探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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うしろの始皇帝


数週間前に品川の書店で見つけて、思わず買ってしまった。
『ムー・スーパーミステリーブックス』なんて、あんまり定価で買いたくないものだが、最初の方を立ち読みしてみて、あまりにも面白かったので。
『うしろの始皇帝』、つのだじろう著、学研


奥付の発行日を見ると、つい先月の2月26日になっている。
表紙には「秦氏である著者が体験した霊的怪事件と祖先「秦始皇帝」の歴史的検証」とある。
これを読んで「えっ、あの秦氏?」と思った人もいるだろう。
そう、あの漫画家つのだじろう氏は、古代の渡来氏族である秦氏の末裔だというのだ。
そして、秦氏といえば、応神天皇の時代に日本に渡って来たときに、秦の始皇帝の子孫だと称していた。
だが、歴史家の中では、それをまともに受け取る人はまずいない。
私自身もそうだった。
だが、この本を読んでからは、「もしかしたら本当なのかもしれない」と思うようになってきた。


この本は、冒頭は漫画で始まる。
漫画家つのだじろうといえば、代表作の一つはなんといっても『うしろの百太郎』だ。
私はこの漫画を、中学生の頃に『少年マガジン』で毎週読んでいた。
つのだじろう氏は、いってみれば私の人生を狂わせた張本人かもしれない。
この作品によって、心霊世界に浸ってしまったのだ。
いま思えば、ずいぶん低次元だったなと思うが、まあそこは中学生だったから、ある程度は仕方ないだろう。
それに、そういうところからもっと高次元のスピリチュアルな世界へ向かうことができたとしたら、それはそれで良かったのだろう。


この漫画に触発されて、中学生の頃に4歳下の弟と、四谷怪談で有名な四谷稲荷へ行って、心霊写真を撮ろうとしたことがある。
家に帰って現像してみたら、何も写っていなかった。
風景だけで何も写っていなかったのではなくて、フィルムが真っ白に現像されていたのだと思う。
そうではなくて、一部分だけが真っ白になっていたのかもしれない。
もう35年以上前のことなので、はっきりと思い出せない。
いま考えてみると、超無謀なことをしたものだ。


私はこの『うしろの百太郎』によって不思議世界に深く入り込み、この分野を本格的に研究しようと心に決め、今に至っている。
心霊だろうがUFOだろうが、不思議なことならばなんでも首を突っ込んできた。
そういう人間だから、内外のいろんな本を読んできたし、また自身でもいろんな体験をしてきた。
そういう人間だから、不思議な話には慣れっこになっていて、そう簡単には驚かない。
だが、この本の冒頭にあるつのだ氏の体験には、かなり驚かされた。
「こんな不思議なことがあるんだな」と。


読みたいと思っている人のお楽しみを減らしてはいけないので、そのエピソードについては、あまり詳しく書くことができない。
簡単に書くと、以下のようなことだ。
ある日、つのだ氏の自宅が火事になり、全焼してしまった。
だが、不思議なことに、本当に大切で絶対に焼けてほしくないものは、不思議とすべて無事だったという。
しかも、いろんな偶然が重なって、家族は全員無事だった。
そして、家の建て直しなどはすべて保険金でまかなうことができたため、経済的損失はなかった。
だんだんわかってきたことは、その火事は、つのだ氏の祖先である秦・始皇帝が起こしたものらしいということ。
あまりにも荒唐無稽な話だが、話の流れからいって、それを認めざるをえない。
そういう気持ちになってくる。


その後、つのだ氏は始皇帝について詳しく調べるようになり、何度か中国まで行った。
この本の後半部分は、冒頭があまりにも衝撃的だということもあるが、前半部分ほどは面白くなかった。
「あまりにも始皇帝をもちあげすぎなんじゃないの?」と思えてくるが、まあそこは自分の先祖だから仕方ないかもしれない。
ところで、つのだ氏の先祖とはいっても、それは実際の血縁による先祖とは限らず、霊的な意味での「魂の先祖」であるということだ。
もっとも、つのだ氏は秦氏の傍系ということだから、血縁でもつながりはあるだろうということだが。


秦氏が本当に始皇帝の末裔ならば、秦氏・原始キリスト教徒説や古代イスラエル失われた十氏族説はちょっと可能性として弱くなってくるだろう。
実際、この本ではそういう関係の話は一切出てこない。
だが、秦氏といっても、古代氏族はかならずしも血縁集団ではなかったのだから、大挙して古代の日本を訪れた秦氏の中には、いろんなところから来たいろんな人種がいたのかもしれない。
とにかく謎の多い、一筋縄ではいかない人々だから。
私がこの数年間、秦氏について調べてきたことは、この本によってすべてが否定されるようなものではない。
だが、若干の修正は必要になってくるかもしれない。
秦氏という氏族は、やはり日本の歴史を影で動かしてきた奇怪な人々だったと思う。


【参考サイト】
百太郎神社(なんじゃこりゃ…)
http://www.tsunoda-jiroh.co.jp/menu.html


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