6/4夜に三浦半島で「謎の異臭」が発生して通報が500件以上も相次いだが、過去の大地震の前兆現象といわれる中にも「異臭」があるため、それらを比較してみたい。
ゴムが焼けたような匂い
6/4夜20時頃から3時間ほど、神奈川県の三浦半島南部で、謎の異臭が発生した。
「ゴムが燃えたようなにおい」「化学薬品のようなにおい」「にんにくのようなにおい」など、200件以上の通報が消防に寄せられた。
その通報の履歴から、異臭は約20kmほど北上したとみられている。
警察・消防・ガス会社の調査で調査されたが、結局は原因不明となった。
このような、ゴムが焼けたような匂いだと、地震の前兆現象かどうかは微妙なところだ。
以下に、過去の大地震の前に報告された「異臭」の例をいくつか紹介する。
昭和南海地震
昭和南海地震(1946/12/21、M8.0)の前兆として、「異臭」があった。
これは、『南海地震は予知できる』で中村不二夫氏が書いていることだ。
- 作者:中村 不二夫
- メディア: 単行本
ちなみにこの本は11年前に発売され既に絶版で、Amazonでは数冊古書が出ているが、すべて定価以上の値段だ。
中村氏が地元で前兆現象を聞き取り調査された記録で、はっきり言って地震学者も叶わないような貴重な資料となっている。
あとで入手困難になると思われるので、買うならば今のうちに。
この本によると、南海地震の前兆現象の一つとして、以下のものがある。
海水汚濁:高知県宇佐町沖合いでは操業していたサバ漁船が、船の流れを安定させるための漁具に、ドロドロしたヘドロのような-汚物が付着し、海藻が腐ったような異臭がした。
この原因は不明だが、何かしら海底で地殻変動が起きていたようだ。
兵庫県南部地震の前の「異臭」
兵庫県南部地震(1995/01/17、M7.3)、つまり阪神淡路大震災の前にも、「異臭」が発生していた。
そのことは、私の「バイブル」である『前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分』(東京出版)に報告がある。
前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分
- 作者:弘原海 清
- メディア: 大型本
ちなみにこの本も貴重で、小さい単行本はAmazon古書が3冊だけで最低6千円になっている。
大型本はスペースを取られて嫌がられるのだろうが、2千円台からある。
まず、前年1994年12月半ばから鳴門市で、海水が貝の腐ったような匂いになった。
また、地震前日の1995年1月16日には宝塚市で、非常に臭いガスのような匂いが漂った。
震源から1.5kmの距離だった。
ガスのような匂い
以上の3件のうち、2件は海水の異臭で、もう1件が地下から匂ってくるようだったという。
その宝塚市の報告は、臭いガスのような匂いということで、今回の三浦半島のケースと類似している点がある。
ただし、匂いが広範囲で位置が移動したなどの点から、消防庁が言うように原油タンカーなどが洋上でガス抜きを行った結果などの原因があるのかもしれない。
今後ほかの前兆現象などが県内で見られるようだと、更に要注意だろう。
過去の三浦半島周辺の大きな地震
1900年から120年間で、大きな地震(M6.0以上)がどれだけ起きていたかを調べてみた。
すると、下記マップのように、三浦半島の西沖で何度か起きていた。
これらは、みな1923/09/01の大正関東地震の同日、その地震の直後に起きていた。
ただマップ上で示した1件だけは、2014年に起きていた。
三浦半島で大地震の可能性は?
三浦半島のあたりは、以下に示すように、二重の意味で大きな地震が起きる「期間外」といえる。
(1) 「B:黒潮域」に属する→8~12月に大地震が多い。
(2) 黒潮の「直進期」(非大蛇行期)に大地震が多い。→現在は黒塩大蛇行発生中。
というわけで、大地震が起きる確率は、そう大きくはない。
だからといって絶対ではなく、また先月から東京湾や都心で地震が相次いだこともあって、関東南部は大きな地震に注意した方が良いかもしれない。
甘い飲み物などよりも、こういう自然100%で抗がん作用なども期待されるものの方が良い。