MIXiのある人の日記で、ヘブライ語やアラム語が日本語と似ているということで盛り上っているみたいなので、ちょっと書いてみます。
考えてみると、このブログでそういうことを、けっこう書いていなかったんですね。
アラム語(Aramaic)については、知らない人もいるかもしれませんね。
ヘブライ語(ヘブル語)と同じ北西セム語に属する言語で、ヘブライ語の親戚です。
アラム文字も、ヘブライ語とよく似ています。
かつてシリア地方、パレスチナ、 メソポタミアでBC500年〜600年頃に使われていた言葉です。
映画『パッション』のDVDでは、日本語、英語、アラム語の中から言語を選択して聴けるそうです。
これは、イエスさまたちはアラム語で話していたという説があるからなんです。
ただし、ヘブライ語説を取る学者もいて、たとえアラム語を話していたとしても、それは一部の言葉だけアラム語を使ったという可能性もあるようですが。
ヘブライ語と古代大和言葉には、似ている単語が多く見られます。
その例を下にあげてみます。
- シロ=12支族の軍事的・宗教的中核地
- nasi(長・指導者)→主(ぬし)
- nase(する、試す)→為す(なす、行う、する)
- hakar(調べる、測る)→測る
- haya(速く、急速に)→はや(速)
- harav(滅ぶ、破滅する)→滅ぶ
- miya(神の場所、神の居る場所)→宮
- ミソグ(分別・聖別)→禊(みそぎ)
- ニホヒ(匂い)→匂い
- ヤケド(火傷)→やけど
- ウケ(食物)→ウケ、ウカ(食物)
- カラー(刈る)→刈る
- アキナフ(買う)→商う(あきなう)
- カク(書く)→書く
- スム(住む)→住む
(一部は『失われたイスラエル10支族』(ラビ・エリヤフ・アビハイル著、久保有政訳、学習研究社)より引用)
こういうことを長年研究していたイスラエル人の故ヨセフ・アイデルバーグ氏によると、ヘブル・アラム語で「ヤハウェ(エホバ)の民」を意味する『Ya-umato(ヤー・ウマト)』は続けて発音すると『Ya-'mato(ヤーマト)』になり、それが日本語の「やまと」になったとか。
天皇のことを古代では「すめらみこと」と読みましたが、スメラは古代イスラエル王国の首都だったサマリアが訛ったものだとか。
ただし、「シュメール」が語源だと主張する人もいます。
アイデルバーグ氏によると、日本語のカタカナ・ひらがなは、アラム文字とヘブライ文字をもとに作られたと主張しています。
これについては、常識的にはカタカナ・ひらがなは万葉仮名からつくられたとするのが普通であって、何ともいえません。↓
http://rerundata.hypermart.net/ura/hexagon/texts/textA4F/hatchJ/b1fha101b.html#05
古代イスラエルと日本とのつながりについては、ぼくのノンフィクション作品群『聖地巡礼ファイル』で書いています。
「#250 古都に隠された十字架・前編」、「#251 丹後にユダヤの痕跡を見る」、そして「#252 古都に隠された十字架・後編」です。
http://www.ne.jp/asahi/pasar/tokek/SJF/index.html
こういうことに興味がある人には、こういう本もお奨めです。
まず、これは故ヨセフ・アイデルバーグ氏の最後の本。
日本語とヘブライ語の比較に多くの頁をあてていますが、どうしても著者の日本語に対する知識が十分とはいえないので、そこらへんを差し引いて読む必要があります。
- 作者: ヨセフアイデルバーグ,Joseph Eidelberg,久保有政
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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次は、失われたイスラエル10支族を調査するイスラエルの機関「アミシャーヴ」の調査報告です。
ただし、日本だけではなく世界各地を調査対象としていて、そのうちの1章を日本にあてています。
- 作者: ラビ・エリヤフアビハイル,久保有政,Rabbi Eliyahu Avichail,鵬一輝
- 出版社/メーカー: 学研
- 発売日: 2005/08/30
- メディア: 単行本
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以上の本については、こちらの記事で書評を書いてます。↓
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20051230/israel
やはり日本について一番よく知っている人が書いていて、安心して読める本というと、なんといってもマーヴィン・トケイヤー氏の本でしょう。
イスラエル10支族が古代の日本に渡来した可能性を長年研究していて、日本に長く滞在していた経験もある親日家で、ユダヤ教のラビ(教師)でもあります。
日本に来て、山伏の格好がユダヤ教の聖職者のそれとあまりにもソックリなので、それを見て人生が変わってしまったそうです。
この分野−日本に渡来した古代イスラエル人について関心がある人は、まず下記の本を読んでみると良いでしょう。
いわゆるユダヤ人と日本人が同じルーツをもつという「にちユどうそろん」(検索されたくないんで)の関係はアヤシイ本が多いので、気をつけてくださいね。洗脳されないように(わたしも洗脳してる?)。
聖書に隠された日本・ユダヤ封印の古代史―失われた10部族の謎 (Natura‐eye Mysteria)
- 作者: ラビ・マーヴィントケイヤー,Rabbi Marvin Tokayer,久保有政
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本
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