今日TOCANAで私が執筆した記事が掲載されたが、今回は毛色が変わっていて、いわゆる「占星術」を生涯をかけて科学的(統計学的)に検証しようと試みたフランスの心理学者の紹介だ。
ミッシェル・ゴークラン氏
この記事は基本的に、普段書いている地震予知とは関係ない。
ただ、これを読むと、特定の天体配置が人間や地球の地殻に影響を与えるという命題が、あながち「トンデモ」ではないかもしれないと思えてくるかもしれない。
ミッシェル・ゴークラン氏といっても、若い人は全く知らないだろう。
私とそう変わらない年代の方ならば、かつて英国の科学者ライアル・ワトソン博士が執筆した『スーパーネイチュア』で読んだ人もいるかも
いわゆる科学者から最も毛嫌いされる「占星術」に関する法則を、統計学的に誰も言い逃れできない形で検証したということだ。
TOCANAの記事
ゴークラン氏は、「優れたスポーツ選手には、出生時の天体の配置に共通点がみられる」といった主張を、大学で心理学と統計学の学位を得た人が言うのだから、何も事情を知らない人にとっては胡散臭さの極致だろう。
このTOCANAの記事は、『成功者の誕生日と天体配置に知られざる関係を発見!! 占星術を科学したゴークランの「火星効果」の衝撃内容とは!?』と題したもの。
関心がある方や占星術が好きな方は、下記のTOCANAの記事を読んでみてください。
「火星効果」はあるか?
ゴークランの発音は、フランス語では「ゴクラン」が近い。
英語的には「ゴークリン」とも発音される。
著名人の例は、上昇と天頂だけの顕著な例を示した。
この執筆にあたって、世界中の多くの著名人の出生データを調べてみたが、実際は傾向として、下降と天頂の反対のケースも見られる。
今回はゴークラン氏の主張に従って、上昇と天頂のケースのみを紹介した。
下記の図は、フランスの著名な医師の出生データを集め統計的に処理したもの。
これを見ると、地球を中心として全天を18のセクターに分けて、医師たちが生まれた時間に火星がどのセクターにあったかを統計的に処理したもの。
これを見ると、「上昇」つまり火星が東の地平線に昇りつつあるときか、または「天頂」つまり天頂に上り詰めた前後に生まれた人が多かった。
ちなみに、緑色の点線が平均レベルを示す。
その次には、火星の没つまり西の地平線に沈んでいく頃または天頂の反対で地平線に沈んで見えない時間で生まれた人も平均レベル以上だった。
医師と火星の関係
有能な医師の多くは、火星か土星が上昇点(東の地平線に昇りつつある時)あるいは天頂付近のセクターに位置する時に生まれていたという結果となった。
同様に、火星はスポーツ選手、軍人、会社重役、科学者とも関係があり、同様に統計的に有意な結果となった。
他にも、火星を含めて職業と惑星(と月)の間に、以下のような関連性が見いだされた。
- スポーツ選手:火星
- 軍人:火星または木星
- 俳優:木星
- 医師:火星または土星
- 政治家:月または木星
- 会社重役:火星または土星
- 科学者:火星または土星
- 作家:月
- ジャーナリスト:木星
- 劇作家:木星
- 画家:金星
- 音楽家:金星
ゴークラン博士のホロスコープ
ちなみに、下記のゴークリン博士自身のホロスコープを見ると、木星(♃)が天頂付近にあり、これは職業としては、軍人・俳優・政治家・ジャーナリスト・劇作家と関係があるとされる。
こうして見ると、残念ながらゴークリン氏自身はどの職業にも当てはまらないことになる。
うちの家族では、私と3人の子供たちはみな自然分娩ではないので、いわゆるゴークリン効果には当てはまらない。
では、百瀬サルタヤーさん(サルちゃん)はどうかとホロスコープを見ると、土星が天頂の手前にあり、月がちょうど沈んだ直後だった。
土星は、医師・科学者・会社重役に関係がある。
また月は、政治家・作家に関係している。
今のところ、このうちのどれも成れそうにはない。
ゴークラン氏が著書で書いていたが、やはりこのようなこともあるので、出産は自然分娩が望ましいのだという。
私自身の出生時は、すでに書いたように自然分娩ではなく、たしか難産で鉗子(かんし)を使ったらしいから、全くダメだ。
そうでなければ、火星と月が天頂付近にあって、土星が沈んだ直後に生まれているので、作家か科学者のようなものだと言えたのだが、残念だ。
このホロスコープはAstrologという定番フリーウエアを使っているが、実は「Gauquelin Sectors」というハウス分割の選択肢があって、下記のようになる。
もし私が自然分娩で生まれていれば、たとえば火星がセクター10にあって、9か10ならば天頂に該当することになる。
同様に土星もセクター19に入っている。
著名人の職業と天体配置
トカナの記事で挙げた、天体に対応する職業のもとで生まれた世界の著名人のリストを、ここでも貼り付けておく。
◎火星(スポーツ選手、軍人、医師、科学者)
ジョー・ディマジオ(野球選手・上昇)
タイガー・ウッズ(ゴルファー・上昇)
アルフレッド・ノーベル(上昇・科学者)
◎金星(画家、音楽家)
アンディー・ウォーホール(画家・上昇)
デヴィッド・ボウイ(ミュージシャン・天頂)
◎木星(軍人、政治家、俳優、ジャーナリスト、劇作家)
サダム・フセイン(政治家・上昇)
ロバート・ケネディ(政治家・上昇)
セオドア・ルーズベルト(政治家・上昇)
◎土星(医師、科学者)
チャールズ・ダーウィン(科学者・上昇)
グラハム・ベル(科学者・上昇)
TOCANAの記事上のリストでは、各人にリンクが張ってあって、クリックすると該当のホロスコープがあるサイトのページへ飛べるようになっている。
占星術が好きだったり、ホロスコープが作れる人は、色んな著名人を見てみると面白いだろう。
ゴークラン博士からのメッセージ
じつは私はゴークラン博士と手紙でやりとりしたことがあった。
かつてはゴークラン博士の著書の邦訳版を出版させてもらおうと思っていたのだ。
それは実現しなかったが、かつてあった『トワイライトゾーン』という雑誌で博士の紹介記事を書いたことがあった。
『トライワイトゾーン』1987年21月号の『ミッシェル・ゴクラン博士の「宇宙生物学」』という記事で、当時私は31歳くらいだった。
その記事に掲載された、ミッシェル・ゴークラン博士からのメッセージを、ここで紹介しておく。
フランスより『トワイライトゾーン』誌のすべての読者の皆さまへ、心をこめてご挨拶いたします。コズモバイオロジー(宇宙生物学)の分野における、私の意見の意味するところに、皆さまが関心をもってくださるとしたら、これにまさる喜びはありません。日本という美しい国で、私の研究成果を繰り返し調べてみようとする方が、読者のなかから何人か現れることを、切に望んでおります。
Michael Gauquelin
下の写真は、長年研究をともにした奥さんだったフランソワ・ゴークランさんとのもの。
その後に離婚してしまった。
その後、ゴークラン氏は1991年5月20日に、おそらく失意のうちに亡くなった。
翻訳を約束したのに実現できずに、申し訳ないことをした。
私はこの人が編纂した膨大な厚さのデータブックも持っている。
占星術の本格的な研究を行っている人にも、重要な価値があるだろう。
Gauquelin Book of American Charts
- 作者:Gauquelin, Michel,Gauquelin, Francoise
- 発売日: 1982/06/01
- メディア: ペーパーバック
たしか、下記の本も持っていたと思う。
Cosmic Influences on Human Behavior (Planetary Factors in Personality)
- 作者:Gauquelin, Michael
- 発売日: 1985/06/01
- メディア: ペーパーバック
地震と天体配置
私は、若い頃から前述のライアル・ワトソンの著書などを読んでいて、いわゆる「星と人間」の間には、将来科学的に説明できる法則があるのかもしれないと思って研究していた。
そしてそれは、ゴークラン博士や、たとえば特定のいくつかの惑星が形作る確度(アスペクト)で電波障害が増大するといった研究結果に大いに関心を寄せていた。
私がいまでも地震との関係で「天体配置」に関心をもつのも、このような研究のバックグラウンドがあるためだ。
全く何の「根拠」が無さそうならば、こんな時間がかかるアホらしいことを、せっせとやったりはしない。
あくまでも可能性レベルだが、ゴークラン氏の主張が真実であるならば、本当に自然科学というものがひっくり返るかもしれないインパクトを持っているだろう。
それは、超常現象などとの比ではない。
だが、ゴークラン博士のように、心理学も統計学も学んだ人がこのような研究を行うのは、あまり期待できそうもない。
それが残念なところだ。
- 作者:ルネ・ヴァン・ダール研究所
- 発売日: 2018/02/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)