今日は、内陸で起きた大地震の前に、前震や静穏化現象など大地震に先立つ何らかの兆候が起きていたかどうかを調べていたが、調べるうちに鳩山元首相の「デマ」発言で話題となったCCSとの関わりに行きついてしまった。
日本の歴史に残る、内陸の大きな被害地震に先立って、どういう地震の傾向があったかを調べた結果を紹介する。
- 関東地震(関東大震災、1923)
- 西埼玉地震(1931)
- 熊本地震(2016)
- 新潟県中越地震(2004)+新潟県中越沖地震(2007)
- CCSと地震
- 北海道胆振東部地震(2018)
- 本当に「デマ」なのか?
- 内陸大地震の前兆
- 今日の前兆現象
関東地震(関東大震災、1923)
まずは、日本で史上最悪の被害地震となった関東地震(関東大震災)を取り上げる。
1923年9月1日に起きたこの地震では、10万5千人の犠牲者が出たが、これはもちろん日本の歴史上最多となるものだ。
この地震の発生要因は、フィリピン海プレートの沈み込みによって生じたプレート境界での北米プレートの跳ね返りによるものとされている。
地震に先立って象徴的な地震が起きていたかどうか検索すると、フィリピン海プレートの沈み込みで起きていたいくつかの地震があった。
上記マップのように、フィリピン海プレートがオホーツクプレート(北米プレート)に沈み込む地帯で、M4~M6クラスの地震が1年ほど前から何度か起きていた。
特に三浦半島の東端の海岸線に近いところで、1年4カ月ほど前にM6.8の地震が起きた。
どこの地震に限らず、このような大規模な地震が起きた後は「これで終わり」と思わず注意することはできる。
また、神奈川県の内陸地震に関しては、これ以外にまったく有感地震が起きていなかったことも注目される。
気象庁のD/Bでは1922年1月より前の地震データを検索できないので、それ以前にどういう地震が起きていたか不明だが、神奈川県では静穏化が起きていたといえるかもしれない。
元々神奈川県は内陸の地震が少ないが、これが今ならば「なんか変」と思って警戒する人もいるだろう。
西埼玉地震(1931)
次に、1931年9月21日に発生した西埼玉地震(M6.9)を調べてみる。
この発生の1年前以降には、関東地震から7年ということで余震もあったのだろうが、多くの地震が起きていた。
記録が公開されている1922年以降の埼玉県の有感地震を検索すると、下記の図のようになる。
9年ほどの間に、震源の周囲で有感地震が見られず、ドーナツアイ現象といえるかもしれない。
熊本地震(2016)
次は一気に飛んで、2016年4月の熊本地震の前を見てみる。
この地震は、4月14日に前震があり、16日に本震が起きたと考えられてきたが、実は別々の独立した地震と考えるべきで、14日の地震は日奈久断層帯の北端部の活動で、16日未明の地震は布田川断層帯の活動によるものとされる。
そして、隣接する二つの断層帯が連動することで発生した連動型地震だという。
この前の1年間には、以下のような有感地震が起きていた。
熊本地震を陰謀論的に「人工地震」だという人がいるが、活断層上で起きた地震であることと、震源の周辺にドーナツアイができているようだというところを取っても、私にはそうは思えない。
新潟県中越地震(2004)+新潟県中越沖地震(2007)
次は、少し戻って、15年前の新潟県中越地震と、その3年後に起きた新潟県中越沖地震を調べ得てみる。
新潟県中越地震の発生の1年前からは、以下のような有感地震が起きていた。
この地震の場合は、周囲で前震(かもしれない地震)が起きていたかもしれないと思ったが、これはいわゆる自然地震ではない可能性が指摘されている。
いわゆる「人為的地震」「人造地震」などと言われているものだ。
先日紹介した島村英紀・武蔵野学院大学特任教授の新刊『多発する人造地震』でも、この事例が取り上げられている。
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例の、人造地震との関係を取りざたされているCCS(二酸化炭素貯留)に関係するかもしれない地震だ。
鳩山由紀夫元首相が、2018年の北海道胆振東部地震がCCSによって起きた「人災」だと発言して、北海道警察からデマとされてしまった。
CCSと地震
CCSとは、一酸化炭素を地中に圧入して、地球温暖化の元凶とされているCO2を地中に封じ込めることを目的としている。
日本初のCCS実験は、新潟県長岡市の南長岡ガス田で行われた。
ここで、2003年7月から1年半にわたりCO2の圧入を行った。
この場所は、新潟県中越地震(2004/10/23)と新潟県中越沖地震(2007/7/16)の震源のちょうど中間あたりで、両震源からそれぞれ20kmほどの距離にあった。
上記マップ上で「長岡ガス田」と記したところだ。
島村氏が著書で指摘しているように、新潟県中越地震と新潟県中越沖地震の震源のちょうど中間あたりに、長岡ガス田がある。
両震源から20kmほどの距離だった。
ここで、2003年7月から1年半にわたりCO2の圧入を行い、終了直後に近場で大地震が起きたのは、「偶然」のことなのだろうか。
私には、そうは思えない。
北海道胆振東部地震(2018)
次は、昨年9月6日に発生した北海道胆振東部地震について。
下記は、発生前1年間の有感地震の分布図だ。
ここでは、前年7月~11月に震源の北西10kmほどのところで集中的に地震が起きていた。
この地震は、ご承知の通り、前述の鳩山元首相のデマ扱いされた発言により、CCSとの関係が日本中で知られるところとなった。
このCCSプロジェクトでは、2012年度~2015年度は準備期間で、設備の設計・建設、圧入井の掘削、実証運転の準備を実施した。
そして2016年4月よりCO2の圧入を開始し、2018年度で終了した。
その期間中の2018年9月6日に胆振東部地震が起きたわけだが、震源はCO2圧入地点から30kmほど離れたところだった。
地震発生時点では、CO2の圧入は休止していた。
そして2018年12月末に、CO2の圧入が再開された。
すると、2019年2月21日に胆振地方中東部でM5.7、最大震度6弱の地震が発生した。
本当に「デマ」なのか?
島村氏は上記の著書で、「マグニチュード6.7の地震で、半年後まで余震が続くことは珍しい」と書いている。
その地震が発生した後で、例の鳩山氏のデマ扱いされた発言が出たのだ。
だが、島村氏は「デマではない可能性も否定できないのだ」と書いている。
もし鳩山氏の発言が完全デマだとすれば、新潟県と北海道で大地震の前に、「たまたま」20~30kmの近場でCO2の圧入が行われていたことになる。
この2つの事例だけでは断定はできないが、特に新潟県中越の2つの地震との関係は、かなり怪しいと言わざるを得ない。
島村氏は地震学者であるために、CCSと地震との関係を容易に認める発言をしたりはしないが、その可能性はかなりある的な書き方をしている。
私はこれまで調べてきた経験に基づいて、CCSと地震発生の関連性は大いにあり得ると考えている。
地中に液体や気体を注入することによって、地殻が刺激されて地震が起き得ることは、島村氏や米国の多くの科学者が考えている。
内陸大地震の前兆
このように、当初の目的とはかなり外れたところに来てしまい、CCSについての記事のようになってしまった。
CCSと関係するかもしれない地震以外にも、将来大地震の震源となるところの周囲で地震が減る静穏化またはドーナツアイ現象が生じるケースもある。
それ以外にも、大地震に先立って前震と思われる地震が起きることもある。
今回は取り上げなかったが、1995年の阪神淡路大震災の数カ月前に、兵庫県の内陸部で群発地震が起きていて、また前日にも1回地震が起きていた。
これを見て近畿地方の人々が危機意識を持った人がいたかというと、ほとんどいないだろう。
1回だけの地震よりも、群発地震の方が、「何かあるかもしれない」と身構えることはできるだろう。
これまで書いてきたように、何の前触れもなく大地震が起きる時ばかりではないということだ。
もっとも、CCSのような人造地震は、もし相関関係があるとすれば地球ではなく人間たちに責任があるわけで、その責任を誰も追及されないというのは、おかしいことだろう。
地球温暖化防止という大義名分があっても、犠牲者が出る可能性がある人為的行いは、すぐにやめるべきだ。
今日の前兆現象
ちび子の運動量は、すごく少なかった。
【ハムスター】6/12朝、カウンター値:18。 @kokanranger 報告 #hamster #地震予知 #ハムスター地震予知 #ハムスター #ジャンガリアンハムスター
先代のしろ子の場合は、数十回だけということは殆どなく、ちび子は気分にムラがあるのか?
その辺のことは、ハムスター語を解さないので何とも言えない。
私の体感としては、朝から非常に強い金属音的な耳鳴りが続いている。
【体感】6/12昨日朝の耳鳴りは、投稿1時間後に千葉県北西部M4.2でうちも揺れたけれど、11時半現在また金属音的な強い耳鳴りが始まった。今朝は無人チャイムも多い。今日あたりまた関東で強めに揺れそうか。#耳鳴り #体感#地震予知 #地震前兆 #地震予測 #LINE
今日にも起きそうなことを書いてしまったが、今日はあと2時間ほどで終わろうとしていて、自信がなくなってきた。
こういう時にはラドン濃度に頼りたくなってくるが、下記のように22時時点で昨夜からほとんど同一レベルを維持している。
市川観測点では、今朝までのデータしか表示されていないが、緩やかに下降中かもしれない。
ラドン濃度に頼りたくなっても、雨が降ると地震前兆ではなくてもアップダウンがあるので、梅雨の時期にはあまり信頼できなくなるかもしれない。
ではイオノグラムはどうかというと、下記の通り4観測点とも低空で高い値が出ているが、こういう場合は却ってどこでも地震が起きないこともある。
無人チャイムは、8時台3回、10時台7回、11時台1回、15時台2回と、非常に多かった。
というわけで今日はどうも予測が難しいが、耳鳴りは強いので、たとえば関東の遠い沖合あたりで中規模以上の地震が起きるのかもしれない。
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尾木ママが72歳にして免許を返納をした。きっかけは、ある番組の運転能力テストで、信号無視、ウインカー出し忘れ、車庫入れで引っかかったこと。自分を客観的に見れることは素晴らしい。高齢者の中では、自分の運動神経を過信する人が多い。人をヒキコロしては遅いのに!#免許返納 #尾木ママ #高齢者の暴走 #高齢ドライバー