オランダの地震予知研究家フランク・フッガービーツ氏が毎週のように発表する地震予測情報を今回はじめてまとめて評価したところ、意外な事実がわかってきたので紹介する。
また一般的に世界で起きる地震の確率についても説明するので、フッガービーツ氏を離れたところでも読む価値があるかもしれない。
フランク・フッガービーツ氏について
オランダのフランク・フッガービーツ氏は、占星術的手法によって地震予知を行うことで世界的に知られている。
その地震予測方法は、あまり手の内を明かさないが、部分的には伝統的な西洋占星術の理論に基づいているようだ。
特に、複数の天体(太陽・月・惑星)のアスペクト(地球を中心に見た角度)を重視しているようにも思われる。
多くの場合、何月何日から何日までと日の範囲(多くは2~3日間)を指定し、場合によってはどのくらいの規模の地震が起きそうだということまで示すが、「どこで」という位置的な情報は全く言及しない。
過去には米国カリフォルニア州などと指定していたようだが、大きく話題になった地震予測が外れて叩かれたりしたのかどうかわからないが、現在では地震が起き得る場所は、基本的に一切書かなくなった。
過去の的中と思われる例は?
以下に、過去に私がこのブログで紹介を始めた2017年9月頃からの地震予測を示し、対応する地震が世界のどこかで起きた場合は、それも示す。
基本的には、日の範囲を1日でも超えた場合は、たとえ大きな地震が起きても対象外とする。
ただし、オランダ・UTC(グリニッジ標準時)・日本時間の時差を考慮して多少外れたりした場合や、別の理由で、例外的に紹介する場合もある。
また、あとで詳しく書くが、M7クラスの地震でも世界のどこかでは数日に1回は起きるので、その程度が起きたからといって的中だとするのは適切ではない。
的中と思われる例はごく一部だけ
下記が、その的中例だ。
◎2017年9月7日発表:
3惑星がほぼ直列状態に至ることにより地震活動が活発化、今日はM7を上回る地震が起きるかもしれない。
→2017-09-08 04:49 (UTC):メキシコ・チアパス地震、Mw8.1、犠牲者91人
◎2018年2月18日18:35発表:
2019年2月18~21日の地震予測
2月16日~19日の複数の惑星配置により、19日~21日にM8クラス以上の大地震が起こり得る。
→2019/02/22 10:17UTC:エクアドル、Paloraの111km東南東、M7.5
◎2019年5月14日5:35発表:
2019年5月14日の地震予測
火星、木星、海王星の危機的な天体配置により、5月14日前後にM7クラスの地震が起こり得る。
→2019年5月14日12:58(UTC):パプアニューギニア、M7.6
的中と言えるものは、上記の3件あった。
というか、冷徹に評価したところ、3件しかなかったと言った方が良いだろう。
世界で大地震が起きる頻度
なぜこのように厳しい評価にしたかというと、下記のように、世界で発生する大地震の確率を考えた結果なのだ。
2009-2018年 過去10年間:
M6.0-M6.9: 1331回、1年間に133回の確率→1日に3~4回
M7.0-7.9 : 160回、1年間に16回の確率→2~3日に1回
M7.5-M7.9: 60回、1年間に6回の確率→6日に1回
M8.0+ : 11回、1年間に1回の確率
M6クラスの地震は、世界のどこかで1日に平均3~4回起きている。
M7クラスの地震は、2~3日に1回起きる。
M8クラス以上の地震は、さすがに少なくなって、1年に1回くらい。