始後49秒ぐらいから、世界的に知られることになった高速道路倒壊の映像が映し出される。
ヘリコプターで上空から映された映像は、若い人たちにとっても、それを見慣れていない私にとっても、衝撃の映像だ。
ヘリは数百メートルの高速沿いを延々と飛行しながら倒壊した高架を映し出していく。
その戦慄の映像を、NHKなのか、アナウンサーは普通の表情で淡々と語っている。
「倒壊した高速道路が、倒壊する寸前に波打っていた」という目撃談話もあるという。
まさに、この世の終わり的な様相だ。
地獄絵図
場面は変わって、神戸市灘区岩屋の高速道路倒壊の現場を背景に、現場からアナウンサーが淡々と報告していく。
映し出された高速道路は崩壊し、走行していたトラックは落下した。
以前に知り合いの建設エンジニアの人に聞いたが、東京でM7以上の首都直下地震が発生したら、高架の多くは川沿いの軟弱地盤の上に建っているので、24年前の阪神高速道路と同様にその多くが倒壊するだろうと言っていた。
仕事などで首都高速をよく利用する人、高架沿いに住んでいる人は、ある程度の覚悟が必要だろう。
遠くでは火災が発生している。
沿道では、民家や3~4階建てのビルが倒壊している。
3分25秒頃から映される神戸市加納町の北上ホテルは、1階部分が完全に潰され、2階以上がそのまま落下してきた。
宿泊客の多くは客室に閉じ込められた。
このような7分ほどの動画でも、さまざまな想いが巡ってきて、悲痛な気持ちになってくる。
これは上記の動画ではなくNHKのニュースに映された内容だが、大震災当時の地震と火災で焼け野原になった情景をビデオで映している男性が、こう叫ぶ。
「なんちゅうことや、ほんま!」
「アスハワガミ」
もう一つのニュース映像を紹介する。
大地震発生直後に、神戸市長田区の映像らしい。
ヘリコプターで火炎を上げる火災現場を映し出しているアナウンサーは、「地震によって起きたのが信じられない。何か戦争で焼けてしまったような…」などと言っている。
暗闇の中を飛ぶヘリの上から映し出されるのは、一つの町・丁目ぐらいの広さの土地がすべて赤く燃えている光景。
たしかにこれは戦争だ。
大都市で起きていることとは思えない。
東京は、「アスハワガミ」だ。
何度も書くが、特に23区内の密集地帯に住む人々、0メートル地帯に住む人々、大都市神戸の被害から、学ぶことは多いはずだ。
東京都下多摩地区の小平市に住む自分にとっても、他人事ではない。
多摩丘陵の上であり、地盤はそう悪くないものの、たとえば立川断層が動いたらオシマイだ。
また、今の住宅は築年数がかなり経つ木造家屋のため、懸念するのは1階が潰れて2階が落ちてくることだろう。
防災の優先度が重要
いつもいつも書いていることだが、日本の多くの人々は、「防災」についての優先順位を今一度確認した方が良いと思う。
被災しても美味しいものを食べたいとか、帰宅困難を心配するとか、たしかに重要だけれど、もっと優先して考えることがある。
餓えて亡くなる人は、あまり聞いたことがない。
先月発生したインドネシア・スンダ海峡津波では、食べるものにも困る人々が多くいた。
だが、日本では事情が大きく異なる。
サバイバルするための住む場所については、「地盤」が最優先だ。
その次が、住居の耐震性。
逆では絶対にない。
軟弱地盤の上に、いくら堅強な建物を建てても意味がない。
備蓄食などは、(運良く)生き残った場合だけに必要になってくるもの。
人間は、体が無事ならば何日か飲まず食わずでも何とかなる。
「兆し」の地震があるか
以上のようなことを連連と書き続けても、無限大に続いてしまいそうだ。
そこで、ここで視点を変えて書くことにする。
第2の阪神・淡路大震災は、近畿地方で起きるだろうか。
首都東京が壊滅するような首都直下地震は、起きるだろうか。
それが起きることを事前に知るために、何ができるだろうか。
一つには、日常的に起きる小規模の地震に「手がかり」がないかどうかだ。
1923年以降の100年弱の間に、兵庫県南東部と淡路島で起きた有感地震は100回未満と、非常に少なかった。
そして、兵庫県南部地震が発生する前日1/16 18:28に、M3.7、最大震度1の地震が発生した。
そのような小規模な地震に気を止める人などいなかっただろう。
ちなみに、この地震も何かの陰謀による人工地震だという人がいるけれど、そういう人は、前日にほぼ同震源でM3.7、最大震度1の地震が発生していたのは「お試し」ということ?
そんなアホな。
前年は大地震ラッシュだった
注目を惹くことは、兵庫県南部地震の半年前頃から、日本ではM6超の地震が目立っていたことだ。
また、1年前からは、下記のようにM6超の地震がなんと35回も起きていた。
1994年4月30日:大隅半島東方沖(M6.0)
1994年5月24日:台湾付近(M6.6)
1994年6月5日:台湾付近(M6.7)
1994年6月3日:インドネシア、東ジャワ州(Mw7.8)、犠牲者280人。
1994年7月22日:日本海北部(M7.3)
1994年7月22日:日本海中部(M6.3)
1994年8月31日:根室半島南島沖(M6.3)
1994年10月4日:北海道東方沖(M8.2)
1994年12月28日:三陸沖(M7.6)
1994年11月15日:フィリピン中部(Mw7.1)、犠牲者・負傷者200人、津波。
1995年1月7日:岩手県沖(M7.2)
1995年1月10日:茨城県沖(M6.2)
これらのM6の地震の震源を下記のマップで示す。
こうしてみると、台湾、日本海(中部・北部)、大隅半島東方沖を除いては、すべて東日本だ。
もっとも、7/22の日本海(中部・北部)はアムールプレート上の地震だったので、同じプレート上で近畿地方も注意することはできただろう。
このように大地震が連発する時期には、たとえ自分たちが住む地域で大きな地震が起きていなくても、警戒をするに越したことはないだろう。
神戸周辺を再度大地震が襲う可能性
神戸大学名誉教授の石橋克彦氏(歴史地震、地震テクトニクス)が、1999年10月8日に神戸市で行った公開講座で語った記録を見つけたので、紹介する。
ここで石橋氏は、こう語っていた。
今後50年くらいを考えれば,神戸がまた激しい地震動に襲われる可能性は高いと言わざるをえません。
そして、その理由を3つ挙げる。
第一に,近畿地方のどこかでまた浅い大地震が起こるかもしれません.
2018年になって、やっと一つが起きたということか。
昨年6月18日の、大阪府北部地震(M6.1)だ。
震源の深さは13 kmと、たしかに浅かった。
近畿地方でM8級の巨大地震
第二は,四国~紀伊水道のすぐ沖合を震源域とするM8級の巨大地震です.
これは、もちろん南海トラフ巨大地震のうちの南海地震となる。
過去何回かの東海・南海巨大地震に先立つ数十年間は,西日本の内陸や日本海沿岸の大地震が活発化するパターンがみられました.この相関はプレートの運動から考えてもありうることなので,上の第一と第二は相互に関連していると思われます.
内陸の大地震
第三に,紀伊半島の下に沈み込んでいるフィリピン海プレートの内部で「スラブ内大地震」という種類の地震が起こるかもしれません(「スラブ」とは沈み込んだ海洋プレートのこと).1952年に奈良県中部の下の深さ60kmでM6.8の吉野地震が発生しましたが,それと同様のものです.
南海トラフ巨大地震(南海地震)ばかりに気を取られていてはいけないということだ。
また、その内陸で起きる大地震が、南海トラフ巨大地震の前兆の一つでもあるかもしれない。
たとえば、1944年12月7日に昭和東南海地震(M7.9、Mw8.2)が起きた翌年の1月13日に、三河地震(M6.8)が発生し、犠牲者・行方不明者2,306人で、津波も発生した。
その翌年の12月21日に、昭和南海地震(M8.0、Mw8.4)が発生し、犠牲者・行方不明者1,443人となった。
「大きな地震はそう続けて起きるものではない」という考えは、間違っていることの方が多いということ。
大阪府北部地震はまだ序章で、これからは「西日本の時代」になるのかもしれない。
近畿地方にとって恐怖の事実
昨年の西日本豪雨の時も強く感じたが、西日本には地震災害に関して呑気な人が多いので、そういう人々を目覚めさせるために、以下に1つのマップを示す。
ただし、都心に住む人がこのマップを見て、「あっ、23区内は活断層がすごい少ないじゃん!」とぬか喜びしてはいけない。
単に、見つかってないだけなので。
その理由は?
都心では簡単に土をほじくれないことを考えれば、わかるでしょう。
調査してくても、できないのだ。
だから、23区内に住む人の近所に、活断層が潜んでいるかもしれないのだ。
私の元には様々な方面、様々な人々から情報が入ってくる。
その中には、南海トラフ巨大地震や首都直下地震が発生した際の被害想定の実情について、真実がありのままに伝えられていないことを思わせる情報もある。
個人的な異見だが、そのように国民の生命を蔑ろにする政府は支持したくない気持ちでいっぱいになる。
政府や自治体が示す被害想定は、「話半分」の反対で、「話◯倍」ぐらいに聞いておいた方が身のためかもしれない。
「生き残るために、阪神・淡路大震災から何を学ぶか?」
2015年の阪神・淡路大震災20周年の際に、大震災を振り返るために、「生き残るために、阪神・淡路大震災から何を学ぶか?」という連載記事を5回にわたって書いた。
今日はその内容を話題にするつもりだったが、すでに長くなりすぎて諦めた。
4年前で、今とは考え方が変わっている部分もあるかもしれないが、余裕がある方は下記の1回目から読んでみてください。
阪神・淡路大震災の写真アーカイブから被害状況の写真や、防災のことなど、色々と書いています。
今日の前兆現象
今日は書くことは少ない。
朝から夕方まで3回ほど、久々に無人チャイムが鳴った。
08時台 1回
16時台 1回
17時台 1回
また、ばけたんもカウントする暇がなかったが、結構多い。
地震ではないが、今日は口永良部島で爆発があり、火砕流が多方向に流れた。
このことは、また後日に話題にするかもしれない。
【参考】
◎地震現象の理解と私たちの暮らし(石橋克彦)
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